ペンタクロロベンゼンチオール 化学特性,用途語,生産方法
外観
白色~灰褐色、結晶性粉末~粉末
性質
化学式はC6HCl5Sで表され、分子量は282.38です。CAS番号は133-49-3で登録されています。融点は231.5°C、常温において固体で、密度は1.7g/mlです。
144.6 °Cに引火点を持つ可燃性の物質で、不快な臭いを持ち、水に溶けません。また、単斜晶の結晶構造を持ちます。ペンタクロロチオフェノールは生分解性が低く、水生生物に対して生物蓄積性と毒性があります。
また、ペンタクロロベンゼンチオールは、ヘキサクロロベンゼンの代謝物です。ラットなどの動物にヘキサクロロベンゼンを投与すると、体内で代謝され、尿や排泄物中にはペンタクロロベンゼンチオールが含まれます。
解説
ペンタクロロチオフェノール (英: Pentachlorothiophenol) とは、白色〜灰褐色粉末の有機塩素化合物です。
IUPAC名は2,3,4,5,6-ペンタクロロベンゼンチオール (英: 2,3,4,5,6-Pentachlorobenzenethiol) です。別名として、ペンタクロロベンゼンチオール (英: Pentachlorobenzenethiol) 、PCTPとも呼ばれます。
なお、ペンタクロロチオフェノールは、主な国内法令に該当しません。米国では、有害物質規制法 (TSCA) において難分解性、高蓄積性、毒性 (PBT) 物質に定められています。
製法
ペンタクロロチオフェノールは、ヘキサクロロベンゼンをメタノール中で硫化ナトリウムと硫黄で処理するか、硫化水素ナトリウムで処理することにより得られます。
また、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素などの酸性触媒存在下、硫化水素とペンタクロロフェノールを反応させることでも合成可能です。
化学的特性
Light yellow powder
使用
Pentachlorothiophenol is plasticizer; is used in method for preparing outer rubber hose for high performance hydraulic oil pipe.
使用用途
ペンタクロロチオフェノールは、合成ゴムまたは天然ゴムのしゃく解剤として、主に使用されます。しゃく解剤とは、ゴムの素練り行程を効率化するために加えられ、ラジカル分解によりゴムの分子量を低下させるものです。
取り扱い及び保管上の注意
皮膚に付着した場合
ペンタクロロチオフェノールは、皮膚腐食性や刺激性を持ちます。皮膚が暴露しないよう、使用時は必ず保護衣と保護手袋を着用してください。
皮膚に付着した際は、すぐに大量の水と石けんでしっかり洗い流します。衣類が汚染された場合は、すべて脱ぎ、袋に入れるなどして隔離してください。皮膚刺激が続く場合や皮膚に炎症が出た場合は、医師に連絡して診断を受けてください。
保管する場合
ペンタクロロチオフェノールは、光によって変質する性質を持ちます。遮光性のガラス製容器に入れ、密閉して保管してください。保管場所は、換気がよく涼しい場所が最適です。
参考文献
安全性プロファイル
Poison by intraperitoneal route. Mildly toxic by ingestion. Severe eye irritant. When heated to decomposition it emits very toxic fumes of SOx and Clí.
純化方法
Crystallise from *benzene, toluene (m 243o) or AcOH (m 240o also 242-244o). [Beilstein 6 IV 1642.]
ペンタクロロベンゼンチオール 上流と下流の製品情報
原材料
準備製品