安全データシート

トリプロピレングリコールモノメチルエーテル (異性体混合物)

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: トリプロピレングリコールモノメチルエーテル (異性体混合物)
  • CB番号: CB0462093
  • CAS: 25498-49-1
  • EINECS番号: 247-045-4
  • 同義語: ドワノールTPM

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: ボールペン、フェルトペン、インクパッドの乾燥を防止するインク
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H23.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
健康に対する有害性
注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。
<環境分類実施日に関する情報>
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分3(麻酔作用)
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分2A

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

GHS分類基準に該当しない。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C10H22O4
  • 分子量: 206.28 g/mol
  • CAS番号: 25498-49-1
  • EC番号: 247-045-4
  • 化審法官報公示番号: 7-97
  • 安衛法官報公示番号: 適用法令により開示が必要とされる成分はない。

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後は水を飲ませる(多くても2杯)。気分が悪い場合は医師の診察を受ける。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし
適切な消火剤
水 泡 二酸化炭素(CO2) 粉末

5.2 特有の危険有害性

火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。
高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる
蒸気は空気より重く、床に沿って広がることがある。
可燃性。
炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

火災時には、自給式呼吸器を着用する。

5.4 詳細情報

消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: 蒸気、エアゾールを吸入してはならない。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 液体吸収剤(例. Chemizorb® )で処置すること。 正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 10: 可燃性液体
保管条件
密閉のこと。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類は替えること。本物質を扱った後は手を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
呼吸用保護具
エアゾル形成時以外は不要。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体
無色
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

-77.8 ℃ : SIDS (Access on Jul. 2010) (-60 ℃ : PATTY (5th, 2001))

沸点、初留点及び沸騰範囲

241.3 ℃ : Lide (90th, 2009)

引火点

113 ℃ (CC) : GESTIS (Access on Jul. 2010)

自然発火温度

277 ℃ : SIDS (Access on Jul. 2010)

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

1.1-7.0 % (v/v) : SIDS (Access on Jul. 2010)

蒸気圧

2.0*10^(-2) mmHg (25 ℃) : Howard (1997)

蒸気密度

7.1 : Sax (11th, 2004)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

0.967 (20 ℃/25 ℃) : Sax (11th, 2004)

溶解度

アセトン、エタノール、ベンゼン、エーテル、メタノールに混和 : Sax (11th, 2004)
1.96*10^(5) mg/l : Howard (1997)

オクタノール・水分配係数

log Kow = 0.309 : SIDS (Access on Jul. 2010)

分解温度

データなし

粘度

5.96 (25 ℃) mN s m-2 : Lange (16th, 2005)

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

引火点より下のおよそ15ケルビンからの範囲は危険とみなされている。
高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

強力な熱

10.5 混触危険物質

強酸化剤

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値: 5460 mg/kg bw(SIDS (Access on Jul. 2010))、 3200 mg/kg bw (ECETOC TR 95 (2005))。(GHS分類:区分外(JIS分類基準))
経皮
ウサギLD50値: 15440mg/kg 、 >19300mg/kg (SIDS (Access on Jul. 2010))。(GHS分類:区分外)
吸入
なお、試験濃度(200 mg/L)が飽和蒸気圧濃度(0.222 mg/L)より高いのでミストによる試験とみなした。 (GHS分類:区分外)
吸入(ミスト):   ラットに設定濃度200 mg/Lを1時間ばく露した試験で死亡例はなく、LC50値は200 mg/L(4時間換算値:50 mg/L)以上と推定されている(SIDS (Access on Jul. 2010))。ばく露濃度の実測値はなく、実際の濃度が設定濃度よりかなり低かった可能性がある(SIDS (Access on Jul. 2010))とも記述されているが、設定濃度自体が非常に高く、区分4の上限値(5 mg/L)を大きく超えている。
吸入(蒸気):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(ガス):   GHSの定義における液体である。(GHS分類:分類対象外)

皮膚腐食性・刺激性

ウサギに試験物質原液0.01 mLを24時間適用した試験で、刺激の程度はグレード1(最大値はグレード10)で刺激性なし(not irritating)(SIDS (Access on Jul. 2010))、また、ウサギを用いた別の試験では軽度の刺激性(mildly irritating)(ECETOC TR64 (1995))。(GHS分類:区分外(JIS分類基準))

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギに試験物質原液0.1 mLを適用した試験で、1匹は虹彩炎を伴い5匹全例に中等度の角膜傷害を起こし、刺激性の程度はグレード4(最大値はグレード10)で中等度の刺激性(moderately irritating)(SIDS (Access on Jul. 2010))。(GHS分類:区分2A)

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖細胞変異原性

エームス試験の陰性(SIDS (Access on Jul. 2010))。(GHS分類:in vivo の試験データがなく分類できない。)

発がん性

データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖毒性

ラットの器官形成期に吸入ばく露した試験において、母動物の一般毒性としては高用量群で鼻鏡部赤色化の発生率が明らかに増加したが、妊娠率、生存仔数、早期および後期吸収、胎児の異常など、妊娠または発生の指標について試験物質ばく露の影響は見られず、各投与群とも対照群と同様であった(SIDS (Access on Jul. 2010))。(GHS分類:データ不足で分類できない。)

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

ラットに2300~5000 mg/kgを経口投与した試験で、生存例ではうずくまり、し眠、不活発、不安定歩行が見られ、高用量では昏睡、虚脱の症状が観察された(SIDS (Access on Jul. 2010))。また、ウサギに7720~19300 mg/kgを経皮投与後の症状として、不安定歩行、虚脱、麻酔が報告されている(SIDS (Access on Jul. 2010)、ECETOC TR 95 (2005))。(GHS分類:区分3(麻酔作用))

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

ラットおよびマウスの2週間吸入ばく露試験(ミスト;0.15~1.01 mg/L/6h [90日換算:0.023~0.155 mg/L/6h])において重大な毒性は見られず、最も目立った影響は両動物種とも適応性変化と病理組織学的変化を伴わない肝臓重量の増加であった(SIDS (Access on Jul. 2010))。ウサギを用いた90日間経皮投与試験(965~9650 mg/kg)において、局所影響としての皮膚症状と最高用量9650 mg/kgでの麻酔作用と死亡の発生以外には用量 965 mg/kgにおいても重大な影響が認められなかった(SIDS (Access on Jul. 2010))。(GHS分類:経皮投与では区分外となるが、データ不足で分類できない。)

吸引性呼吸器有害性

データなし。(GHS分類:分類できない)

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
止水式試験 LC50 - Pimephales promelas (ファットヘッドミノウ) - 11,619
mg/l - 96 h
(OECD 試験ガイドライン 203)
ミジンコ等の水生無脊
固定化 LC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - > 10,000 mg/l - 48 h
椎動物に対する毒性
(OECD 試験ガイドライン 202)

12.2 残留性・分解性

生分解性
好気性 - 曝露時間 28 d
結果: 66 % - 易分解性。
(OECD 試験ガイドライン 301F)

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

データなし

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.2 国連輸送名

IATA-DGR (航空規制): Not dangerous goods
IMDG (海上規制): Not dangerous goods
ADR/RID (陸上規制): 非危険物

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): - IMDG (海上規制): - IATA-DGR (航空規制): -

14.5 環境危険有害性

非該当
ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当

14.6 特別の安全対策

14.7 混触危険物質

国際輸送に関する国連勧告の定義上は、危険物に該当しない。
詳細情報
強酸化剤

15. 適用法令

消防法

第4類引火性液体、第三石油類水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
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