安全データシート

三臭化ほう素 (17%ジクロロメタン溶液, 約1mol/L)

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 三臭化ほう素 (17%ジクロロメタン溶液, 約1mol/L)
  • CB番号: CB5852622
  • CAS: 10294-33-4
  • 同義語: 三臭化ホウ素

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 電子工業用
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
H31.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
急性毒性(吸入:蒸気)   区分3
皮膚腐食性及び皮膚刺激性   区分1
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性   区分1
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分1(呼吸器)
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)   区分1(呼吸器、歯)
分類実施日(環境有害性)
環境に対する有害性はH18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用
環境に対する有害性
-

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS05GHS06
注意喚起語
危険
危険有害性情報
金属腐食のおそれ
飲み込んだり吸入すると生命に危険
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
発がんのおそれ
臓器の障害: 呼吸器系 中枢神経系
長期にわたる、または反復暴露による臓器の障害: 肝
臓 中枢神経系
長期にわたる、または反復暴露による臓器の障害のおそ
れ: 血液 呼吸器系
水生生物に毒性
長期継続的影響により水生生物に毒性
注意書き
[安全対策]
使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
他の容器に移し替えないこと。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
環境への放出を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
呼吸用保護具を着用すること。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。直ちに医師に連絡
すること。
皮膚(または髪)に付着した場合:直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
皮膚を流水、シャワーで洗うこと。直ちに医師に連絡すること。汚染された衣
類を再使用する場合には洗濯すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させるこ
と。直ちに医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に
連絡すること。
暴露または暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
物的被害を防止するため流出したものを吸収すること。
漏出物を回収すること。
[保管]
耐食性のある容器に保管すること。
容器を密閉して換気の良いところで保管すること。
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 混合物
  • 化学名又は一般名: : 三臭化ほう素 (17%ジクロロメタン溶液, 約1mol/L)
  • 濃度又は濃度範囲: : ....
  • CAS RN: : 10294-33-4
  • 化学式: : BBr3
  • 官報公示整理番号 化審法: : (1)-1027
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

被災者を空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ち
に医師に連絡すること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。直ちに医師に連絡すること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。直ちに医師に連絡すること。

飲み込んだ場合:

直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 二酸化炭素

使ってはならない消火剤:

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
十分に換気を行う。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

環境への悪影響が懸念されるため、河川等へ排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

ウエス、乾燥砂、土、おがくずなどに吸収させて回収する。
大量の流出には盛土で囲って流出を防止する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

二次災害の防止策:

水と接触させないこと。
付近の着火源、高温体などを速やかに取り除く。
着火した場合に備えて、消火用器材を準備する。
火花を発生しない安全な用具を使用する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。漏れ、あふれ、飛散しないよう注意し、みだりに蒸気を発生させない。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。蒸気やエアゾールが発生する場合には、換気、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
あらゆる接触を避ける。容器の内圧が高くなっている場合がある。開封は充分な注意のもとに行うこと。耐食性のある装置や器具を使用する。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷蔵庫に保管する。不活性ガスを充填する。湿気を避ける。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
避けるべき保管条件:
熱, 湿気
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。他の容器に移し替えないこと。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

ガス、蒸気の発散源を密閉する設備、囲い式フードの局所排気装置又はプッシュブル型換気装置を設ける。(特定化学物質障害予防規則)取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

(Dichloromethane) 50 ppm

保護具

呼吸用保護具:
防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
発煙性液体
無色
臭い
刺すようなにおい
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
情報なし

融点・凝固点

-46 ℃(ホンメル (1996)、Merck (2006)、SAX'S (2000)、ICSC (2001)、SRC) -45 ℃(危険物データブック (1988)) -46 ℃(凝固点)(Weiss (1986))

沸点、初留点及び沸騰範囲

91.7 ℃(ホンメル (1996)、危険物データブック (1988)) 90 ℃(Merck (2006)、SRC) 91 ℃(ICSC (2001)、Weiss (1986))

引火点

不燃性(ホンメル (1996)、Weiss (1986))

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

情報なし

燃焼又は爆発範囲

不燃性(ホンメル (1996))

蒸気圧

40 mmHg(14.0 ℃)(SAX'S (2000)) 100 mmHg(33.5 ℃)(SAX'S (2000)) 100 mmHg(33 ℃、実測値)(SRC)

