アクリロニトリル/ブタジエン共重合体(33/67) 化学特性,用途語,生産方法
定義
本品は、ブタジエンとアクリロニトリルとの共重合体であり、次の化学式で表される。
解説
ニトリルゴム(NBR)はとの共重合体です。NBRはアクリロニトリルとブタジエンの組成を変えることで耐油性、耐寒性が変わり、高ニトリルNBRは耐油性が高く、低ニトリルNBRは耐寒性に優れています。
ニトリルゴムはアクリロニトリルとブタジエンのラジカル重合で製造されており、ジビニルベンゼンなどの第三のモノマーを加えて重合させることで物性を変えることも可能です。
またNBRの耐オゾン性、耐候性を向上させるため、NBRの一部を水素化させた水素化ニトリルゴムも製品化されています。水素化率を変えることで物性も変わり、例えば水素化率が高いほどムーニー粘度や溶液粘度は上昇します。
製造法
ニトリルゴムはアクリロニトリルとブタジエンを共重合させることで得られます。アクリロニトリルとブタジエンを入れて乳化させ、重合開始剤を加えることで重合させる乳化重合法で製造します。NBRはラジカル重合で得られ、重合開始剤としては過酸化物が用いられます。
図1. ニトリルゴムの製造法
ニトリルゴムは重合時のアクリロニトリル、ブタジエンモノマーの量を変えることでゴム中のモノマー組成を容易に変えることができます。また、第三のモノマーを重合時に加えることでNBRに取り込むことができます。例えば架橋剤として働くジビニルベンゼンを導入して押し出し性を向上させたり、を共重合させて強度を向上させたりしたNBRが製品化されています。
化粧品の成分用途
非水系増粘剤、皮膜形成剤
主な用途／役割
ブタジエンとアクリロニトリルとを重合させて得られる合成ゴム。布、プラスチックフィルム、紙、発泡体のようなフレキシブルなものを接着する接着剤、木材用水系高分子イソシアネート系接着剤に使用される。
化学的特性
NBR is important for its high oil and temperature resistance.
Flexibility at very low temperatures is obtained with lower
acrylonitrile content: in turn, this sacrifices some oil resistance.
Low-temperature flexibility for some applications can
be modified by plasticizers or blends. Additional properties
include resistance to heat, abrasion, and water, as well as
resistance to gas permeation. NBR is frequently plasticized
with organic phosphate, phthalic ester, or dibenzyl ether.
使用
Applications include fuel lines,
hoses, automobile parts, structural adhesives, oil-resistant
clothing or articles, gloves, and shoe soles and heels.
Gloves made of nitrile rubber are comparable to neoprene
gloves in their resistance to organic solvents; nitrile rubber
gloves were superior in resistance to II-hexane and inferior in
resistance to phenol. NBR is used for hoses, gaskets, and
protective clothing.
調製方法
NBR is produced by polymerization of acrylonitrile and
butadiene in varying proportions. The basic steps are the
emulsion polymerization techniques used for styrene–
butadiene. The process yields both “hot” and “cold” rubber.
Hot rubbers are branched and contain some cross-linked gel.
The more linear cold rubbers are slightly cross-linked by
incorporating divinyl benzene to improve processability and
compression set resistance.
水素化
ニトリルゴムは分子内に二重結合を有しており、耐オゾン性、耐候性には劣ります。これらの欠点を克服するため、NBRを水素化させて二重結合を単結合に変化させた水素化ニトリルゴムも製品化されています。
なお、ニトリルゴムにはシアノ基も含まれるため、主鎖の炭素間の二重結合のみを選択的に水素化する必要があります。例えばパラジウムなどの金属触媒などが水素化反応に用いられます。水素化ニトリルゴムは水素化された二重結合の割合によって物性が変わります。例えば水素化率が大きいほどムーニー粘度、溶液粘度は上昇します。
使用用途
ニトリルゴム(NBR)はアクリロニトリルとブタジエンの共重合体です。NBRは耐油性に優れるゴムで、自動車のや工業用のホースなどに使われています。その他、実験作業など有機溶媒を取り扱う際に用いる使い捨てにも用いられています。
ニトリルゴムはアクリロニトリルの組成を増加させることで耐油性が上がり、ブタジエン組成を増加させることで耐寒性が向上します。例えば高ニトリルNBRは石油化学業界の部品といった耐油性が求められるものに、低ニトリルNBRは航空部品や寒冷地用のパッキンなど耐寒性が求められる部品に使われます。
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