安全データシート

ω-ラウリンラクタム

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: ω-ラウリンラクタム
  • CB番号: CB5181717
  • CAS: 947-04-6
  • 同義語: ラウロラクタム,ラウリルラクタム

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: ナイロン-12中間体
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H25.9.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用
GHS改訂4版を使用
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分2 (中枢神経系、消化器)
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   分類実施中
水生環境有害性 (長期間)   分類実施中

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS08
注意喚起語
警告
危険有害性情報
臓器の障害のおそれ: 消化管 中枢神経系
水生生物に有害
長期継続的影響により水生生物に有害
注意書き
[安全対策]
粉じん、煙、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
環境への放出を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
[応急措置]
暴露または暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
[保管]
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : ω-ラウリンラクタム
  • 濃度又は濃度範囲: : >99.0%(GC)
  • CAS RN: : 947-04-6
  • 別名 : Cyclododecanone Isooxime
  • 化学式: : C12H23NO
  • 官報公示整理番号 化審法: : (5)-1099
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師に連絡す
ること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。医師に連絡すること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。医師に連絡すること。

飲み込んだ場合:

医師に連絡すること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵・防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
情報なし
臭い
情報なし
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
情報なし

融点・凝固点

152.5℃:NITE(2013)

沸点、初留点及び沸騰範囲

約348℃(760mmHg):NITE(2013)

引火点

195 ℃:NITE(2013)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

情報なし

燃焼又は爆発範囲

情報なし

蒸気圧

情報なし

蒸気密度

情報なし

比重(相対密度)

0.9g/cm3:NITE(2013)

溶解度

0.3 g/L (20 ℃):SIDS(2005)

n-オクタノール/水分配係数

logP=2.92(測定値):SRC(2013)

自然発火温度

320-330℃:SIDS (2005)

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

情報なし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値として 2,330 mg/kg (OECD TG 401) 及び2,600 mg/kg (SIDS (2005)、環境省 リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011)) の報告に基づいて、JIS分類基準の区分外 (国連分類基準の区分5) とした。
経皮
ラットの LD50値 > 2,000 mg/kg (SIDS (2005)) の報告に基づいて、区分外とした。
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミスト
データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

SIDS (2005) では、ウサギに4時間適用した試験 (OECD TG 404) において、刺激性なしと評価してしていることから、区分外とした。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

SIDS (2005) では、2件のウサギに適用した試験 (OECD TG 405) において、刺激性なしと評価してしていることから、区分外とした。

呼吸器感作性

呼吸器感作性:データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

皮膚感作性:SIDS (2005) には、モルモットを用いたマキシマイゼーション試験 (OECD TG 406) で陰性との報告があり、ガイドラインを満たす動物数 (20匹) で試験が行われているが陽性対照がないことから限定的な試験であると判断し、分類できないとした。

生殖細胞変異原性

データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoのデータはない。in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、ヒトリンパ球の染色体異常試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性である (SIDS (2005))。

発がん性

データ不足のため分類できない。

生殖毒性

データ不足のため分類できない。なお、ラットを用いた経口経路 (強制) による発生毒性試験において、母動物毒性がみられる用量においても発生毒性はみられていない (SIDS (2005)、環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011))。生殖能に関する報告は得られなかった。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

ラットの経口投与 (OECD TG 401) において区分2のガイダンスの範囲内 (500-1,990 mg/kg) でうずくまり、閉眼、流涎、腹臥位、側臥位、よろめき歩行、振戦、痙攣、挙尾反応、触刺激に対する発声など主に中枢神経系を介すると考えられる症状がみられ、症状は投与11日目までみられた (SIDS (2005))。剖検では死亡例で消化管の充血、肺の充血、肝臓の明色斑、うっ血がみられ、生存例での剖検においても消化管の充血がみられた。したがって区分2 (中枢神経系、消化器) とした。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットに90日間経口ばく露した試験において、区分2のガイダンス値の範囲内の用量 (25 mg/kg/day) で、肝臓に小葉中心性肝細胞のすりガラス様変化がみられた (SIDS (2005)、IUCLID (2000)) が、肝臓重量や血清中酵素には変化はなく、異物に対する適応性変化であり毒性影響ではないと判断されている (SIDS (2005)、IUCLID (2000))。また、イヌに13から14週間混餌投与した試験においても、区分2のガイダンス値を超える用量 (350 mg/kg/day) で肝臓への影響が見られている (SIDS (2005)、IUCLID (2000))。したがって、経口経路では区分外相当であるが、他の経路の毒性情報がなく、データ不足のため分類できないとした。

吸引性呼吸器有害性

データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
48h LC50:68.4 mg/L (Oryzias latipes)96h LC50:55 mg/L (Oryzias latipes)
甲殻類:
48h EC50:65 mg/L (Daphnia magna)
藻類:
72h EC50:>100 mg/L (Selenastrum capricornutum)

残留性・分解性:

0 % (by BOD) , 0 % (by TOC) , 0 % (by GC)*既存化学物質安全性点検による判定結果:難分解性

生体蓄積性(BCF):

0.8 - 1.2 (conc. 500 ug/L) , <2.6 (conc. 50 ug/L)*既存化学物質安全性点検による判定結果:低濃縮性

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
2.71
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
却炉で焼却する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

該当なし。

国連分類:

国連の分類基準に該当せず。

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

該当法規制なし

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
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