急性毒性
経口
ラットの試験でLD50値は雄で60mg/kg bw, 164mg/kg bw (農薬安全情報(住友化学 1989-Ⅱ))、雌で70mg/kg bw, 107mg/kg bw (農薬安全情報(住友化学 1989-Ⅱ)) と全て区分3に該当することから、区分3とした。
経皮
ラットの試験でLD50値は雄>5000mg/kg bw, 雌>5000mg/kg bw であり、区分外(国連分類基準:区分外)とした。
吸入
吸入(ガス): GHSの定義における固体である。
吸入(蒸気): データなし
吸入(粉じん): ラットの試験でLC50値は雄で>0.072mg/L(農薬安全情報(住友化学 1989-Ⅱ)、雌で>0.072mg/L(農薬安全情報(住友化学 1989-Ⅱ)のデータがあるが、この結果から区分2~区分外のどの区分か判断できないので、このデータのみでは分類できない。(飽和蒸気圧濃度は0.000103mg/Lである)
皮膚腐食性・刺激性
ウサギを用いた試験で、刺激性なしのデータ(農薬安全情報(住友化学 1989-Ⅱ))に基づき区分外とした。
眼に対する重篤な損傷・刺激性
ウサギを用いた試験で、軽度の刺激性(結膜に浮腫あるいは充血が観察され、刺激性ありと判断されたが、ごく軽度の、実際には問題にならない程度のものであった。)(農薬安全情報(住友化学 1989-Ⅱ))に基づき区分2Bとした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性
呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:ウサギを用いたBuehler testで陰性(農薬安全情報(住友化学 1989-Ⅱ))のデータから、区分外に該当するが、リスト2のデータであることから分類できないとした。
生殖細胞変異原性
マウスを用いたin vivo 小核試験(骨髄)で陰性(農薬安全情報(住友化学 1989-Ⅱ))の結果から、区分外とした。なお、in vitro変異原性試験として、Ames試験及び染色体異常試験(チャイニーズハムスター卵巣培養細胞)で陰性(農薬安全情報(住友化学 1989-Ⅱ))のデータがある。
発がん性
ラット(CD系)の2年間の経口投与試験(male : 0, 1.93, 5.71, 17.06 and 22.8mg/kg/day ; female : 0, 2.43, 7.23, 19.45 and 23.98mg/kg/day)で、ばく露量に相関した影響としては振せんが発現した。その他被検物質に関連した影響やばく露量に相関した病理的な異常は認められなかった(IRIS (2002))。前記と同じ試験と推定される、ラット(CD系)を用いた慢性毒性・発がん性併合試験(0, 50, 150, 450, 600ppm 混餌)で、血液学的、血液生化学的及び病理組織学的検査等を実施し、投与に関連すると思われる一貫した変化は認められなかった。また、観察されたいずれの腫瘍においても、その発生率は対照群と投与群との差はなく、発がん性は陰性であった(農薬安全情報(住友化学 1989-Ⅱ))。また、マウスの2年間の経口投与試験(male : 0, 3.9, 13.7 and 56mg/kg/day ; female : 0, 4.2, 16.2 and 65.2mg/kg/day)で雌に軽微な過敏が見られたが、その他ばく露量に関連した毒性は認められなかった(IRIS (2002)。前記と同じ試験と推定される、マウス(CD-1系)を用いた慢性毒性・発がん性併合試験(0, 40, 150, 600ppm 混餌)で、病理組織学的検査の結果、非腫瘍性変化、腫瘍性変化のいずれにおいても投与に関連した変化はなく発がん性は陰性あった(農薬安全情報(住友化学 1989-Ⅱ))。以上の情報から区分外とした。
生殖毒性
ラットを用いた2世代経口投与試験で、親に毒性を示すばく露量(6.0, 18mg/kg/day)で妊娠率、出産率、交配率などの繁殖能力に関する各パラメーターにばく露による影響は認められず、繁殖性に影響はなかった(農薬安全情報(住友化学 1989-Ⅱ))。一方、3世代経口投与試験で、親に毒性を示すばく露量で生殖毒性に影響はなかったが、F2bの仔に振せんや死亡率の増加が認められた(IRIS (2002))。ラットの発生毒性試験(妊娠6-15日:0, 0.4, 1.5, 2, 3, 6 or 10mg/kg/day) で親に毒性を示すばく露量で骨格異常等は認められず、NOELは最高ばく露量以上(10mg/kg/day)と考えられた(IRIS (2002))。ウサギを用いた発生毒性試験(妊娠7-19日:0, 4, 12, 36mg/kg/day)で、親に毒性を示すばくろ量でばく露量に関連付ける異常や奇形は認められなかった(IRIS (2002))。以上の情報から、3世代試験で親に毒性を示すばく露量で仔に振せん死亡率の増加が認められたことから区分2とした。