安全データシート

4-ニトロ安息香酸

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 4-ニトロ安息香酸
  • CB番号: CB4252540
  • CAS: 62-23-7
  • 同義語: p-ニトロ安息香酸,4-ニトロ安息香酸

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 中間体の製造、アルカロイド及びトリウム用試薬
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
GHS改訂4版を使用
平成25年、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分2 (血液系)
生殖毒性   区分1B
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性   区分2B
急性毒性(経口)   区分4
分類実施日
H23.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
環境に対する有害性
水生環境有害性 (長期間)   区分外
水生環境有害性 (急性)   区分外

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS07GHS08
注意喚起語
警告
危険有害性情報
H361 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い。
H351 発がんのおそれの疑い。
H341 遺伝性疾患のおそれの疑い。
H319 強い眼刺激。
H315 皮膚刺激。
H302 飲み込むと有害。
注意書き
安全対策
P280 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P270 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P264 取扱い後は皮膚をよく洗うこと。
P202 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P201 使用前に取扱説明書を入手すること。
応急措置
P302 + P352 皮膚に付着した場合:多量の水で洗うこと。
P301 + P312 + P330 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。口をすすぐこと。
P337 + P313 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
P332 + P313 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
P308 + P313 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
P305 + P351 + P338 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
保管
P405 施錠して保管すること。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C7H5NO4
  • 分子量: 167.12 g/mol
  • CAS番号: 62-23-7
  • 化審法官報公示番号: 3-1505
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。ただちに医師の診察を受けること。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 医師に相談する。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 眼科医の診察を受けること。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後はただちに水を飲ませること(多くても2杯) 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし
適切な消火剤
水 泡 二酸化炭素(CO2) 粉末

5.2 特有の危険有害性

火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。
可燃性。
窒素酸化物(NOx)
炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

自給式呼吸器がある場合のみ危険区域に留まってもよい。安全なゾーンまで離れるか適切な保護衣を着用して、皮膚に触れないようにすること。

5.4 詳細情報

ガス/蒸気/ミストを水スプレージェットで抑える(除去する)。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: ほこりを吸い込まないこと。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 乾燥剤で処置すること。正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。ほこりを生じないようにすること。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
換気フードの下で作業すること。吸い込まないこと。
衛生対策
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔を洗うこと。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 11: 可燃性固体
保管条件
密閉のこと。 乾燥。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔
を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具
本推奨は、当社発行の安全データシート,に記載されている製品およびその指定の使用法のみに
適用される。溶解、他の物質との混合、およびEN374に記載の逸脱条件での使用については、
CE認証手袋のサプライヤに問い合わせのこと(例. KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, Internet:
www.kcl.de)
フルコンタクト
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:KCL 741 Dermatril® L
本推奨は、当社発行の安全データシート,に記載されている製品およびその指定の使用法のみに
適用される。溶解、他の物質との混合、およびEN374に記載の逸脱条件での使用については、
CE認証手袋のサプライヤに問い合わせのこと(例. KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, Internet:
www.kcl.de)
飛沫への接触
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:KCL 741 Dermatril® L
身体の保護
保護衣
呼吸用保護具
ほこりが生じた際に必要。
次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨します。DIN EN 143、DIN 14387お
よび使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
結晶または小葉形
白色から黄色
臭い
情報なし
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
pH=2.8:HSDB (2013)

融点・凝固点

242 ℃:ICSC(2008)

沸点、初留点及び沸騰範囲

350 ℃:ICSC (2008)

引火点

201 ℃ (密閉式): ICSC (2008)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

情報なし

燃焼又は爆発範囲

1.8 % -:ICSC (2008)

蒸気圧

1Pa (50 ℃):ICSC(2008)

蒸気密度

情報なし

比重(相対密度)

1.5997:HSDB(2013)

溶解度

200mg/L(25℃):ICSC(2008) アルコールに溶ける:HSDB(2013)

n-オクタノール/水分配係数

Log Kow=1.89:HSDB(2013)

自然発火温度

300 ℃:ICSC (2008)

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

情報なし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

通常想定される。
可燃性有機物質及び製剤に概ね該当:微細に分散し、舞い上がった場合、粉じん爆発を起こす可能性が

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

還元剤
次と激しく反応
水酸化カリウム
次との反応で爆発のおそれ

10.4 避けるべき条件

情報なし
湿気を避ける。

10.5 混触危険物質

データなし

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値として、1,960 mg/kg (NTP TR442 (1994)) の報告に基づき、区分4とした。
経皮
データ不足のため分類できない
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミスト
データ不足のため分類できない

