安全データシート

2‐[(ジメトキシホスフィノチオイル)チオ]‐2‐フェニル酢酸エチル(別名:フェントエート)

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 2‐[(ジメトキシホスフィノチオイル)チオ]‐2‐フェニル酢酸エチル(別名:フェントエート)
  • CB番号: CB9740624
  • CAS: 2597-03-7
  • 同義語: 2‐[(ジメトキシホスフィノチオイル)チオ]‐2‐フェニル酢酸エチル(別名:フェントエート)

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 有機リン系殺虫剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H18.11.20 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用
物理化学的危険性
金属腐食性物質   分類できない
有機過酸化物   分類対象外
酸化性固体   分類対象外
酸化性液体   分類できない
水反応可燃性化学品   区分外
自己発熱性化学品   分類できない
自然発火性固体   分類対象外
自然発火性液体   分類できない
自己反応性化学品   分類対象外
可燃性固体   分類対象外
引火性液体   区分外
高圧ガス   分類対象外
支燃性・酸化性ガス類   分類対象外
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
可燃性・引火性ガス   分類対象外
火薬類   分類対象外
健康に対する有害性
吸引性呼吸器有害性   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分2(血液系 肝臓 )
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分1(神経系 )
生殖毒性   区分2
発がん性   区分外
生殖細胞変異原性   区分外
皮膚感作性   区分外
呼吸器感作性   分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分外
皮膚腐食性・刺激性   区分外
急性毒性(吸入:ミスト)   区分4
急性毒性(吸入:粉じん)   区分4
急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
急性毒性(経皮)   区分5
急性毒性(経口)   区分3
環境に対する有害性
水生環境慢性有害性   区分1
水生環境急性有害性   区分1
ラベル要素
絵表示又はシンボル
GHS07GHS09
注意喚起語
危険
危険有害性情報
皮膚に接触すると有害のおそれ
飲み込むと有毒
長期的影響により水生生物に非常に強い毒性
水生生物に非常に強い毒性
長期又は反復ばく露による肝臓、血液系の障害のおそれ
神経系の障害
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
吸入すると有害
注意書き
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
【廃棄】
施錠して保管すること。
【保管】
漏出物は回収すること。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
ばく露した場合、医師に連絡すること。
ばく露又はその懸念がある場合、医師の手当、診断を受けること。
吸入した場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。
吸入した場合、被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
飲み込んだ場合、口をすすぐこと。
飲み込んだ場合、直ちに医師に連絡すること。
【応急措置】
適切な個人用保護具を使用し、ばく露を避けること。
環境への放出を避けること。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
ミスト、蒸気、スプレーの吸入を避けること。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
取扱い後はよく手を洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
【安全対策】

3. 組成及び成分情報

  • 化学名又は一般名: 2‐[(ジメトキシホスフィノチオイル)チオ]‐2‐フェニル酢酸エチル(別名-フェントエート)
  • 別名: ジメチルジチオホスホリルフエニル酢酸エチル (Ethyl dimethyldithiophosphorylphenylacetate)、 フェントアート、PAP
  • 分子式(分子量): C12H17O4PS2(320.36)
  • CAS番号:: 2597-03-7
  • 官報公示整理番号(化審法・安衛法): (3)-2615
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
  • 濃度又は濃度範囲: 1

4. 応急措置

吸入した場合

被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。

皮膚に付着した場合

気分が悪い時は、医師に連絡すること。

目に入った場合

眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合

医師に連絡すること。
口をすすぐこと。

5. 火災時の措置

消火剤

泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類

使ってはならない消火剤

棒状放水、水噴霧

特有の危険有害性

加熱あるいは水の混入により容器が爆発するおそれがある。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
火災によって刺激性、腐食性及び/又は毒性のガスを発生するおそれがある。

特有の消火方法

火災の場所に大量に散水し、水噴霧によって蒸気濃度を低下させる。
周辺火災の場合、移動可能な容器は速やかに安全な場所に移す。
容器内に水を入れてはいけない。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。

消火を行う者の保護

消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具および緊急措置

密閉された場所は換気する。
適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
低地から離れる。
漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性の高い、不浸透性の保護衣を着用する。
作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
風上に留まる。
関係者以外の立入りを禁止する。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。

環境に対する注意事項

環境中に放出してはならない。

回収・中和

物質を吸込み又は掃き取って廃棄用容器に入れること。

封じ込め及び浄化方法・機材

本製品は水に浮かぶため火災の危険がある。可能ならば、浮いている製品を封じ込めるよう努める。
物質を固化して掻き取る。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項
環境への放出を避けること。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
排気用の換気を行うこと。
空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行うこと。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
ガスを吸入しないこと。
皮膚との接触を避けること。
飲み込みを避けること。
取扱い後はよく手を洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
火気注意。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
使用前に使用説明書を入手すること。
接触回避
データなし

