安全データシート

酢酸2-メトキシエチル

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 酢酸2-メトキシエチル
  • CB番号: CB8852810
  • CAS: 110-49-6
  • EINECS番号: 203-772-9
  • 同義語: エチレングリコールメチルエーテルアセたーと,酢酸2-メトキシエチル

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 電子材料洗浄用、印刷インキ、塗料、接着剤等の溶剤など
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
GHS改訂4版を使用
H25.8.22、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用
物理化学的危険性
引火性液体   区分3
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)   区分1 (血液系、精巣)
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分1 (中枢神経系、血液系、腎臓)、 区分3 (麻酔作用)
生殖毒性   区分1A
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性   区分2B
分類実施日
環境に対する有害性はGHS改訂4版を使用
環境に対する有害性
水生環境有害性 (長期間)   区分2
水生環境有害性 (急性)   区分3

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS02GHS07GHS08
注意喚起語
危険
危険有害性情報
H226 引火性液体及び蒸気。
H302 + H312 + H332 飲み込んだ場合や皮膚に接触した場合や吸入した場合は有害。
H360 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ。
注意書き
安全対策
P202 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P210 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
P233 容器を密閉しておくこと。
P240 容器を接地しアースをとること。
P241 防爆型の【電気機器/換気装置/照明機器/機器】を使用すること。
P242 火花を発生させない工具を使用すること。
P243 静電気放電に対する措置を講ずること。
P261 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264 取扱い後は皮膚をよく洗うこと。
P270 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
P280 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
応急措置
P308 + P313 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
P304 + P340 + P312 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し,呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P303 + P361 + P353 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。
P301 + P312 + P330 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。口をすすぐこと。
保管
P405 施錠して保管すること。
P403 + P235 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
廃棄
専門的な使用者に限定。
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: Methyl Cellosolve acetate
    Ethylene glycol monomethyl ether acetate
    1-Acetoxy-2-methoxyethane
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C5H10O3
  • 分子量: 118.13 g/mol
  • CAS番号: 110-49-6
  • EC番号: 203-772-9
  • 化審法官報公示番号: -
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。ただちに医師の診察を受けること。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 医師に相談する。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 眼科医の診察を受けること。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後はただちに水を飲ませること(多くても2杯) 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし
適切な消火剤
水 泡 二酸化炭素(CO2) 粉末

5.2 特有の危険有害性

火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。
高温で空気と反応して爆発性混合物を生じる。
蒸気は空気より重く、床に沿って広がることがある。
可燃性。
分解生成物の本質は不明である。

5.3 消防士へのアドバイス

自給式呼吸器がある場合のみ危険区域に留まってもよい。安全なゾーンまで離れるか適切な保護衣を着用して、皮膚に触れないようにすること。

5.4 詳細情報

容器を危険ゾーンから移動させて水で冷やすこと。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: 蒸気、エアゾールを吸入してはならない。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 熱や発火源から遠ざける。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。 爆発のおそれ。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 液体吸収剤(例. Chemizorb® )で処置すること。 正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
換気フードの下で作業すること。吸い込まないこと。 蒸気やエアロゾルが生じないようにすること。
火災及び爆発の予防
炎、熱および発火源から遠ざける。静電気放電に対する予防措置を講ずること。
衛生対策
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔を洗うこと。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管条件
容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管する。 熱や発火源から遠ざける。 鍵をかけておくか、資格のあるまたは認可された人のみが出入りできる場所に入れておく。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
OEL-M: 0.1 ppm 0.48 - 日本産業衛生学会 許容濃度等の勧告
TWA: 0.1 ppm - 米国。 ACGIH限界閾値(TLV)

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔
を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具
本推奨は、当社発行の安全データシート,に記載されている製品およびその指定の使用法のみに
適用される。溶解、他の物質との混合、およびEN374に記載の逸脱条件での使用については、
CE認証手袋のサプライヤに問い合わせのこと(例. KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, Internet:
www.kcl.de)
フルコンタクト
材質: ブチルゴム
最小厚: 0.7 mm
破過時間: 480 min
試験物質:Butoject® (KCL 898)
本推奨は、当社発行の安全データシート,に記載されている製品およびその指定の使用法のみに
適用される。溶解、他の物質との混合、およびEN374に記載の逸脱条件での使用については、
CE認証手袋のサプライヤに問い合わせのこと(例. KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, Internet:
www.kcl.de)
飛沫への接触
材質: バイトン®
最小厚: 0.7 mm
破過時間: 30 min
試験物質:Vitoject? (KCL 890 / Aldrich Z677698, Size M)
身体の保護
難燃静電気保護服。
呼吸用保護具
気化ガス/エアロゾル発生時に必要 次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨し
ます。DIN EN 143、DIN 14387および使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。 爆発のおそれ。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体(IMDG (2010))
無色(IMDG (2010))
臭い
快い、甘いエーテル臭(Sax (11th, 2004))
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
情報なし

