安全データシート

エチレングリコールモノイソブチルエーテル

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: エチレングリコールモノイソブチルエーテル
  • CB番号: CB2493235
  • CAS: 4439-24-1
  • 同義語: 2-イソブトキシエタノール,イソブチルグリコール

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 溶剤 (化学工業日報社)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
H28.03.18、政府向けGHS分類ガイダンス(H25年度改訂版(ver1.1))を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性
引火性液体   区分3
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
急性毒性(経皮)   区分3
急性毒性(吸入:蒸気)   区分3
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性   区分2A
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分1 (血液系、肝臓、腎臓)
分類実施日(環境有害性)
H27.07.01、政府向けGHS分類ガイダンス(H25年度改訂版(ver1.1))を使用
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   分類実施中
水生環境有害性 (長期間)   分類実施中

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS06GHS02
注意喚起語
危険
危険有害性情報
引火性液体および蒸気
飲み込むと有害
皮膚に接触すると有毒
注意書き
[安全対策]
熱、火花、裸火、高温体などの着火源から遠ざけること。禁煙。
容器を密閉しておくこと。
容器および受器を接地すること。
防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。火花を発生させない
工具を使用すること。静電気放電に対する予防措置を講ずること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護眼鏡を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。気分が悪い時は、医師に連
絡すること。汚染された衣類を直ちにすべて脱ぎ、再使用する場合には洗濯を
すること。
[保管]
涼しい所/換気の良い場所で保管すること。
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : エチレングリコールモノイソブチルエーテル
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(GC)
  • CAS RN: : 4439-24-1
  • 別名 : 2-Isobutoxyethanol , Isobutyl Cellosolve
  • 化学式: : C6H14O2
  • 官報公示整理番号 化審法: : (2)-407, (2)-2424, (7)-97
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪い時
は、医師の診断、手当てを受けること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。医師に連絡すること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合:

気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 大量の水, 二酸化炭素

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、容器に水を噴霧して冷却する。安全に対処できるならば着火源を除去すること。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

特別個人用保護具(自給式呼吸器)を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
十分に換気を行う。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

乾燥砂、不燃性吸収剤などに吸収させて密閉できる容器に回収する。
大量の流出には盛土で囲って流出を防止する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

二次災害の防止策:

付近の着火源、高温体などを速やかに取り除く。
着火した場合に備えて、消火用器材を準備する。
火花を発生しない安全な用具を使用する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。漏れ、あふれ、飛散しないよう注意し、みだりに蒸気を発生させない。熱、火花、裸火、高温体などの着火源から遠ざけること。禁煙。静電気対策を行う。設備などは防爆型を用いる。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。蒸気やエアゾールが発生する場合には、換気、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して換気の良い冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体 (20℃、1気圧)(GHS判定)
無色 (GESTIS (2015))
臭い
データなし
臭いのしきい(閾)値
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

-64.63℃ (YAWS HANDBOOK (2005))

沸点、初留点及び沸騰範囲

160℃ (Howard (1997))

引火点

58℃(密閉式) (GESTIS (2015))

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

燃焼性(固体、気体)

データなし

燃焼又は爆発範囲

下限:1.2 vol% (59 g/m3) 上限:9.4 vol% (462 g/m3) (GESTIS(2015))

蒸気圧

4.73×10-1 mmHg(25℃推定値) [換算値 63.0509 Pa(25℃推定値)] (Howard (1997))

蒸気密度

データなし

比重(相対密度)

データなし

溶解度

水:7.55×104 mg/L(25℃推定値) (Howard (1997))

n-オクタノール/水分配係数

0.75(実測値) (Howard(1997))

自然発火温度

280℃ (GESTIS (2015))

分解温度

データなし

粘度(粘性率)

