安全データシート

cis-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: cis-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物
  • CB番号: CB2228246
  • CAS: 13149-00-3
  • 同義語: cis-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物,cis-シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性   区分1
呼吸器感作性   区分1
皮膚感作性   区分1
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分3(気道刺激性)
分類実施日(環境有害性)
-
環境に対する有害性
-

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS05GHS08
注意喚起語
危険
危険有害性情報
重篤な眼の損傷
吸入するとアレルギー、ぜん(喘)息または呼吸困難を起
こすおそれ
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
注意書き
[安全対策]
粉じん、煙、ミスト、蒸気、スプレーの吸入を避けること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
呼吸用保護具を着用すること。
保護手袋、保護面を着用すること。
[応急措置]
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。皮膚刺激または発疹が生じ
た場合:医師の診断、手当てを受けること。汚染された衣類を脱ぐこと。そし
て再使用する場合には洗濯をすること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させるこ
と。呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に
連絡すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : cis-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物
  • 濃度又は濃度範囲: : >99.0%(GC)
  • CAS RN: : 13149-00-3
  • 化学式: : C8H10O3
  • 官報公示整理番号 化審法: : (3)-2416
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪い時
は、医師に連絡すること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。皮膚刺激または発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受ける
こと。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合:

気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

特別個人用保護具(自給式呼吸器)を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。不活性ガスを充填する。湿気を避ける。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
避けるべき保管条件:
湿気
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

作業者が直接暴露されないように、できるだけ密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

許容濃度:

ACGIH TLV(CL):
0.005 mg/m3 (IFV) (sen)

保護具

呼吸用保護具:
防塵マスク、簡易防塵マスク等。
手の保護具:
保護手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
固体(GHS判定)
臭い
芳香臭

融点/凝固点

30.33 ℃(GESTIS(2022))

沸点、初留点及び沸騰範囲

296 ℃(GESTIS(2022))

可燃性

可燃性は低い(GESTIS(2023))

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

データなし

引火点

143 ℃(GSEIS(2022))

自然発火点

395 ℃(GESTIS(2022))

分解温度

データなし

pH

データなし

動粘性率

データなし

溶解度

水: 7 g/L(20℃)(GESTIS(2022))

n-オクタノール/水分配係数

データなし

蒸気圧

データなし

密度及び/又は相対密度

1.23 g/cm³(20℃)(GESTIS(2022))

相対ガス密度

データなし

粒子特性

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤, 塩基

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素

11. 有害性情報

急性毒性

経口
【分類根拠】 本物質(ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)のcis-異性体)自体のデータはない。(1)~(3)より、HHPAのcis-異性体とtrans-異性体の混合物(CAS登録番号:85-42-7)のデータに基づき区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1)ラットのLD50(HHPA異性体混合物):2,700 mg/kg(AICIS IMAP (2016)) (2)ラットのLD50(HHPA異性体混合物):2,700~2,800 mg/kg(ACGIH (2015)) (3)ラットのLD50(HHPA異性体混合物):4,040 mg/kg(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))
経皮
【分類根拠】 本物質(ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)のcis-異性体)自体のデータはない。(1)より、HHPAのcis-異性体とtrans-異性体の混合物(CAS登録番号:85-42-7)のデータに基づき区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1)ウサギのLD50(HHPA異性体混合物):> 2,000 mg/kg(ACGIH (2015)、AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))
吸入: ガス
【分類根拠】 異性体混合物がGHSの定義における固体であることから、本物質も固体であると考えられ、区分に該当しないとした。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 本物質(ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)のcis-異性体)自体のデータはない。(1)より、HHPAのcis-異性体とtrans-異性体の混合物(CAS登録番号:85-42-7)のデータでは区分を特定できず分類できないとした。
【参考データ等】 (1)ラットのLC50(HHPA異性体混合物)(ダスト、4時間):> 1.1 mg/L(ACGIH (2015)、AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

