安全データシート

ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メタン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メタン
  • CB番号: CB4327020
  • CAS: 101-61-1

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 染料原料、有機合成中間体 (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
発がん性   区分1B
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)   区分2 (甲状腺)
分類実施日(環境有害性)
H18年度、GHS分類マニュアル (H18.2.10版) (R1年度、分類実施中)
環境に対する有害性
-

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS08GHS09
注意喚起語
警告
危険有害性情報
発がんのおそれの疑い
注意書き
[安全対策]
使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
暴露または暴露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
[保管]
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メタン
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(GC)(T)
  • CAS RN: : 101-61-1
  • 別名 : 4,4'-Methylenebis(N,N-dimethylaniline) , 4,4'-Tetramethyldiaminodiphenylmethane ,Methane Base , Tetra Base
  • 化学式: : C17H22N2
  • 官報公示整理番号 化審法: : (3)-140
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師の診断、
手当てを受けること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。医師の診断、手当てを受けること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合:

医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
あらゆる接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵・防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
黄色 (HSDB (Access on October 2019))
臭い
特徴的な臭気 (GESTIS (Access on October 2019))

融点/凝固点

融点 91.5℃ (HSDB (Access on October 2019))

沸点、初留点及び沸騰範囲

沸点 390℃ (分解) (HSDB (Access on October 2019))

可燃性

可燃性 (GESTIS (Access on October 2019))

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

該当しない

引火点

該当しない

自然発火点

該当しない

分解温度

390℃ (HSDB (Access on October 2019))

pH

データなし

動粘性率

該当しない

溶解度

水:不溶 (HSDB (Access on October 2019)) エタノールに微溶、酸類に可溶、エーテル・ベンゼン・二硫化炭素に易溶 (HSDB (Access on October 2019))

n-オクタノール/水分配係数

log Kow = 4.37 (EST) (HSDB (Access on October 2019))

蒸気圧

3.32x10-6 mmHg (EST) (HSDB (Access on October 2019))

密度及び/又は相対密度

データなし

相対ガス密度

該当しない

粒子特性

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤, 酸

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
【分類根拠】 (1) より、区分に該当しない。
【根拠データ】 (1) マウスのLD50: 3,160 mg/kg (DFGOT vol.1 (1991)、HSDB (Access on October 2019))
【参考データ等】 (2) ラットのLDLo: 500 mg/kg (DFGOT vol.1 (1990))
経皮
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

【分類根拠】 (1) の記載はあるが、データ不足のため分類できないとした。
【参考データ等】 (1) 本物質は眼、皮膚、粘膜への刺激性を示す可能性があるが、ヒトや動物での実証データはない (GESTIS (Access on October 2019))。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

【分類根拠】 (1) の記載はあるが、データ不足のため分類できないとした。
【参考データ等】 (1) 本物質は眼、皮膚、粘膜への刺激性を示す可能性があるが、ヒトや動物での実証データはない (GESTIS (Access on October 2019))。

呼吸器感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

生殖細胞変異原性

【分類根拠】 In vivoデータがなく、データ不足のため分類できない。
【根拠データ】 (1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験及びマウスリンフォーマ試験で陽性、染色体異常試験で陰性の報告がある (DFGOT vol.1 (1991)、NTP DB (Access on October 2019))。

発がん性

【分類根拠】 (1)、(2) より区分1Bとした。ガイダンスの改訂及び実験動物の結果を考慮し、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、NTPでR (NTP RoC (14th, 2016)) に、EPAでB2 (IRIS (1989))、EU CLPでCarc.1B (EU CLP分類 (Access on October 2019)) に分類されている。また、IARCでは本物質 (Michael’s base) は実験動物において発がん性の十分な証拠があると結論している (IARC 99 (2010))。 (2) 本物質の混餌投与により、雌雄ラットで甲状腺濾胞細胞がんの発生率の増加、雌マウスで良性および悪性の肝細胞腺腫およびがんの合計の発生率の増加が認められた (NCI (1979))。

生殖毒性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

特定標的臓器毒性 (単回ばく露)

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

特定標的臓器毒性 (反復ばく露)

【分類根拠】 (1) より区分2 (甲状腺) とした。情報源の情報を見直して分類を検討した結果、旧分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌による59週間反復投与毒性試験において、375 ppm (ガイダンス値換算: 18.75 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雌雄で甲状腺の濾胞嚢胞、雌で体重増加抑制、甲状腺の過形成、750 ppm (ガイダンス値換算: 37.5 mg/kg/day、区分2の範囲) の雄で体重増加抑制、甲状腺の過形成がみられた (NTP TR186 (1979))。
【参考データ等】 (2) ラットを用いた混餌による4週間反復投与毒性試験において、315 ppm (90日換算: 4.9 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雄で体重増加抑制、680 ppm (90日換算: 10.6 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雌で体重増加抑制、3,155 ppm (90日換算:49 mg/kg/day、区分2の範囲) の雄で被毛粗剛、円背位姿勢がみられた (NTP TR186 (1979)、DFGOT vol.1 (1991))。 (3) マウスを用いた混餌による78週間反復投与毒性試験において、1,250 ppm (ガイダンス値換算: 187.5 mg/kg/day、区分2超) 以上で甲状腺の乳頭状及び限局性過形成の頻度増加がみられた (同上)。

誤えん有害性*

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
96h LC50:>500 mg/L (Oryzias latipes)
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

0% (by BOD) , 1% (by HPLC)*既存化学物質安全性点検による判定結果:難分解性

生体蓄積性(BCF):

375 - 670 (conc. 0.50 mg/L) , 224 - 446 (conc. 0.050 mg/L)*既存化学物質安全性点検による判定結果:低濃縮性

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
4.37
土壌吸着係数(Koc):
9100
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
1.23 x 10-2

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
却炉で焼却する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

該当なし。

国連分類:

国連の分類基準に該当せず。

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

労働安全衛生法

該当しない

化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)

第2種指定化学物質(法第2条第3項、施行令第2条別表第2)【96 4,4’-メチレンビス(N,N-ジメチルアニリン)】

毒物及び劇物取締法

該当しない

化学物質審査規制法

旧第2種監視化学物質(旧法第2条第5項)【旧番号821 4,4’-メチレンビス(N,N-ジメチルアニリン)(平成23年4月1日をもって廃止)】

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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