蒸気密度

8.64(危険物データブック (1988)、Weiss (1986)) 8.65(ホンメル (1996)) 8.6(ICSC (2001))

比重(相対密度)

2.64(/4℃)(ホンメル (1996)) 2.64(20℃(水=1))(危険物データブック (1988)) 2.645(20℃)(Weiss (1986))

溶解度

水: (反応する。) 水: (分解) その他の情報: 四塩化炭素, 二酸化硫黄(l), 二塩化硫黄に溶ける。; メチルシクロヘキサンにやや溶けやすい。(SAX'S (2000))

n-オクタノール/水分配係数

log Kow = 1.43(実測値)(SRC)

自然発火温度

不燃性(ホンメル (1996))

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

情報なし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

水との接触により分解し、有毒なガスを発生する。

避けるべき条件:

湿気

混触危険物質:

酸化剤, 塩基, 水, 金属

危険有害な分解生成物:

臭化水素, 塩化水素, ほう素酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
経皮
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
【分類根拠】 GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
【分類根拠】 本物質に関するデータは報告されていないが、本物質は、水に触れると激しく反応して臭化水素を生成する。本物質の蒸気を吸入した場合には、体内において臭化水素が生成されると考えられることから、(1)の臭化水素のデータを採用し、区分3とした。
【根拠データ】 (1)臭化水素のラットのLC50値(4時間) :1,430 ppm(ACGIH(2004))
吸入:粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

【分類根拠】 (1)より、区分1とした。
【根拠データ】 (1)本物質は、水と接触して臭化水素に変化することから、本物質溶液はヒトに対して腐食性があり火傷を生じる可能性があるとの情報がある(ACGIH(7th, 2001)、HSDB(Accessed Jul. 2018))。
【参考データ等】 (2)EU CLPでは本物質をSkin Corr. 1Aに分類している。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

【分類根拠】 (1)、(2)より、区分1とした。
【根拠データ】 (1)本物質は腐食性物質であり、角膜や結膜への重篤な損傷を発生させるという報告がある(HSDB(Accessed Jul. 2018))。 (2)本物質は皮膚腐食性/刺激性で区分1である。

呼吸器感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

生殖細胞変異原性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

発がん性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

生殖毒性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

【分類根拠】 (1)~(4)より、本物質は気道粘膜に対し重度の刺激性/腐食性を示すと考えられ、区分1(呼吸器)とした。なお、旧分類の情報源に新たな情報源を加えて分類を見直し、区分を変更した。
【根拠データ】 (1)本物質は、水と接触して臭化水素に変化することから、吸入すると気道に重度な刺激性を示す可能性があるとの報告がある(ACGIH(7th, 2001))。 (2)過剰ばく露により起こり得る症状は呼吸困難及び肺水腫であるとの記述がある(HSDB(Accessed Jul. 2018))。 (3)毒性影響は臭化水素に類似しているとの報告がある(PATTY(6th, 2012))。 (4)臭化水素を1,300 ppmで30分間ばく露したラットに重度の壊死性出血性鼻炎、鼻甲介骨に及ぶ粘膜及び粘膜下の壊死、出血など、重度の鼻腔の腐食性影響の報告がある(PATTY(6th, 2012))。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

【分類根拠】 (1)より、本物質の蒸気を吸入した場合および経口摂取した際には、体内において臭化水素が生成されると考えられることから、臭化水素の区分を採用し、区分1(呼吸器、歯)とした。
【根拠データ】 (1)本物質が加水分解して生成する臭化水素は、歯の脱灰および歯茎の変化(DFGOT vol. 13(1999))、および、咳、息切れ、進行性閉塞性細気管支炎がみられたとの報告から(PATTY(5th, 2001))から区分1(呼吸器系、歯)に分類されている。

吸引性呼吸器有害性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

3390

品名(国連輸送名):

Toxic by inhalation liquid, corrosive, n.o.s.

国連分類:

クラス6.1(毒物)

副次的危険性:

クラス8(腐食性物質)

海洋汚染物質:

Y

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

労働安全衛生法

名称等を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物(法第57条、施行令第17条別表第3第1号並びに施行令第18条及び第18条の2別表第9)

化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)

第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)

大気汚染防止法

有害大気汚染物質(中央環境審議会第9次答申)

水質汚濁防止法

有害物質(法第2条、施行令第2条)

土壌汚染対策法

第2種特定有害物質(法第2条、施行令第1条)

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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