急性毒性
経口
【分類根拠】
(1) より、区分4とした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 1,453 mg/kg (JMPR (2007)、食品安全委員会 農薬・添加物評価書 (2019)、農薬工業会「食品衛生研究」Vol.49 No.7 99年 (1996)、農薬抄録 (2017)、HSDB (Access on September 2019))
経皮
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しない。
【根拠データ】
(1) ウサギのLD50: > 2,010 mg/kg (JMPR (2007)、食品安全委員会 農薬・添加物評価書 (2019)、農薬抄録 (2017)、HSDB (Access on September 2019))
(2) ラットのLD50: 2,010 mg/kg (HSDB (Access on September 2019))
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
(1) より、区分を特定できないため、分類できない。
【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (粉じん、4時間) : > 3,300 mg/m3 (3.3 mg/L) (JMPR (2007)、食品安全委員会 農薬・添加物評価書 (2019)、農薬抄録 (2017)、HSDB (Access on September 2019))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) 本物質 (0.5 g) をウサギに4時間適用した皮膚刺激性試験で、1/6例において適用除去 30分後にごく軽度の紅斑がみられたが、24時間後には消失した。また、他の5匹では皮膚反応はみられなかった (JMPR (2007)、農薬抄録 (2017))。
(2) 本物質 (0.5 g) をウサギに4時間適用した皮膚刺激性試験で、1/6例において適用除去 30分及び24時間後にごく軽度の紅斑がみられたが、48時間後には消失した。また、他の5例では皮膚反応はみられなかった (農薬抄録 (2017))。
(3) ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、刺激性は認められなかった (食品安全委員会 農薬・添加物評価書 (2019))。
(4) 本物質はウサギに対して、ごく軽度の皮膚刺激性を示す (HSDB (Access on September 2019))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分2Bとした。
【根拠データ】
(1) 本物質 (0.1 g) をウサギに眼に適用した眼刺激性試験で、24/48/72hの角膜、虹彩、結膜発赤、結膜浮腫の平均スコアは0.44、0.44、2.0、0.83であり、全ての症状は4日以内に回復した (JMPR (2007))。
(2) 本物質 (0.1 g) をウサギに眼に適用した眼刺激性試験で、24/48/72hの角膜、虹彩、結膜発赤、結膜浮腫の平均スコアは0.66、0.1、1.16、1.16であり、全ての症状は7日以内に回復した (農薬抄録 (2017))。
(3) ウサギを用いた眼刺激性試験において対して中等度の刺激性が認められた (食品安全委員会 農薬・添加物評価書 (2019))。
(4) 本物質はウサギに対して、軽度の眼刺激性を示す (HSDB (Access on September 2019))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
(1) 、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (改変Buehler test)において、皮膚反応は認められず、感作性陰性と判定された (JMPR (2007)、HSDB (Access on September 2019)、農薬抄録 (2017))。
(2) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (guinea pig maximisation test) において、感作性陰性と判定された (食品安全委員会 農薬・添加物評価書 (2019)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」16号 (1996))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
(1)、(2) より、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。
【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウスを用いた小核試験で陰性の報告がある (JMPR (2007)、食品安全委員会 農薬・添加物評価書 (2019)、農薬抄録 (2017))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、ヒトリンパ球培養細胞の染色体異常試験、哺乳類培養細胞を用いた不定期DNA合成試験、遺伝子突然変異試験で陰性の報告、染色体異常試験で陽性 (S9+) の報告がある (同上)。
【参考データ等】
(3) in vivoでは、核異常誘発性試験で陰性の報告がある (食品安全委員会 農薬・添加物評価書 (2019)、農薬抄録 (2017))。
発がん性
【分類根拠】
(1) の既存分類結果からガイダンスに従い区分2とした。
【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでS (Suggestive Evidence of Carcinogenicity) (EPA Annual Cancer Report (2018):2007年分類) に分類されている。
【参考データ等】
(2) ラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、投与により発生頻度の増加した腫瘍性病変は認められなかった (食品安全委員会 農薬・添加物評価書 (2019))。
(3) マウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、雌雄で肝細胞腺腫、雄で肝細胞がんの発生頻度の増加が認められた (食品安全委員会 農薬・添加物評価書 (2019))。
生殖毒性
【分類根拠】
(1) ~ (3) より、明確な生殖発生影響がみられないため、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験において、親動物に体重増加抑制、摂餌量減少がみられる用量で、児動物に低体重 (F1及びF2世代)、生後4日生存率低下 (F1世代の雄のみにみられ、軽微で有意差なし) がみられた (食品安全委員会 農薬・添加物評価書 (2019)、JMPR (2007))。なお、雄でみられた生後4日生存率低下は傾向検定で有意差が認められている (JMPR (2007))。
(2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (流涎、体重増加抑制、摂餌量低下) がみられる用量で、胎児に体重減少傾向、胸椎椎体二分、胸椎椎体片側性化骨等の骨化遅延及び肋骨数の増加とそれに伴う椎骨数の変動(胸椎数の増加及び腰椎数の減少)がみられた (食品安全委員会農薬・添加物評価書 (2019)、JMPR (2007))
(3) 雌ウサギの妊娠7~19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡 (1/19例)、流産 (2例)、体重増加抑制、摂餌量低下) がみられる用量で胎児への影響、催奇形性はみられていない (食品安全委員会 農薬・添加物評価書 (2019)、JMPR (2007))。