CARBON STEEL 化学特性,用途語,生産方法
解説
炭素鋼,鉄と炭素を主成分とし,ケイ素,マンガンおよび不純物リン,硫黄,銅をわずかに含む鉄鋼材料。性質はだいたい炭素量で決る。常温の炭素鋼の標準組織成分は軟らかい地鉄フェライト (α-Fe) と硬い炭化物セメンタイト ( Fe3C ) で,炭素が少ければフェライトが多くて軟らかく,炭素が多ければセメンタイトが多くて硬い。炭素量はおよそ2%以内で,これより炭素の多いものは遊離黒鉛が析出して鋳鉄になる。炭素 0.8%は,高温で安定な均一固溶体オーステナイト (γ-Fe) がフェライトとセメンタイトに共析する組成で,全面が共析組織パーライトになる (→鉄鋼の変態 ) 。これを共析鋼といい,これより炭素の少いものを亜共析鋼,多いものを過共析鋼という。この組織名称とは別に硬さによる実用区分として,極軟鋼,軟鋼,半硬鋼,硬鋼,極硬鋼の別がある。炭素鋼は 800~900℃付近からの焼入れによって著しく硬化するが,これは高温のオーステナイト固溶体が急冷のため共析できず,非平衡組織のマルテンサイトになるためである。鋼の組織成分フェライトのブリネル硬さ HB は 50~100で,セメンタイトは HB 約 820であるが,両者の合成するパーライトは HB 225程度,マルテンサイトの HB は炭素量にもよるがおよそ 600~750に達する。炭素量が多いほど焼きは入りやすい。しかしマルテンサイトはもろいので,焼戻ししてマルテンサイトを軟化させ,靭性を増してから使用する。炭素鋼は安価で,しかも炭素量,熱処理によって幅広く性質が変化するから,金属材料中最も広く使われる。炭素鋼の機械的性質を改善するため少量のニッケル,クロム,モリブデンなどを添加した低合金鋼は炭素鋼と同じ用途に用いられる。
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