安全データシート

1,2-ジエチルベンゼン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 1,2-ジエチルベンゼン
  • CB番号: CB8718972
  • CAS: 135-01-3
  • EINECS番号: 205-170-1
  • 同義語: 1,2-ジエチルベンゼン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: ジビニルベンゼンの原料、化学合成の中間体、溶剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H22.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用
物理化学的危険性
金属腐食性物質   分類できない
有機過酸化物   分類対象外
酸化性固体   分類対象外
酸化性液体   分類対象外
水反応可燃性化学品   分類対象外
自己発熱性化学品   分類できない
自然発火性固体   分類対象外
自然発火性液体   区分外
自己反応性化学品   分類対象外
可燃性固体   分類対象外
引火性液体   区分3
高圧ガス   分類対象外
支燃性・酸化性ガス類   分類対象外
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
可燃性・引火性ガス   分類対象外
火薬類   分類対象外
健康に対する有害性
吸引性呼吸器有害性   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分2(中枢神経系)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   分類できない
生殖毒性   分類できない
発がん性   分類できない
生殖細胞変異原性   分類できない
皮膚感作性   分類できない
呼吸器感作性   分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分2
皮膚腐食性・刺激性   分類できない
急性毒性(吸入:ミスト)   分類できない
急性毒性(吸入:粉じん)   分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
急性毒性(経皮)   分類できない
急性毒性(経口)   分類できない
環境に対する有害性
水生環境慢性有害性   分類できない
水生環境急性有害性   分類できない

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS02
注意喚起語
警告
危険有害性情報
H226 引火性液体及び蒸気。
注意書き
安全対策
P210 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
応急措置
P370 + P378 火災の場合:消火するために粉末消火剤 (ドライパウダー)、乾燥砂を使用すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C10H14
  • 分子量: 134.22 g/mol
  • CAS番号: 135-01-3
  • EC番号: 205-170-1
  • 化審法官報公示番号: 3-13; 3-60
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
医師に相談する。 この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸い込んだ場合、新鮮な空気の場所に移す。 呼吸していない場合には、人工呼吸を施す。 医師に相談する。
皮膚に付着した場合
石けんと多量の水で洗い流す。 医師に相談する。
眼に入った場合
予防措置として、水で眼を洗浄する。
飲み込んだ場合
無理に吐かせないこと。 意識がない場合、口から絶対に何も与えないこと。 口を水ですすぐ。 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

適切な消火剤
水噴霧、耐アルコール泡消火剤、粉末消火剤、二酸化炭素を使用すること。

5.2 特有の危険有害性

炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

消火活動時には必要に応じて 自給式呼吸装置を装着する。

5.4 詳細情報

未開封の容器を冷却するために水を噴霧する。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

蒸気、ミスト、またはガスの呼吸を避ける。 付近の発火源となるものを取り除く。 蒸気がたまると爆発性濃縮物が生成されるので要注意。蒸気は低いところにたまる可能性あり。個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

安全を確認してから、もれやこぼれを止める。 物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

漏出物を閉じ込め、防爆型の電気掃除機または湿ったブラシに より集め、地域の規則 (項目 13 を参照) に従い廃棄するために容器に移す。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
蒸気やミストの吸い込みを避けること。
火災及び爆発の予防
発火源から離しておいてください-禁煙。静電気の蓄積を防止する手段を講じる。
衛生対策
十分な衛生的作業を行い安全規定に従って取扱う。 休憩前や終業時には手を洗う。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 3: 可燃性液体
保管条件
冷所に保管。 容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管する。 一度開けた容器は注意深く再度密封し、漏れを避けるためまっすぐ立てておく。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
十分な衛生的作業を行い安全規定に従って取扱う。 休憩前や終業時には手を洗う。
保護具
眼/顔面の保護
顔面シールドおよび保護メガネ NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規
格で試験され、認められた眼の保護具を使用する。
皮膚及び身体の保護具
手袋を着用して取扱う。 使用前に、必ず手袋を検査する。 (手袋外面に触れずに)適切に手袋
を脱ぎ、本製品の皮膚への付着を避ける。 適用法令およびGLPに従い、使用後に汚染手袋を廃
棄する。 手を洗い、乾燥させる。
選ばれた防護手袋は、EU指令2016/425の仕様と、それから派生する規格EN374を満たすもので
なければならない。
フルコンタクト
材質: フッ素ゴム
最小厚: 0.7 mm
破過時間: 480 min
試験物質:Vitoject? (KCL 890 / Aldrich Z677698, Size M)
飛沫への接触
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.4 mm
破過時間: 30 min
試験物質:Camatril? (KCL 730 / Aldrich Z677442, Size M)
データソース:KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, 電話 +49 (0)6659 87300, e-mail sales@kcl.de,
試験方法: EN374
EN374とは違った条件の下で、溶液の中、または他の物質と混ぜて使われる場合は、EC認可手
袋の供給業者に問い合わせる。 この勧告は単なる助言であり、予想される用途の特定状況に精
通した産業衛生専門家並びに安全管理者により評価されなければならない。 任意の使用方法に
ついて許可を受けていると理解すべきではない。
身体の保護
不浸透性衣服, 難燃静電気保護服。, 特定の作業場に存在する危険物質の濃度および量に応じて、
保護装置のタイプを選択しなければならない。
呼吸用保護具
リスクアセスメントによりろ過式呼吸用保護具が適切であると示されている場所では、工学的
制御のバックアップとして、多目的直結式(US)またはABEK型(EN14387)呼吸用保護具カ
ートリッジ付き全面形呼吸用保護具を使用する。呼吸用保護具が唯一の保護手段である場合、
全面形送気マスクを使用する。 NIOSH(US)またはCEN(EU)などの適切な政府機関の規格
で試験され、認められた呼吸用保護具および部品を使用する。
環境暴露の制御
安全を確認してから、もれやこぼれを止める。 物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体
無色透明
臭い
ベンゼン、トルエンのような芳香族の特徴的な臭い : HSDB (2003)
pH
データなし

