急性毒性
経口
ラットLD50値: >5000 mg/kg(GLP準拠)(SIDS(2000))。(GHS分類:区分外)
経皮
ウサギLD50値: >1430 mg/kg (GLP準拠)(SIDS(2000))。(GHS分類:データ不足で分類できない。)
吸入
吸入(ミスト): データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(蒸気): ラットLC50値: 8050 ppm/4h(SIDS(2000))。なお、試験濃度(6050~11580 ppm)は飽和蒸気濃度の90%(20605.2ppmV)未満であることから、ガスの基準値を適用した。(GHS分類:区分4)
吸入(ガス): GHSの定義における液体である。(GHS分類:分類対象外)
皮膚腐食性・刺激性
ウサギを用いた試験(OECD TG404、GLP準拠)で、パッチ除去後明らかな紅斑、軽微~重度の浮腫が見られたが、これらの症状は7日までに回復した。しかし14日まで落屑および痂皮形成が認められ、PII(皮膚一次刺激指数)は3.42(最大値8)である(SIDS(2000))。(GHS分類:区分2)
眼に対する重篤な損傷・刺激性
ウサギを用いた試験(FHSA method、GLP準拠)で、平均ドレイズスコア(最大値110)は適用後1時間で3、24時間で0.3、それ以後は0であり、刺激性なし(not irritating)(SIDS(2000))。なお、別のウサギを用いた試験(FHSA method)でも刺激性なし(not irritating)との報告がある(SIDS(2000))。(GHS分類:区分外)
呼吸器感作性又は皮膚感作性
皮膚感作性:モルモット5匹を用いたビューラー試験(OECD TG406、GLP準拠)で、試験動物のいずれにも感作性の誘発は見られず、感作性なし(not sensitizing)で陰性(SIDS(2000))。(GHS分類:区分外)
呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
生殖細胞変異原性
エームス試験で陰性(SIDS(2000)、NTP DB (Access on June. 2010))、ハムスター卵巣細胞を用いた染色体異常試験で陰性(SIDS (2000))。(GHS分類:in vivo 試験のデータがなく分類できない。)
発がん性
データなし。(GHS分類:分類できない)
生殖毒性
データなし。(GHS分類:分類できない)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)
C6 – C12のアルケン類への反復ばく露により皮膚の乾燥、吸入により中枢神経系への影響のおそれがあり、頭痛、めまい、食欲不振などの中枢神経抑制の症状はばく露がないと回復する(SIDS(2000))。(GHS分類:区分3(麻酔作用))
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)
ラットを用いた90日間強制経口投与試験(用量:0、5、50 、500 mg/kg/bw)で、体重、摂餌量、一般症状、血液学的検査および剖検で顕著な変化は見られなかった。高用量群の500 mg/kg/bwでのみ対照群との軽微な差として、雌雄で腎臓重量の増加、血漿クロライドの低下、雄のみで腎臓の不特定の組織学的変化、雌のみで血漿クレアチニンの上昇が認められた(SIDS(2000))。(GHS分類:経口経路では区分外となるが、データ不足で分類できない。)
吸引性呼吸器有害性
本物質は動粘性率 0.688mm2/s(20℃)(粘性率0.492 cP(SIDS(2000))、密度0.7149 g/cm3(Lide(90th,2009)))の炭化水素である。(GHS分類:区分1)