安全データシート

メチレンジチオシアナート

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: メチレンジチオシアナート
  • CB番号: CB6360991
  • CAS: 6317-18-6

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 工業用、パルプ、製紙用殺菌剤 木材用防腐剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
環境に対する有害性はGHS改訂4版を使用
H24.3.1、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   区分1(血液系)
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分2(全身毒性)
皮膚感作性   区分1
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性   区分1
皮膚腐食性/刺激性   区分2
急性毒性(吸入:粉じん及びミスト)   区分1
急性毒性(経口)   区分3
環境に対する有害性
水生環境有害性 (長期間)   区分1
水生環境有害性 (急性)   区分1

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS05GHS06GHS07GHS09
注意喚起語
危険
危険有害性情報
水生生物に非常に強い毒性
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
皮膚に接触すると生命に危険
飲み込むと有毒
注意書き
[安全対策]
粉じん、ミストを吸入しないこと。
眼、皮膚、衣類に付けないこと。
環境への放出を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。直ちに医師に連絡
すること。
皮膚(または髪)に付着した場合:直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
皮膚を流水、シャワーで洗うこと。直ちに医師に連絡すること。汚染された衣
類を再使用する場合には洗濯すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させるこ
と。直ちに医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に
連絡すること。
漏出物を回収すること。
[保管]
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : メチレンジチオシアナート
  • 濃度又は濃度範囲: : >99.0%(GC)
  • CAS RN: : 6317-18-6
  • 別名 : Dithiocyanatomethane , Methylene Bisthiocyanate
  • 化学式: : C3H2N2S2
  • 官報公示整理番号 化審法: : (2)-1693
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

に医師に連絡すること。
被災者を空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ち

皮膚に付着した場合:

洗うこと。直ちに医師に連絡すること。
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で

目に入った場合:

て洗うこと。直ちに医師に連絡すること。
水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し

飲み込んだ場合:

直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

る。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
個人用保護具を着用する。

環境に対する注意事項:

環境への悪影響が懸念されるため、河川等へ排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。
粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵・防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
結晶または粉末(GESTIS (Access on Nov. 2011))
白色~黄色味(GESTIS (Access on Nov. 2011))
臭い
硫黄のような臭い(ERA RED (1997))
臭いのしきい(閾)値
データなし。
pH
データなし。

融点・凝固点

102℃(CRC (91st, 2010))

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし。

引火点

データなし。

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

データなし。

蒸気圧

0.00197 mmHg(25℃)(SRC Phys Prop (Access on Nov. 2011))

蒸気密度

データなし。

比重(相対密度)

0.82g/cm3(ERA RED (1997))

溶解度

有機溶剤に可溶。(NTP TOX 32(1993))
水:27200mg/L (25℃, EST)(SRC Phys Prop (Access on Nov. 2011))

n-オクタノール/水分配係数

0.62 (EST)(SRC Phys Prop (Access on Nov. 2011))

自然発火温度

データなし。

分解温度

データなし。

粘度(粘性率)

データなし。

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物, 硫黄酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値として3件のデータ[55 mg/kg bw(NTP TOX 32(1993))、84.9 mg/kg(雄)、68.3 mg/kg(雌)(EPA RED (1997)]は全て区分3に該当する。なお、EU分類はT; R25(EC-JRC(ESIS) (Access on Nov. 2011))である。GHS分類:区分3
経皮
ラットのLD50値は >2000 mg/kg(EPA RED (1997))である。GHS分類:区分外(国連分類基準の区分5または区分外)
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:粉じん及びミスト
ラットLC50値は0.0077 mg/L/4h(EPA RED (1997))である。GHS分類:区分1

皮膚腐食性及び刺激性

ウサギを用いた皮膚刺激性試験(Draize method)において、皮膚一次刺激指数(PII)は2≦PII≦5で、中等度~重度の刺激物(a moderate to severe dermal irritant)との評価結果(EPA RED (1997))に基づき、区分2に該当する。なお、EU分類はC;R34(EC-JRC(ESIS) (Access on Nov. 2011))である。GHS分類:区分2

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

ウサギ6匹に50 mgを適用直後から全動物が不穏状態となり、10分経過後に重度の発赤(壊死)、中等度の浮腫および多量の分泌物を伴う重度の刺激症状を呈した。適用1時間後に6匹全例が一律に示した反応から腐食性物質と判定された(HSDB (2010))ことにより区分1に該当する。GHS分類:区分1

呼吸器感作性

データなし。GHS分類:分類できない

皮膚感作性

本物質を含む抗菌剤Cytox3522の5%溶液のモルモットを用いたマキシマイゼーション試験において、本物質0.1%溶液による惹起処置で陽性率100%(20/20)を示し、強い感作性があるとの報告(NTP TOX 32(1993))から、区分1に該当する。なお、EU分類ではR43(EC-JRC(ESIS) (Access on Nov. 2011))である。GHS分類:区分1