保管

技術的対策
特別に技術的対策は必要としない。
保管場所の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適当な傾斜をつけ、かつ、適当なためますを設けること。
保管場所の床は、床面に水が浸入し、又は浸透しない構造とすること。
保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。
保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
混触危険物質
データなし
保管条件
施錠して保管すること。
特に技術的対策は必要としない。
酸化剤から離して保管する。
容器包装材料
データなし

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定

許容濃度(ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

日本産衛学会(2007年版)
未設定
ACGIH(2007年版)
未設定

設備対策

空気中の濃度を制御するには、一般適正換気で十分である。
高熱取扱いで、工程でミストが発生するときは、空気汚染物質を管理濃度・許容濃度以下に保つために換気装置を設置する。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。

保護具

呼吸器の保護具
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具
適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
適切な保護衣を着用すること。

衛生対策

取扱い後はよく手を洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体
データなし
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

17~18℃ : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)

沸点、初留点及び沸騰範囲

123℃ (0.01mmHg) : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)

引火点

165℃-170℃ : HSDB (2006)

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

0.00004mmHg (40℃) : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

1.226g/cm3 (20℃,4℃)

溶解度

水 : 10.29mg/L (20℃,pH6.05) : 農薬登録申請資料

オクタノール・水分配係数

log Pow=3.69 (実測値) : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

危険有害反応可能性

データなし

避けるべき条件

データなし

混触危険物質

データなし

危険有害な分解生成物

データなし

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットによる経口投与試験のLD50=249mg/kg(農薬登録申請資料(1978))に基づき、区分3とした。
経皮
マウスによる経皮投与試験のLD50=2620mg/kg(農薬登録申請資料(1966))に基づき、区分5とした。
吸入
吸入(ミスト):   ラット吸入ばく露によるLC50=3.17mg/L(農薬登録申請資料(1980))に基づき、区分4とした。
吸入(粉じん):   ラット吸入ばく露によるLC50=3.17mg/L(農薬登録申請資料(1980))に基づき、区分4とした。
吸入(蒸気):   データなし
吸入(ガス):   GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。

皮膚腐食性・刺激性

ウサギによる皮膚刺激性試験において、刺激性なしとの報告がある(農薬登録申請資料(1978))ことから、区分外とした。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギによる眼刺激性試験において、刺激性なしとの報告があることから(農薬登録申請資料(1975))、区分外とした。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:モルモットを用いたBuehler法による皮膚感作性試験において、感作率0%との報告があることから(農薬登録申請資料(1990))、区分外とした。

生殖細胞変異原性

in vitro染色体異常試験(農薬登録申請資料(1989))、in vitro復帰変異試験(農薬登録申請資料(1976))、マウスによる骨髄細胞in vivo小核試験(農薬登録申請資料(2004))において、全て陰性との報告があることから、区分外とした。

発がん性

ラット24ヶ月およびマウス18ヶ月の発がん性試験において、試験物質投与による腫瘍発生の増加がないとの報告がある(農薬登録申請資料(1991))ことから、区分外とした。

生殖毒性

ラット2世代繁殖性試験において、親動物に影響が見られる用量で仔動物の死亡例が増加したとの報告がある(農薬登録申請資料(1987))。仔動物の死亡が親動物への影響による2次的影響であると明確に結論付けることが出来ないため、区分2とした。

12. 環境影響情報

水生環境急性有害性

甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=0.00025mg/L(農薬登録申請資料、2005)から、区分1とした。

水生環境慢性有害性

急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF=34(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:2%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。

汚染容器及び包装

空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。

14. 輸送上の注意

国際規制

海上規制情報
IMOの規定に従う。
航空規制情報
ICAO/IATAの規定に従う。
UNNo.
3017
ProperShippingName.
Organophosphorus pesticide, liquid, toxic, flammable
Class
6.1

国内規制

陸上規制情報
毒劇法の規制に従う。
海上規制情報
船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報
航空法の規定に従う。

特別安全対策

重量物を上積みしない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

緊急時応急措置指針番号

131

15. 適用法令

毒物及び劇物取締法

劇物(指定令第2条)(政令番号:54)
劇物(法第2条別表第2)(法令番号:41)

水質汚濁防止法

生活環境汚染項目(法第2条、施行令第3条、排水基準を定める省令第1条別表第2)

海洋汚染防止法

個品運送PP(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示)

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(政令番号:1-173)

消防法

危険物第4類第3石油類

船舶安全法

毒物類・毒物

航空法

毒物類・毒物

港則法

毒物類・毒物

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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