安全データシート

グリオキシル酸

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: グリオキシル酸
  • CB番号: CB9455362
  • CAS: 298-12-4
  • 同義語: グリオキシル酸,グリオキシル酸, 50%水溶液

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 医薬・香料原料 (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 ※一部、ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性   区分1
皮膚感作性   区分1B
分類実施日(環境有害性)
ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
環境に対する有害性
水生環境有害性 短期(急性)   区分3

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS05GHS07
注意喚起語
危険
危険有害性情報
金属腐食のおそれ
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
水生生物に有害
注意書き
[安全対策]
他の容器に移し替えないこと。
粉じん、ミストを吸入しないこと。
環境への放出を避けること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。直ちに医師に連絡
すること。
皮膚(または髪)に付着した場合:直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
皮膚を流水、シャワーで洗うこと。直ちに医師に連絡すること。汚染された衣
類を再使用する場合には洗濯すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させるこ
と。直ちに医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に
連絡すること。
物的被害を防止するため流出したものを吸収すること。
[保管]
耐食性のある容器に保管すること。
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 混合物
  • 化学名又は一般名: : グリオキシル酸 (約50%水溶液, 約9mol/L)
  • 濃度又は濃度範囲: : ....
  • CAS RN: : 298-12-4
  • 化学式: : C2H2O3
  • 官報公示整理番号 化審法: : (2)-1471
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

被災者を空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ち
に医師に連絡すること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。直ちに医師に連絡すること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。直ちに医師に連絡すること。

飲み込んだ場合:

直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
十分に換気を行う。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

ウエス、乾燥砂、土、おがくずなどに吸収させて回収する。
大量の流出には盛土で囲って流出を防止する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。漏れ、あふれ、飛散しないよう注意し、みだりに蒸気を発生させない。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。蒸気やエアゾールが発生する場合には、換気、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。耐食性のある装置や器具を使用する。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。他の容器に移し替えないこと。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
無色
臭い
酸臭

融点/凝固点

98 ℃(PubChem(2022)) -93 ℃(50%水溶液)(GESTIS(2022))

沸点、初留点及び沸騰範囲

ca. 111 ℃(GESTIS(2022))

可燃性

不燃性(GESTIS(2022))

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

非爆発性(IUCLID(2000))

引火点

データなし

自然発火点

データなし

分解温度

データなし

pH

0.3(GESTIS(2022))

動粘性率

データなし

溶解度

水に易溶(PubChem(2022)) エタノール、エチルエーテル、ベンゼンにやや溶けにくい(PubChem(2022))

n-オクタノール/水分配係数

Log Kow: -0.07(PubChem(2022))

蒸気圧

1.06 mmHg(25℃)(SRC (Access on Aug. 2010))

密度及び/又は相対密度

1.34 g/cm³(50%水溶液)(GESTIS(2022)) 1.342 (PubChem(2022)) 1.42 (20℃/4℃)(PubChem(2022))

相対ガス密度

データなし

粒子特性

該当しない

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤, 塩基

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値 2528 mg/kg(IUCLID(2000))に基づき、分類JISによる基準の区分に該当しない(国連分類による基準の区分5)とした。
経皮
データなし。
吸入: ガス
GHSの定義における固体である。
吸入: 蒸気
データなし。
吸入: 粉じん及びミスト
データなし。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

ウサギを用いた試験(OECD TG 404; GLP準拠)で、刺激性なし(not irritating)との結果(IUCLID(2000))に基づき、区分に該当しないとした。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

【分類根拠】 (1)より、区分1とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。ECHA RAC Opinion(2018)にて眼損傷性知見が公表されたため、旧分類から眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性項目を見直した(2021年)。
【根拠データ】 (1)ウサギ(n = 6)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、本物質の50%水溶液、3例は適用4秒後、残りの3例は適用30秒後に洗眼、7日観察)において、全例でみられた重度の刺激性変化は観察期間内に回復しなかった(24/48/72時間後の角膜混濁スコアの平均:3.83、虹彩炎スコアの平均:1.78、結膜発赤スコアの平均:2.22、結膜浮腫スコアの平均:3.94)との報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、CLH Report (2017)、REACH登録情報 (Accessed Jan. 2022))。
【参考データ等】 (2)EUではEye Dam. 1に分類している(CLP分類結果 (Accessed Jan. 2022))。

呼吸器感作性

データなし。

皮膚感作性

【分類根拠】 (1)より、区分1Bとした。新たな知見に基づき、分類結果を変更した。ECHA RAC Opinion(2018)にて感作性知見が公表されたため、旧分類から皮膚感作性項目を見直した(2021年)。
【根拠データ】 (1)本物質の50%水溶液について、マウス(n = 5/群)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429相当)において、刺激指数(SI値)は2.5(5%)、10.7(10%)、20.3(20%)、23.9(40%)であり、EC3値は5.05%と算出された(ECHA RAC Opinion (2018)、CLH Report (2017)、REACH登録情報 (Accessed Jan. 2022))。
【参考データ等】 (2)EUではSkin Sens. 1Bに分類している(CLP分類結果 (Accessed Jan. 2022))。

生殖細胞変異原性

マウスに経口投与による小核試験(GLP準拠)で陰性の結果(IUCLID(2000))に基づき、区分に該当しないとした。なお、in vitro試験としてはAmes試験で陰性の報告(IUCLID(2000))がある。

発がん性

データなし。

生殖毒性

データなし。

特定標的臓器毒性 (単回ばく露)

データなし。

特定標的臓器毒性 (反復ばく露)

データなし。

誤えん有害性*

データなし。

* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
96h LC50:41 mg/L (Oryzias latipes)
甲殻類:
48h LC50:51 mg/L (Daphnia magna)
藻類:
72h EC50:33 mg/L (Selenastrum capricornutum)

残留性・分解性:

96 % (by BOD) , 100 % (by TOC) , 100 % (by HPLC)*既存化学物質安全性点検による判定結果:良分解性

生体蓄積性(BCF):

3

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
-0.07
土壌吸着係数(Koc):
1
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
3 x 10-4

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

3265

品名(国連輸送名):

Corrosive liquid, acidic, organic, n.o.s.

国連分類:

クラス8(腐食性物質)

容器等級:

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

労働安全衛生法

該当しない

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

該当しない

毒物及び劇物取締法

該当しない

海洋汚染防止法

有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1)

船舶安全法

腐食性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

腐食性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)

港則法

その他の危険物・腐食性物質(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
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