融点・凝固点

-31.2 ℃ : Lide (88th, 2008)

沸点、初留点及び沸騰範囲

184 ℃ : Chapman (2009)

引火点

57 ℃ (c.c) : HSDB (2003)

自然発火温度

395 ℃ : Lide (88th, 2008)

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

1.05 mmHg (25 ℃ exp) : Howard (1997)

蒸気密度

4.62 (空気=1) : ホンメル (1996)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

0.88 (20 ℃/4 ℃) : Ullmanns(E) (2003)

溶解度

エタノール、ジエチルエーテル、アセトン、ベンゼン、リグロイン、四塩化炭素と混合 : Lide (88th, 2008)
71.1 mg/l (25 ℃) : HSDB (2003)

オクタノール・水分配係数

3.72 : HSDB (2003)

分解温度

データなし

粘度

3.8×10-2 Pa・s (241.93 K) : HSDB (2003)

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

データなし

10.2 化学的安定性

推奨保管条件下では安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

熱、炎、火花。

10.5 混触危険物質

強酸化剤

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
5000 mg/kgの投与で10匹全例が死亡とのデータ(PATTY (5th, 2001))があるが、この結果のみでは分類できない。
経皮
データなし
吸入
吸入(粉じん・ミスト):   データなし
吸入(蒸気):   データなし
吸入(ガス):   GHS定義における液体である。

皮膚腐食性・刺激性

データなし。なお、1,4‐ジエチルベンゼン(CAS105-05-5)の情報も参照のこと。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ジエチルベンゼンをウサギの眼に滴下し一過性の刺激症状を引き起こしたが、フルオレセイン染色で見分けられない程に軽度であった(HSDB (2003))。また、ヒトでエチルベンゼンを1000 ppmの吸入ばく露により眼の刺激が生じたが、ばく露継続中に速やかに軽減した。2000 ppmのばく露では即時に重度の刺激と流涙が見られたと報告されている(HSDB (2003))。加えて、ジエチルベンゼンは眼刺激物であるとの記載(HSDB (2003))に基づき、区分2とした。〔ジエチルベンゼンのデータであるが、異性体による違いがないと判断して使用した。〕

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:データなし
呼吸器感作性:データなし

生殖細胞変異原性

データなし。なお、1,4‐ジエチルベンゼン(CAS105-05-5)の情報も参照のこと。

発がん性

データなし

生殖毒性

データなし。なお、1,4‐ジエチルベンゼン(CAS105-05-5)の情報も参照のこと。

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

ラットに異性体混合物を経口投与により、肝臓、胃粘膜、十二指腸、脾臓および腎臓に軽度の出血とジストロフィー性変化が認められたとの報告(PATTY (5th, 2001))があるが、混合物のみのデータであり本物質についてのデータがないので、分類できない。 なお、1,4‐ジエチルベンゼン(CAS105-05-5)の情報も参照のこと。

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

1,2‐ジエチルベンゼンをラットに75または100 mg/kg/dayを8週間経口投与(90日補正:約40~60 mg/kg/day)して脳幹聴性誘発電位(BAEP)への影響が調べられている(HSDB (2003))。重度の後肢脱力と歩行障害を起こし、頂点潜時およびBAEPの5成分全ての振幅増加、頂点間潜時の延長が見られたことにより、本物質は中枢神経系に毒性を有し、観察されたBAEPへの影響は本物質が聴覚経路の機能的変化を起こすことを示していると結論されている(HSDB (2003))。この結果に基づき、経口用量としてガイダンス値区分2の範囲に相当しているので、区分2(中枢神経系)とした。なお、1,4‐ジエチルベンゼン(CAS105-05-5)の情報も参照のこと。

吸引性呼吸器有害性

本物質は炭化水素であるが、40 ℃における動粘度が不明のため、分類できない。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
LC0 - Leuciscus idus melanotus - 26 mg/l - 48 h
LC50 - Leuciscus idus melanotus - 32 mg/l - 48 h

12.2 残留性・分解性

データなし

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

非該当
オゾン層への有害性
データなし

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
アフターバーナーとスクラバーが備えられた化学焼却炉で焼却するが、この物質は引火性が高いので点火には特に注意をはらう。 免許を有する廃棄物処理業者に、余剰物で再使用不可の溶液として処理を依頼する。汚染容器及び包装製品入り容器と同様に処分する。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 2049    IMDG (海上規制): 2049    IATA-DGR (航空規制): 2049

14.2 国連輸送名

IATA-DGR (航空規制): Diethylbenzene
IMDG (海上規制): DIETHYLBENZENE
ADR/RID (陸上規制): DIETHYLBENZENE

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 3    IMDG (海上規制): 3    IATA-DGR (航空規制): 3

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): III IMDG (海上規制): III IATA-DGR (航空規制): III

14.5 環境危険有害性

該当
ADR/RID: 該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

強酸化剤

15. 適用法令

労働安全衛生法

危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号)

海洋汚染防止法

有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1)

消防法

第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)

船舶安全法

引火性液体類(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1)

港則法

危険物・引火性液体類(法第21条2、則第12条、昭和54告示547別表二ホ)

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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