生殖細胞変異原性

マウスに経口投与後の末梢血および腹腔内投与後の骨髄を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)において、いずれも陰性の報告(NTP DB (Access on Nov. 2011)、EPA RED (1997))に基づき区分外に該当する。なお、in vitro試験としては、エームス試験で陰性(NTP DB (1986)、EPA RED (1997))、CHO細胞を用いた染色体異常試験で陽性(EPA RED (1997))、マウスリンフォーマ試験で陽性の結果(EPA RED (1997))がそれぞれ報告されている。GHS分類:区分外

発がん性

EPAの発がん性評価でグループDに分類されている(EPA RED (1997))ことから「分類できない」。なお、マウスを用いた78週の強制経口投与試験において雄の肺胞腺腫が有意に増加したとの報告、ラットを用いた2年間の強制経口投与試験において、雄に副腎の褐色細胞腫(良性腫瘍と悪性腫瘍の合計)の発生増加が認められた(ただし、統計学的に有意な増加ではない)との報告がある(EPA RED (1997))。GHS分類:分類できない

生殖毒性

ラットに経口投与による二世代生殖試験において、呼吸困難、立毛、腹部膨満の症状、および高用量群では死亡例が発生したが、交尾期間、性周期、受胎率、妊娠率などの生殖指標、および生存出生仔数、授乳期間中の仔の生存率などの仔の発生指標に悪影響は認められなかった(EPA RED (1997))。一方、ラットおよびウサギの器官形成期または妊娠期間中に経口投与した発生毒性試験において、ラットでは母動物の体重および摂餌量の僅かな低下、ウサギでは高用量の母動物に呼吸困難、運動失調、活動低下、正向反射の消失、振戦などの症状、および死亡例が認められたが、両動物種とも妊娠率、黄体数、着床数、着床前後の胚損失率などの指標に影響はなく、催奇形性を示す所見も得られなかった(EPA RED (1997))。以上より、親動物の性機能・生殖能に対する悪影響および仔の発生に及ぼす悪影響のいずれも見出されなかったことから区分外に該当する。GHS分類:区分外

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

ラットの急性経口毒性試験(用量:50.1、63.1、79.4、 100、126、158 mg/kg)において、食欲と活動の低下、脱力と虚脱の増強が投与後14日間の観察期間で認められ、死亡は50 mg/kg以上の投与群で、投与後1~24時間で発生した(HSDB (2010))。また、ウサギの急性経皮毒性試験(用量:158、251、398、631、1000 mg/kg)では、食欲と活動の低下、進行性脱力、虚脱が投与後14日間で観察され、死亡は398 mg/kg以上の投与群で発生した(HSDB (2010))。両経路とも得られたデータから標的臓器の特定は困難であり、また、経口、経皮両経路共に用量はガイダンス値区分1相当であるが、詳細不明であることから区分2(全身毒性)とした。GHS分類:区分2(全身毒性)

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットの13週間経口投与試験(0、1、2、4、8、および16 mg/kg /day)において、雄4 mg/kg以上及び雌の8 mg/kg以上の投与群で、赤血球数、ヘモグロビン濃度およびヘマトクリット値の減少により裏付けられた貧血の所見が得られており(NTP DB C61916(1995))、イヌの52週間経口投与試験(0, 0.5, 2.0 or 5.0 mg/kg/day)では、5 mg/kg/day群で赤血球数、ヘモグロビン濃度およびヘマトクリット値が僅かながら低値を示した(EPA RED (1997))。これらの影響は用量的にガイダンス値区分1に相当することから、区分1(血液系)に該当する。なお、ラットの13週間経口投与試験では主に扁平上皮粘膜過形成と角質増殖から成る前胃への影響が認められているが、当該物質は強い刺激性物質であり、気道の変化は強制経口投与の手技による被験物質との接触と考察していることから、胃と気道の所見は分類に採用しなかった。GHS分類:区分1(血液系)

吸引性呼吸器有害性

データなし。GHS分類:分類できない

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

0 % (by BOD) , 0 % (by TOC) , 69 % (by HPLC)*既存化学物質安全性点検による判定結果:難分解性

生体蓄積性(BCF):

情報なし*既存化学物質安全性点検による判定結果:低濃縮性

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
0.34
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
却炉で焼却する。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
地方条例や国内規制に従う。
適切な保護具を着用する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

2928

品名(国連輸送名):

Toxic solid, corrosive, organic, n.o.s.

国連分類:

クラス6.1(毒物)

副次的危険性:

クラス8(腐食性物質)

容器等級:

海洋汚染物質:

Y

輸送の特定の安全対策及び条件:

積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。
運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように

15. 適用法令

船舶安全法

毒物類・毒物

航空法

毒物類・毒物

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
ビス(メチルチオ)メタン SDS メチレンジホスホン酸テトライソプロピル SDS メチレンブルー SDS ジフェニルメタン SDS ナトリウムチオシアナート SDS クロラムブシル SDS トリフェニルメタン SDS DL-ジチオトレイトール SDS 4,4'-ジイソシアン酸メチレンジフェニル SDS チオシアン酸メチル SDS