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

ウサギを用いた試験 (OECD TG 404) で、刺激性なしと報告されている (IUCLID (2000)) ことから、区分外とした。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

ウサギを用いた試験 (OECD TG 405) で、軽度の刺激性と報告されている (IUCLID (2000)) ことから、区分2Bとした。

呼吸器感作性

呼吸器感作性:データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

皮膚感作性:データ不足のため分類できない。

生殖細胞変異原性

データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは、マウス末梢血赤血球の小核試験、チャイニーズハムスター骨髄細胞の染色体異常試験で陰性 (NTP TR442 (1994)、IUCLID (2000)、NTP DB (Access on September 2013)、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性 (NTP TR442 (1994)、IUCLID (2000)、NTP DB (Access on September 2013))、hgprt遺伝子突然変異試験で陰性である (IUCLID (2000))。

発がん性

データ不足のため分類できない。なお、ラット及びマウスに2年間混餌投与した試験において、ラットでは雄で発がん性の証拠はなく、雌で陰核腺腺腫、陰核腺の腺腫と癌腫を合わせた発生頻度の増加が認められたが、マウスでは雌雄とも発がん性の証拠はみられなかったとの報告がある (NTP TR442 (1994))。

生殖毒性

マウスを用い交尾前7日間及び98日間の同居期間中に混餌投与した連続交配試験で、受胎能及び生殖能とも用量依存的な障害を生じ、ほとんど全ての生殖指標に悪影響を及ぼした。交差交配の結果、雌の生殖系に対する影響が示された (NTP TR442 (1994)、NTIS PB90-253766 (1990))。以上の影響は、一般毒性として体重増加抑制が起きていない用量群でも認められたことから、区分1Bとした

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

ラットの急性経口毒性試験において、1,960 mg/kgを投与した群で、肝臓の髄外造血及び脾臓赤脾髄の骨髄様化生が報告されている (NTP TR442 (1994))。さらにマウスの経口投与においても類似の所見 (IUCLID (2000)) が得られている。また、芳香族ニトロ化合物投与後にメトヘモグロビン形成と造血毒性が認められ、毒性はしばしばマウスよりラットの方が強い (NTP TR442 (1994)) との報告がある。以上の知見に基づき、区分2 (血液系) とした。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラット及びマウスの13週間混餌投与試験において、区分2のガイダンス値範囲内の用量までばく露しても毒性影響はみられなかった。ただし、ラットでは区分外の高用量2,500 ppm (170 mg/kg/day) から脾臓 (うっ血、色素 (ヘモジデリン) 沈着、重量増加)、腎臓 (色素 (ヘモジデリン) 沈着、重量増加) への影響、10,000 ppm (660-680 mg/kg/day) では、加えて血液系 (メトヘモグロビン、ハインツ小体及び網状赤血球数の増加並びに赤血球数、ヘモグロビン及びヘマトクリット値の減少)、精巣 (精細管萎縮) がみられている。また、2年間の混餌投与試験では、ラットで2,500 ppm (100-125 mg/kg/day) まで、マウスで5,000 ppm (675-905 mg/kg/day) まで非腫瘍性の病変は認められなかった (NTP TR442 (1994))。したがって、経口経路では区分外相当であるが、他の経路での毒性情報がなく、データ不足のため分類できない。

吸引性呼吸器有害性

データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

データなし
藻類に対する毒性
止水式試験 - Pseudokirchneriella subcapitata - >= 82.4 mg/l - 72 h
(OECD 試験ガイドライン 201)

12.2 残留性・分解性

データなし

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

データなし

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.2 国連輸送名

IATA-DGR (航空規制): Not dangerous goods
IMDG (海上規制): Not dangerous goods
ADR/RID (陸上規制): 非危険物

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): - IMDG (海上規制): - IATA-DGR (航空規制): -

14.5 環境危険有害性

非該当
ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当

14.6 特別の安全対策

14.7 混触危険物質

国際輸送に関する国連勧告の定義上は、危険物に該当しない。
詳細情報

15. 適用法令

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
4-ブロモ-2-ニトロ安息香酸 SDS 4-ニトロフェニル酢酸 SDS 3-ニトロ安息香酸 SDS 4-ニトロベンゾニトリル SDS 3-メチル-4-ニトロ安息香酸 SDS 4-(アセチルアミノ)-3-ニトロ安息香酸 SDS 4-ニトロフタル酸無水物 SDS 3-ニトロベンゾイルクロリド SDS 3-クロロニトロベンゼン SDS 3-メチル-2-ニトロ安息香酸 SDS