安全データシート

ジデシルメチルアミン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: ジデシルメチルアミン
  • CB番号: CB2252056
  • CAS: 7396-58-9
  • 同義語: ジデシルメチルアミン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 木材防腐および殺菌剤の製造中間体 (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
皮膚腐食性/刺激性   区分2
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分2(神経系)
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)   区分2(神経系)
分類実施日(環境有害性)
ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
環境に対する有害性
-

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS05
注意喚起語
危険
危険有害性情報
可燃性液体
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
注意書き
[安全対策]
炎および高温のものから遠ざけること。禁煙。
粉じん、ミストを吸入しないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。直ちに医師に連絡
すること。
皮膚(または髪)に付着した場合:直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
皮膚を流水、シャワーで洗うこと。直ちに医師に連絡すること。汚染された衣
類を再使用する場合には洗濯すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させるこ
と。直ちに医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に
連絡すること。
火災の場合:消火するために粉末、乾燥砂、泡を使用すること。
[保管]
涼しい所/換気の良い場所で保管すること。
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : ジデシルメチルアミン
  • 濃度又は濃度範囲: : >95.0%(GC)
  • CAS RN: : 7396-58-9
  • 化学式: : C21H45N
  • 官報公示整理番号 化審法: : (2)-176
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

被災者を空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ち
に医師に連絡すること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。直ちに医師に連絡すること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。直ちに医師に連絡すること。

飲み込んだ場合:

直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 二酸化炭素

使ってはならない消火剤:

水(火災を拡大し危険な場合がある)

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
十分に換気を行う。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

ウエス、乾燥砂、土、おがくずなどに吸収させて回収する。
大量の流出には盛土で囲って流出を防止する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

二次災害の防止策:

付近の着火源、高温体などを速やかに取り除く。
着火した場合に備えて、消火用器材を準備する。
火花を発生しない安全な用具を使用する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。漏れ、あふれ、飛散しないよう注意し、みだりに蒸気を発生させない。炎および高温のものから遠ざけること。静電気対策を行う。設備などは防爆型を用いる。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。蒸気やエアゾールが発生する場合には、換気、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して換気の良い冷暗所に保管する。不活性ガスを充填する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
避けるべき保管条件:
空気
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
液体(GHS判定)
明黄色がかった透明
臭い
魚の様な匂い

融点/凝固点

データなし

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし

可燃性

データなし

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

データなし

引火点

データなし

自然発火点

データなし

分解温度

データなし

pH

データなし

動粘性率

データなし

溶解度

水: (不溶)(HSDB in PubChem(2022))

n-オクタノール/水分配係数

データなし

蒸気圧

データなし

密度及び/又は相対密度

データなし

相対ガス密度

データなし

粒子特性

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

裸火

混触危険物質:

酸化剤, 強酸

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
【分類根拠】 (1)より、区分4とした。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)ラット(雌)のLD50:300~2,000 mg/kgの間(OECD TG 423、GLP)(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))
経皮
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

【分類根拠】 (1)、(2)より、区分2とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、半閉塞、4時間適用、14日観察)において、明瞭な皮膚刺激性影響がみられ、影響は14日間持続したが、腐食性影響はみられなかった(紅斑・痂皮スコア:2/2/2/2/2/2、浮腫スコア:2.3/2/1/2/2.3/2.3)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。 (2)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404相当、GLP、半閉塞、4時間適用、21日観察)において、明瞭な皮膚刺激性影響がみられ、影響は21日間持続したが、腐食性影響はみられなかった(紅斑・痂皮スコア:2.7/2.7/2、浮腫スコア:3/2.3/2.3)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。
【参考データ等】 (3)EpiSkinを用いたin vitro 皮膚腐食性試験(OECD TG 431、GLP)において、T=3分 細胞生存率R=129.5%、T=60分 細胞生存率R=98.4%、T=240分 細胞生存率R=82.9%(非腐食性に相当する結果)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。 (4)In vitro 皮膚刺激性試験(OECD TG 439、GLP)において、細胞生存率R=112.1%(区分に該当しない範囲の結果)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

呼吸器感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。なお、(1)の知見でみられた皮膚反応が刺激性反応か感作性反応かを峻別することが困難であるため、分類には用いなかった。
【参考データ等】 (1)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、GLP、皮内投与:5%溶液)において、検体投与群では惹起終了24又は48時間後に17/20例(85%)で何らかの皮膚反応がみられたが、陰性対照群(0.1%溶液で惹起)でも同様の皮膚反応が6/10例(60%)にみられたとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。

生殖細胞変異原性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
【参考データ等】 (1)In vitroでは、細菌復帰突然変異試験(OECD TG471、GLP)で陰性、チャイニーズハムスター肺由来細胞(CHL)を用いた染色体異常試験(OECD TG473、GLP)で陰性の報告があった(REACH登録情報 (Accessed 2022)、厚労省 既存点検結果 (2013))。

発がん性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

生殖毒性

【分類根拠】 (1)より、生殖発生毒性の懸念が低いと考えられるが、発生への影響に関する情報がなく、データ不足のため分類できない。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生スクリーニング併合試験(OECD TG422、GLP)において、高用量(100 mg/kg/day)群では雌雄親動物が全例死亡又は瀕死と殺したため交配に至らなかったが、全例が生存した中用量(30 mg/kg/day)群では、親動物に全身毒性として体重増加抑制及び流涎(雌雄)、ヘモグロビン減少など血液影響(雄のみ)がみられたが、受胎能に影響はなく、児動物の出生及び生後4日までの成長に有害影響はみられなかったとの報告がある(厚労省 既存点検結果 (2013))。

特定標的臓器毒性 (単回ばく露)

【分類根拠】 (1)より、区分2(神経系)とした。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)ラット(雌)を用いた単回経口投与試験(OECD TG 423、GLP)において、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で神経系症状(低活動性、立毛、振戦、接触に対する過敏反応など)がみられた後、全例(3/3例)が死亡ないし瀕死剖検されたとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。

特定標的臓器毒性 (反復ばく露)

【分類根拠】 (1)、(2)より、区分2(神経系)とした。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性/生殖発生スクリーニング併合試験(OECD TG 422、GLP)において、30 mg/kg/day(90日換算:14~17 mg/kg/day、区分2の範囲)以上で流涎、体重増加抑制、雄に血液影響(ヘモグロビン・ヘマトクリット値、MCV及びMCHCの低値)、100 mg/kg/day(90日換算:47~56 mg/kg/day、区分2の範囲)で神経系及び全身症状(自発運動の減少、よろめき歩行、過敏、痙攣、削痩等)がみられた後、全例が投与6~12日に死亡又は瀕死期剖検されたとの報告がある(厚労省 既存点検結果 (2013))。 (2)ラットを用いた14日間反復経口投与試験において、250 mg/kg/day(区分に該当しない範囲)以上で神経系及び全身症状(自発運動の減少、よろめき歩行、過敏、痙攣、削痩、軟便、下痢等)がみられた後、全例(雌雄各5/5例)が投与10日までに死亡ないし瀕死と殺されたとの報告がある(厚労省 既存点検結果 (2013))。

誤えん有害性*

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
焼却処理する場合には、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼却炉で焼却する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

2735

品名(国連輸送名):

Amines, liquid, corrosive, n.o.s.

国連分類:

クラス8(腐食性物質)

容器等級:

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

労働安全衛生法

該当しない

化審法

優先評価化学物質(法第2条第5項)

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(令和5年度以降の対象)

毒物及び劇物取締法

該当しない

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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