急性毒性
経口
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
なお、SIDS (2009) には、ラットのLD50値として、本物質と本物質のモノブチル化体 (CAS番号 26864-37-9、略称 MBT (EHTG)) の混合物のデータが4件記載されている。
4,439 mg/kg (OECD TG 401, 混合比率65:35)、396 mg/kg (OECD TG 401相当, 混合比率61.8:25.3, 媒体として大豆油を12.9%使用)、615 mg/kg (OECD TG 401相当, 混合比率61.8:25.3, 媒体としてポリエチレングリコールを12.9%使用)、758 mg/kg (OECD TG 401相当, 混合比率65:35) の4件であり、3件が区分4に、1件が区分外 (国連分類基準の区分5) に相当する。
経皮
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
なお、SIDS (2009) には、ラットのLD50値として、本物質と本物質のモノブチル化体 (CAS番号 26864-37-9、略称 MBT (EHTG)) の混合物のデータが2件記載されている。
> 1,000 mg/kg (OECD TG 402, 混合比率61.8:25.3, 媒体としてコーン油を12.9%使用)、777 mg/kg (OECD TG 402相当, 混合比率72:14, 媒体として大豆油を14%使用) の2件であり、1件が区分4~区分外に、1件が区分3に相当する。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外
GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
なお、SIDS (2009) には、類縁物質であるジブチルスズビス(イソオクチル=チオグリコレート) (CAS番号 25168-24-5、略称 DBT (IOTG)) のデータの記載がある。"本物質DBT (EHTG) と DBT (IOTG) は異性体であり、毒性学的には同等と考えられる" 旨の記載、及びDBT (IOTG) のラットのLC50値 (1時間、OECD TG 403相当、雌雄) として 22 mg/L (4時間換算値:5.5 mg/L) の記載があり、区分外に相当する。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 区分1
本物質のみの情報はないが、本物質とブチルスズトリス(2-エチルヘキシルチオグリコレート) の混合物 (80:20) によるウサギの皮膚刺激性試験 (OECD TG 404) で腐食性ありとの報告から、SIDSは本物質を皮膚刺激性物質としている (SIDS (2009))。 よって、区分1とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 区分2B
ウ本物質のみの情報はないが、本物質とブチルスズトリス(2-エチルヘキシルチオグリコレート) の混合物 (80:20) によるウサギの眼刺激性試験 (OECD TG 405) でごく軽度の刺激性がみられたとの報告から、SIDSは本物質を軽度の眼刺激性物質としている (SIDS (2009))。よって区分2Bとした。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 区分1
本物質とブチルスズトリス(2-エチルヘキシルチオグリコレート) の混合物 (80:20) によるモルモットの皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、OECD TG 406) で、感作性 (感作率55%) が認められ、さらにチオグリコール酸2-エチルヘキシルの皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、OECD TG 406) でも陽性であったことから、SIDSは本物質を感作性物質としている (SIDS (2009))。よって区分1とした。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (SIDS (2006))。
発がん性
GHS分類: 分類できない
ACGIHが有機スズ化合物に対し、A4に分類している (ACGIH (7th, 2001)) ため、本項は分類できないとした。
生殖毒性
GHS分類: 区分2
ラットに強制経口投与した簡易生殖発生毒性試験 (OECD TG 421) において、親動物に死亡/瀕死、体重増加抑制、肝臓・腎臓重量増加、肝細胞の空胞化などがみられた。高用量 (150 mg/kg/day) で、受胎能への影響はなかったが、児動物に生後4日までの生存率低下、及び成長抑制がみられている (SIDS (2009))。妊娠動物を用いた発生毒性試験報告はない。以上、スクリーニング試験における親動物毒性用量での児動物の生存率低下に基づき、本項は区分2とした。