【分類根拠】 (1)、(2)より、本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の知見を用い、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、ウサギ(n= 6)を用いた皮膚刺激性試験(閉塞、24時間適用、6日間観察)において、24/72hの全例の平均スコアは紅斑0.0、浮腫0.33であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。 (2)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の本項は、区分に該当しないと判定されている(2016年度GHS分類結果)。
【参考データ等】 (3)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の6.25~50%溶液について、ウサギを用いた皮膚刺激性試験(24時間適用)において、軽微な刺激性がみられたとの報告がある(ACGIH (2015)、AICIS IMAP (2016))。 (4)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の50%溶液について、ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(24時間適用)において、適用終了直後に3/6例で浮腫がみられたが、72時間後には刺激症状は全くみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2016))。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

【分類根拠】 (1)、(2)より、本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の知見を用い、区分1とした。
【根拠データ】 (1)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(21日観察)において、3例の非洗眼群で21日後まで影響が持続したとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、ACGIH (2015)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。 (2)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の本項は、区分1と判定されている(2016年度GHS分類結果)。
【参考データ等】 (3)本物質及び本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)はともにEUでEye Dam. 1に分類されている(CLP分類結果 (Accessed Nov. 2022))。 (4)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(14日観察)において、重度の眼刺激性影響がみられた(角膜混濁スコア:1/1/1.3、虹彩炎スコア:1/1/1、結膜発赤スコア:3/3/3、結膜浮腫スコア:2/3/2.3)との報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。

呼吸器感作性

【分類根拠】 (1)、(2)より、本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の知見を用い、区分1とした。
【根拠データ】 (1)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)が鼻炎、結膜炎、喘鳴、咳などの初期症状に続き、胸部締めつけ感、息切れ、夜間の喘息症状を伴う職業喘息を生じ、発症は数年遅れて生じる可能性があるという科学的な証拠がある。HHPAへのばく露はばく露が長期化した後には持続性の呼吸器過敏症を生じるおそれがある。HHPAへの長期ばく露後に職業性喘息を含む呼吸器疾患の発生がいくつかの疫学研究で報告されており、HHPAが重篤かつ持続性の肺機能障害を生じる可能性が高いことが確認されている(EU REACH SVHC (2012)、ACGIH (2015))。 (2)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の本項は、区分1と判定されている(2016年度GHS分類結果)。
【参考データ等】 (3)本物質及び本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、ACGIHでは呼吸器感作性物質としてRSENに指定している(ACGIH (2015))。 (4)本物質及び本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、EUではResp. Sens. 1に分類されている(CLP分類結果 (Accessed Nov. 2022))。

皮膚感作性

【分類根拠】 (1)、(2)より、本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の知見を用い、区分1とした。なお、(1)は区分1Aを示唆する知見であるが、本物質を含む異性体混合物の知見であることから細区分せず、区分1とした。
【根拠データ】 (1)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(皮内投与:0.5%)において、惹起24、48時間後の陽性率はそれぞれ19/20例(95%)、16/20例(80%)であった(区分1Aに相当する結果)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。 (2)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)の本項は、区分1と判定されている(2016年度GHS分類結果)。
【参考データ等】 (3)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、53名に5%溶液を経皮適用したところ、4名で弱い感作性反応、1名で顕著な反応がみられたとの報告がある。(AICIS IMAP (2015))。 (4)本物質及び本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号:85-42-7)について、EUではSkin Sens. 1に分類されている(CLP分類結果 (Accessed Nov. 2022))。

生殖細胞変異原性

【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。
【根拠データ】 (1)本物質を含む異性体混合物であるHHPA(CAS登録番号 85-42-7)について、in vivoデータはないが、HHPAは急速に加水分解され、その加水分解物(HHP酸:CAS登録番号:1687-30-5)は腎臓から半減期2時間で排泄される。そのため、細胞内で遺伝物質と相互作用する可能性は低いと考えられる(AICIS IMAP (2016)、ACGIH (2015)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。 (2)HHPAについて、in vitroでは、ネズミチフス菌及び大腸菌を用いた復帰突然変異原性試験(OECD TG 471、GLP)、マウスリンパ腫(L5178Y)細胞を用いた遺伝子突然変異試験(OECD TG 476、GLP)及びヒトリンパ球を用いた染色体異常試験(OECD TG 473、GLP)で、代謝活性化の有無に関わらず結果はいずれも陰性であった(AICIS IMAP (2016)、ACGIH (2015)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。