融点・凝固点

-65.1℃:HSDB(2014)

沸点、初留点及び沸騰範囲

145℃: HSDB(2014)

引火点

45℃(密閉式): HSDB(2014)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

情報なし

燃焼又は爆発範囲

上限:8.2%(IMDG (2010))、下限:1.7% (IMDG (2010))

蒸気圧

2.0mmHg(20℃)[換算値 266Pa(20℃)] :HSDB(2006)

蒸気密度

4.07(空気=1): 計算値

比重(相対密度)

1.0067(20℃/20℃): Merck(13th,2001)

溶解度

水:混和(20℃):HSDB(2006) エタノール、ジエチルエーテルに混和。四塩化炭素に僅かに溶ける。(CRC (91st, 2010))

n-オクタノール/水分配係数

logP=0.121(ICSC (2003))

自然発火温度

394℃: HSDB(2014)

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

情報なし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

蒸気/空気混合物は、強く温めると爆発性となる。

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

塩基類
酸化剤
次により発熱反応を生じる

10.4 避けるべき条件

加熱

10.5 混触危険物質

強酸化剤

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値として、2,900 mg/kg (環境省リスク評価第2巻:暫定的有害性評価シート (2003))、3,390 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、3,930 mg/kg (EHC 115 (1990)、ACGIH (7th, 2006)、DFGOT vol. 6 (1994)、PATTY (6th, 2012))、3,930-4,300 mg/kg (ECETOC TR95 (2005))、4,300 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008)) との報告に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。
経皮
ウサギのLD50値として、5,214 mL/kg (5,285 mg/kg) (DFGOT vol. 6 (1994))、5,290 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、5,557 mg/kg (ACGIH (7th, 2006)、EHC 115 (1990)、ECETOC TR95 (2005))、5,240-5,560 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008)) との報告に基づき、区分外とした。
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
データ不足のため分類できない。なお、旧分類は、ラットのLC50値 (4時間) として、700 ppm との報告 (HSDB (Access on July 2014)) に基づき区分3としているが、HSDB (Access on July 2014) の引用元はPATTY (5th, 2001) であり、PATTY (6th, 2012) への改訂の際に本データが削除されていること、及びPATTY (5th, 2001) の原著 (Journal of Industrial Hygiene and Toxicology. 30, 63, 1948) には、LC50値 (4時間) として、7,000 ppm と掲載されていたため、HSDB (Access on July 2014) の報告を採用せずに、分類できないとした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (2,665 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
吸入:粉じん及びミスト
ラットのLCLo値 (4時間) として、7,000 ppm (=33.8mg/L) (環境省リスク評価第2巻:暫定的有害性評価シート (2003)) との報告に基づき、区分外とした。なお、LCLo値が飽和蒸気圧濃度(2,665 ppm=12.9 mg/L) より高いため、ミストの基準値を適用した。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (EEC法) において0.5mLを刈毛した腹側部に4時間閉塞適用した結果、刺激性はみられなかったとの報告 (NITE初期リスク評価書 (2008)) があることから区分外とした。なお、24時間の閉塞適用した試験 (ドレイズ試験法) では軽度の刺激性との結果 (NITE初期リスク評価書 (2008)) がある。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

ウサギを用いた眼刺激性試験において、「軽度の刺激性」と報告されている (ACGIH (7th, 2006)、DEFGOT vol.6 (1996)) ことから、区分2Bとした。

呼吸器感作性

データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

データ不足のため分類できない。なお、58 歳の女性が眼鏡と接触した鼻部で皮膚炎を起こした事例が報告されており、眼鏡本体とパッドを接着するために使われた酢酸 2-メトキシエチルによるものと考えられている (NITE初期リスク評価書 (2008)、PATTY (6th, 2012)) が、1例のみの報告であるため分類に用いるには不十分なデータと判断した。

生殖細胞変異原性

ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、チャイニーズハムスターの腹腔内投与による骨髄細胞の小核試験で陰性の結果である (NITE初期リスク評価書 (2008)、ECETOC TR95 (2005)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2009))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陰性並びに陽性結果が存在するが、陽性結果は高い用量で報告されている(NITE初期リスク評価書 (2008)、ECETOC TR95 (2005)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2009)、NTP DB (Access on July 2014))。