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

火花, 裸火, 静電放電

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素

11. 有害性情報

急性毒性

経口
GHS分類: 区分4 ラットのLD50値として、400 mg/kg及び1,000 mg/kgとの報告 (PATTY (6th, 2012)) に基づき、区分4とした。
経皮
GHS分類: 区分3 ウサギのLD50値として、200~400 mg/kg との報告 (PATTY (6th, 2012)) に基づき、区分3とした。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
GHS分類: 区分3 ラット3匹に飽和蒸気 (2,000 ppm (=9.66 mg/L)) を吸入させた結果、0.5時間 (4時間換算値:707 ppm (=3.41 mg/L) で1/3例、1時間 (4時間換算値: 1,000 ppm (=4.83 mg/L) で2/3例、4.9時間 (4時間換算値:2,214 ppm (=10.7 mg/L) で全例死亡したとの報告、1,600 ppmを6時間吸入 (4時間換算値:1,960 ppm (=9.46 mg/L)) させた結果、1/3例死亡との報告 (PATTY (6th, 2012)) に基づき、区分3とした。試験は飽和蒸気で行われたとの記載に従って、mg/Lを単位とする基準値を適用した。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、モルモットへの24時間適用の結果、中等度の刺激性を示したとの報告の他、ウサギへの72時間適用の結果、刺激性なしとの報告 (PATTY (6th, 2012)) があるが、4時間適用の結果ではないため分類には用いなかった。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

GHS分類: 区分2A ウサギの眼に本物質を適用した結果、軽度の虹彩炎、中等度の刺激性及び角膜傷害がみられたとの報告 (PATTY (6th, 2012)) に基づき、区分2Aとした。

呼吸器感作性

GHS分類: 分類できない、 データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

生殖細胞変異原性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性である (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on October 2015))。

発がん性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

生殖毒性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

GHS分類: 区分1 (血液系、肝臓、腎臓) ヒトデータはない。実験動物では、ラット、マウスの経口投与 (400~1,600 mg/kg、区分2相当) でヘモグロビン尿症、肝臓傷害、腎臓傷害、溶血、ラットの吸入ばく露 (1.21 mg/L、区分1相当) で血尿を伴う肝臓、腎臓の傷害が報告されている (PATTY (6th, 2012))。 以上より、本物質は血液系、肝臓、腎臓に影響を与えることから、区分1 (血液系、肝臓、腎臓) とした。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

吸引性呼吸器有害性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
焼却処理する場合には、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼却炉で焼却する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

1992

品名(国連輸送名):

Flammable liquid, toxic, n.o.s.

国連分類:

クラス3(引火性液体)

副次的危険性:

クラス6.1(毒物)

容器等級:

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

化審法

優先評価化学物質

労働安全衛生法

危険物・引火性の物

港則法

その他の危険物・引火性液体類

航空法

引火性液体

道路法

車両の通行の制限

消防法

第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体

船舶安全法

引火性液体類

外国為替及び外国貿易管理法

輸出貿易管理令別表第1の16の項

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
(4S)-4β-(2-オキソエチル)-5β-ビニル-6α-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-3-カルボン酸メチル SDS (-)-メントキシ酢酸 SDS D-(-)-パントラクトン SDS (1R)-4,7,7-トリメチル-3-オキソ-2-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸 SDS [(1S)-1,4a,5,6,7,7aα-ヘキサヒドロ-4aα,5α-ジヒドロキシ-7-メチル-7α-[[(E)-1-オキソ-3-フェニル-2-プロペニル]オキシ]シクロペンタ[c]ピラン-1α-イル]β-D-グルコピラノシド SDS ビス[(12-クラウン-4)メチル]-2-ドデシル-2-メチルマロネート SDS 2-エチルヘキシルグリシジルエーテル SDS [(1aS)-1a,1bα,2,5aα,6,6aβ-ヘキサヒドロ-6α-[(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンゾイル)オキシ]-1aβ-(ヒドロキシメチル)オキシレノ[4,5]シクロペンタ[1,2-c]ピラン-2α-イル]β-D-グルコピラノシド SDS (R)-2-ヒドロキシプロピオン酸イソブチル SDS ゲニポシド SDS