安全データシート

トリメチルチオ尿素

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: トリメチルチオ尿素
  • CB番号: CB8317858
  • CAS: 2489-77-2
  • 同義語: トリメチルチオ尿素

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 有機ゴム薬品(加硫促進剤)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
発がん性   区分2
分類実施日(環境有害性)
環境に対する有害性はH23.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用
環境に対する有害性
-

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS07GHS08
注意喚起語
警告
危険有害性情報
飲み込むと有害
遺伝性疾患のおそれの疑い
注意書き
[安全対策]
使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。
暴露または暴露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
[保管]
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : トリメチルチオ尿素
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(N)
  • CAS RN: : 2489-77-2
  • 化学式: : C4H10N2S
  • 官報公示整理番号 化審法: : (2)-1766
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師の診断、
手当てを受けること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。医師の診断、手当てを受けること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合:

医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
あらゆる接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵・防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
灰白色ないし淡黄結晶性粉末 (化学商品 (2016))
臭い
情報なし
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
情報なし

融点・凝固点

87~88℃ (HSDB (2017))

沸点、初留点及び沸騰範囲

情報なし

引火点

164℃ (o.c.) (化学商品 (2016))

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

情報なし

燃焼又は爆発範囲

情報なし

蒸気圧

3 mmHg (25℃) (SRC PhysProp (2017))

蒸気密度

情報なし

比重(相対密度)

1.23~1.24 g/cm3 (化学商品 (2016))

溶解度

水、アルコールに易溶;ベンゼン、クロロホルムに可溶 (HSDB (2017)) トルエンにやや溶解、水、メタノール、アセトンに易溶 (化学商品 (2016))

n-オクタノール/水分配係数

0.1 (SRC PhysProp (2017))

自然発火温度

情報なし

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

情報なし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物, 硫黄酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
経皮
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

呼吸器感作性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

生殖細胞変異原性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陽性、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陰性である (NTP DB (Access on July 2017))。

発がん性

GHS分類: 区分2 本物質80%、ジメチルチオ尿素15%の混合物をラット又はマウスに77週間混餌投与後ラットで29週間、マウスで14週間の観察期間を設けた発がん性試験において、雄ラット及び雌雄マウスでは発がん性の十分な証拠は示されなかった。しかし、雌ラットでは甲状腺濾胞細胞がんの頻度、及び甲状腺濾胞細胞がんと濾胞細胞腺腫の合計頻度に用量相関性がみられ、高用量 (500 ppm) 群で甲状腺濾胞細胞がんの頻度 (14/47 (30%)) に有意な増加が認められ、被験物質 (本物質80%、ジメチルチオ尿素15%の混合物) は雌ラットに対し発がん性を示すと結論された (NTP TR129 (1979)、HSDB (Access on June 2017))。この他に分類に利用可能なデータはない。 以上、本物質80%を含む混合物で発がん性が示されたのはラットの雌のみであったが、甲状腺に悪性腫瘍の増加が高頻度に認められたことから、本項は区分2とした。

生殖毒性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

GHS分類: 分類できない 本物質単独での情報はない。 なお、本物質80%、ジメチルチオ尿素15%の混合物について、ラットあるいはマウスを用いた77週間混餌投与毒性試験が実施されている。ラットでは高用量群の500 ppm (ガイダンス値換算: 25 mg/kg/day) の雌で体重増加抑制、マウスでは高用量群の1,000 ppm (ガイダンス値換算: 150 mg/kg/day) の雌雄で体重増加抑制がみられた以外には、一般症状、死亡率、非腫瘍性病変の発生率などで対照群と比べ有意な差を示さなかった (NTP TR129 (1979))。したがって、マウスではガイダンス値範囲の上限を超えた用量150 mg/kg/dayで悪影響が認められず、経口経路では区分外相当となるが、他経路のデータがないため分類できないとした。

吸引性呼吸器有害性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
却炉で焼却する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

該当なし。

国連分類:

国連の分類基準に該当せず。

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

労働安全衛生法

変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達)

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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