急性毒性
経口
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
経皮
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 区分2 In vivoでは、気管内注入によるラット肺胞上皮細胞を用いたhprt遺伝子突然変異試験で陽性、投与方法は不明であるが、マウス肺組織のhprt遺伝子突然変異試験で陰性、腹腔内投与によるマウス小核試験で陰性、ばく露方法は不明ながら、ヒトリンパ球の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性、ラット肺、末梢血を用いた酸化DNA傷害試験で陽性又は陰性、ラット肺上皮細胞のDNA切断試験で陽性である (SIDS (2013)、CICAD 24 (2000)、DFGOT vol. 14 (2000)、IARC 68 (1997))。In vitroでは、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陽性、陰性の結果、哺乳類培養細胞の小核試験で陽性、陰性の結果、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陰性である (SIDS (2013)、CICAD 24 (2000)、DFGOT vol. 14 (2000)、IARC 68 (1997))。以上より、ガイダンスに従い、区分2とした。なお、本物質の遺伝毒性は、当該物質からの、あるいは当該物質による炎症細胞からの活性酸素種に起因すると考えられる (SIDS (2013)、IARC 100C (2012))。
発がん性
GHS分類: 区分1A 多くの疫学研究結果において、本物質 (石英) を含む結晶質シリカへの職業ばく露と肺がんリスクの増加との間に正の相関が認められており、特に複数の研究結果をプールし異なるメタ解析を行っても、相対リスクは一貫して有意な増加を示した (IARC 100C (2012)、SIDS (2013))。すなわち、本物質の形状を有する結晶質シリカ粉じんの吸入ばく露によりヒトで肺がんの発症リスクが増加するのは十分な証拠があるとしている (IARC 100C (2012))。 一方、実験動物では雌雄ラットに本物質 (空気力学的中央粒子径 (MMAD) : 1.3 μm) を 1 mg/m3で2年間吸入ばく露した試験、また雌ラットに本物質 (MMAD: 2.24 μm) を12 mg/m3で83週間鼻部ばく露した試験において、ばく露群では肺腫瘍の有意な増加がみられ、組織型としては腺がんが多かった。さらに、雌ラットに本物質 (MMAD: 1.8 μm) を6.1、30.6 mg/m3で鼻部ばく露した試験でも、用量依存的に肺腫瘍の増加がみられ、組織型では扁平上皮がんが最多で、細気管支/肺胞上皮がん、又は腺腫も多くみられた (IARC 100c (2012))。 以上、ヒト及び実験動物での発がん性情報より、IARC は本物質粉じんばく露によるヒト発がん性に対し、1997年に「グループ 1」に分類し、2012年の再評価でも分類結果を変更していない (IARC 68 (1997)、IARC 100C (2012))。他の国際機関による発がん性分類結果としては、日本産業衛生学会が「第1群」に (産衛学会勧告 (2015))、ACGIHが2004年以降「A2」に (ACGIH (7th, 2006))、NTPが結晶質シリカ (吸入性粒子径) に対して、「K」に分類している (NTP RoC (13th, 2014))。よって、本項は区分1Aとした。
生殖毒性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 なお、旧分類のヒトにおける呼吸器影響のデータは短期ばく露であり、単回急性影響のデータではない。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
GHS分類: 区分1 (呼吸器、免疫系、腎臓) ヒトにおいて、多くの疫学研究において、本物質の職業ばく露と呼吸器への影響 (珪肺症、肺がん、肺結核) が確認されている。このほか、自己免疫疾患 (強皮症、関節リュウマチ、多発性関節炎、混合結合組織疾患、全身性紅斑性狼瘡、シェーグレン症候群、多発性筋炎、結合織炎)、慢性腎疾患及び無症状性の腎変性もみられている (SIDS (2013)、CICAD 24 (2000)、DFGOT vol. 14 (2000))。この腎臓の疾患は自己免疫が関連していると考えられている (SIDS (2013))。 実験動物においても、ラットを用いた反復吸入ばく露試験により肺の線維化が確認されている (SIDS (2013))。 したがって、区分1 (呼吸器、免疫系、腎臓) とした。
吸引性呼吸器有害性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。