発がん性

データ不足のため分類できない。

生殖毒性

マウスを用いた経口経路 (強制) での催奇形性試験において、母動物影響を及ぼさない用量 (1,225 mg/kg bw/day) において全胚吸収がみられた (NITE初期リスク評価書 (2008)、ECETOC TR95 (2005))。エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート (EGMEA) の生殖影響に関する情報は少ない。しかし、EGMEAは体内で速やかにエチレングリコールモノメチルエーテル (EGME) に代謝される (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2009))。また、産業衛生学会許容濃度等の勧告(2013) で、生殖毒性第1群物質 (ヒトに対して生殖毒性を示すことが知られている物質) にリストアップされている(2013年提案暫定)。したがって、区分1Aとした。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

本物質のヒトへの単回急性影響のデータはない。 ウサギ、ネコに 450 ppmの濃度で 8 時間吸入ばく露した試験で、腎障害により死亡したと報告されている (NITE初期リスク評価書 (2008))。その他の経路における報告はない。 なお、DFGOT vol. 6 (1994) は、ラット、モルモット、ウサギにおいて、本物質が、急性毒性で死亡した原因として、代謝性アシドーシス、腎毒性、中枢神経系への影響としているが、詳細な記載はない。 ECETOC TR95 (2005) は、「本物質は、急速にエチレングリコールモノメチルエーテル (EGME; CAS No: 109-86-4) に開裂する。EGMEには明らかな中枢神経系への毒性があるため、本物質においても中枢神経系への影響が考えられる。」との記載がある。 エチレングリコールモノメチルエーテルには、中枢神経系、血液系、気道刺激性、麻酔作用が影響として認められる。従って、本物質に関する直接的な情報はないが、EGMEによる影響の可能性があると考えられ、EGMEの区分1 (中枢神経系、血液系、腎臓)、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) を本物質の区分とみなすことが合理的と考えられるが、本物質は吸収後EGMEに変化すると想定し、区分3 (気道刺激性) は採用しなかった。以上より、区分1 (中枢神経系、血液系、腎臓)、区分3 (麻酔作用) とした。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

本物質はエチレングリコールモノメチルエーテル (EGME; CAS No. 109-86-4) の酢酸エステルであり、生体内では加水分解され、速やかにEGMEを生成し、さらにアルコール脱水素酵素及びアルデヒド脱水素酵素により酸化されて、2-メトキシ酢酸 (MAA) に転換する。MAA又はMAAのグリシン抱合体が活性代謝物と考えられている (ECETOC TR 95 (2005)、NITE初期リスク評価書 (2008)、CICAD 96 (2010))。すなわち、本物質も体内に吸収後はEGMEと同様の挙動を示し、同様の生体反応を示すと考えられることから、本物質の反復投与毒性はEGMEのそれと差がないものと考えられる。ただし、本物質の反復ばく露による知見は極めて限定されており、ヒトに関して信頼性のある知見はない。 実験動物に関しては、雄マウスに5週間経口投与した試験で、区分外の高用量(500 mg/kg/day: 192 mg/kg/day (90日換算値)) で、精巣萎縮及び白血球数減少がみられたとの報告がある(DFGOT vol. 6 (1994)、ECETOC TR 95 (2005)、NITE初期リスク評価書 (2008)、CICAD 96 (2010))。 ヒトでは実験動物(妊娠ラット及び妊娠サル) より、活性代謝物の消失半減期がかなり長く、体内に残留する時間が長く (CICAD 67 (2010))、実験動物より毒性が強く発現する可能性が考えられることから、マウスのデータ以外に直接的な証拠はないが、EGMEと同様に精巣毒性及び血液影響を生じる懸念があり、よって区分1 (血液系、精巣) とした。 なお、旧分類はList外の実験動物のデータのみから分類され、今回は代謝・体内動態の知見も合わせて判断したため分類結果が異なった。

吸引性呼吸器有害性

データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
LC50 - Lepomis macrochirus(ブルーギル) - 40 mg/l - 96 h
微生物毒性
備考: (Hommel)
(メチルグリコールアセタート)

12.2 残留性・分解性

データなし

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 1189    IMDG (海上規制): 1189    IATA-DGR (航空規制): 1189

14.2 国連輸送名

ADR/RID (陸上規制): ETHYLENE GLYCOL MONOMETHYL ETHER ACETATE
IMDG (海上規制): ETHYLENE GLYCOL MONOMETHYL ETHER ACETATE
IATA-DGR (航空規制): Ethylene glycol monomethyl ether acetate

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 3    IMDG (海上規制): 3    IATA-DGR (航空規制): 3

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): III IMDG (海上規制): III IATA-DGR (航空規制): III

14.5 環境危険有害性

ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当
非該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

強酸化剤

15. 適用法令

労働安全衛生法

危険物・引火性の物 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

第1種指定化学物質

消防法

第4類引火性液体、第二石油類水溶性液体

航空法

引火性液体

船舶安全法

引火性液体類

海洋汚染防止法

有害液体物質(Y類物質)

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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