発がん性

【分類根拠】 データがなく分類できない。

生殖毒性

【分類根拠】 (1)より、本物質を含む異性体混合物であるHHPAでは生殖及び発生に影響はみられていないものの、スクリーニング試験であること、発生毒性試験のデータがないことからデータ不足のため分類できない。
【根拠データ】 (1)HHPA(異性体混合物)について、ラットを用いた強制経口投与による生殖発生毒性スクリーニング試験(OECD TG421、GLP)において、限度量の1,000 mg/kg/dayで親動物には明確な一般毒性影響(体重及び摂餌量の低下、脾臓・卵巣重量増加等)がみられたが、親動物の生殖影響並びに出生児には生後7日まで異常はみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed 2022))。

特定標的臓器毒性 (単回ばく露)

【分類根拠】 (1)より、区分3(気道刺激性)とした。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)HHPA(異性体混合物)はヒトにおいて、一過性の影響(皮膚、眼、呼吸器への刺激性)がみられ、貧血、頭痛、発熱、めまいなどの一般的な徴候もみられるとの報告がある。(HSDB in PubChem (Accessed Nov. 2022))
【参考データ等】 (2)HHPA(異性体混合物)を被験物質とした、ラットを用いた単回経口投与試験において、2,520 mg/kgで死亡例はなく、症状として活動性低下、立毛、運動失調がみられた。LD50が2,700 mg/kgの他試験でも活動性低下、尿失禁がみられただけであったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。 (3)HHPA(異性体混合物)を被験物質とした、ウサギを用いた単回経皮投与試験において、2,000 mg/kgで適用部位の刺激がみられた以外に症状はみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。 (4)HHPA(異性体混合物)を被験物質とした、ラットを用いた単回吸入ばく露試験(ダスト、4時間)において、達成可能な最高濃度の1.1 mg/Lでばく露中にみられた症状は活動性低下であった(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。

特定標的臓器毒性 (反復ばく露)

【分類根拠】 (1)より、HHPA(異性体混合物)のデータでは、経口経路では区分2上限近傍で胃粘膜刺激(局所刺激)のみで、全身毒性は区分に該当しない範囲でみられた。よって異性体混合物では区分2までの範囲では全身毒性を生じないと考え、経口経路では区分に該当しないと判断した。ただし、他経路では分類に十分な情報がなく、データ不足のため分類できない。
【根拠データ】 (1)HHPA(異性体混合物)を被験物質とした、ラットを用いた強制経口投与による28日間反復経口投与試験において、300 mg/kg/day(90日換算:93.3 mg/kg/day、区分2の範囲)以上で胃の刺激性変化(胃底腺部の過形成、腺胃部粘膜下の炎症、非腺胃部の過角化・上皮過形成・血管増生・粘膜及び粘膜下の炎症・潰瘍)、1,000 mg/kg/day(311 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で臨床症状(死亡、顎をこする動作、流涎、鼻甲介上皮の炎症細胞を伴う呼吸障害)、血液系(雄:白血球数増加、好中球・好酸球・単球・巨細胞比率の増加)、腎臓(雌雄:尿量・ナトリウム増加、腎皮質尿細管の塩基性化/皮質尿細管拡張、雄:尿素・クレアチニン増加など)等への影響がみられたとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。

誤えん有害性*

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

3 % (by BOD) , 3 % (by TOC) , 100 % (by GC)*既存化学物質安全性点検による判定結果:難分解性

生体蓄積性(BCF):

情報なし*既存化学物質安全性点検による判定結果:低濃縮性

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
却炉で焼却する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

該当なし。

国連分類:

国連の分類基準に該当せず。

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

労働安全衛生法

該当しない

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

該当しない

毒物及び劇物取締法

該当しない

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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