急性毒性
経口
ラットLD50値は637、1850 mg/kg (以上、SIDS (2001))、1160 mg/kg (ACGIH (2001))、1200 mg/kg (環境省リスク評価 第3巻 (2004))である。 本物質は強アルカリ溶液のため、胃内部では胃液に含まれる塩酸によって中和され二塩酸塩になる。このため、経口投与の場合には、本物質及びその二塩酸塩で体内動態や毒性作用にほとんど質的な差はない(環境省リスク評価 第3巻 (2004))。GHS分類:区分4 ラットLD50値は637、1850 mg/kg (以上、SIDS (2001))、1160 mg/kg (ACGIH (2001))、1200 mg/kg (環境省リスク評価 第3巻 (2004))であり全て区分4に該当する。 本物質は強アルカリ溶液のため、胃内部では胃液に含まれる塩酸によって中和され二塩酸塩になる。このため、経口投与の場合には、本物質及びその二塩酸塩で体内動態や毒性作用にほとんど質的な差はない(環境省リスク評価 第3巻 (2004))。
経皮
ウサギのLD50値として4件のデータ[550 mg/kg(産業医学33巻4号 (1991))、560 mg/kg (SIDS (2001))、730μL/kg (換算値:655 mg/kg) (環境省リスク評価 第3巻 (2004))、657 mg/kg (ACGIH (2001)]がある。GHS分類:区分3 ウサギのLD50値として4件のデータ[550 mg/kg(産業医学33巻4号 (1991))、560 mg/kg (SIDS (2001))、730μL/kg (換算値:655 mg/kg) (環境省リスク評価 第3巻 (2004))、657 mg/kg (ACGIH (2001)]は全て区分3に該当する。
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外 GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
ラットに2000 ppm/8h(換算値:2828 ppm/4h)ばく露で死亡例はなく、4000 ppm/8h(換算値:5656 ppm/4h)で6匹中6匹の死亡の結果(ACGIH (2001))から、LD0およびLD100とも区分4に該当する。なお、本試験は飽和蒸気圧濃度の90%(14300 ppm)以下の試験であり、気体の基準値を適用した。GHS分類:区分4 ラットに2000 ppm/8h(換算値:2828 ppm/4h)ばく露で死亡例はなく、4000 ppm/8h(換算値:5656 ppm/4h)で6匹中6匹の死亡の結果(ACGIH (2001))から、LD0およびLD100とも区分4に該当するため区分4とした。なお、本試験は飽和蒸気圧濃度の90%(14300 ppm)以下の試験であり、気体の基準値を適用した。
吸入:粉じん及びミスト
ラットのLC50値は >29 mg/L/8h (換算値:>58 mg/L/4h)(SIDS (2001))である。なお、本試験は、飽和蒸気圧濃度(39 mg/L)以上で実施されたものであり、「粉塵・ミスト」の区分の基準値に従って分類した。GHS分類:区分外 ラットのLC50値は >29 mg/L/8h (換算値:>58 mg/L/4h)(SIDS (2001))に基づき、区分外とした。なお、本試験は、飽和蒸気圧濃度(39 mg/L)以上で実施されたものであり、「粉塵・ミスト」の区分の基準値に従って分類した。
皮膚腐食性及び刺激性
ウサギに本物質原液を1分間適用した試験で、適用部位に重度炎症及び壊死を生じ、筋肉に達する深い瘢痕が残る例ありとのい記載(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、また、ラットに本物質原液を24時間閉塞適用した試験で、皮膚の深部に達する壊死を生じ、14日後も壊死は見られたとの記載(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))がある。なお、pHは11.8 (5g/L水溶液)(SIDS (2001)である。GHS分類:区分1 ウサギに本物質原液を1分間適用した試験で、適用部位に重度炎症及び壊死を生じ、筋肉に達する深い瘢痕が残る例ありとのい記載(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、また、ラットに本物質原液を24時間閉塞適用した試験で、皮膚の深部に達する壊死を生じ、14日後も壊死は見られたとの記載(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))に基づき、区分1とした。なお、pHは11.8 (5g/L水溶液)(SIDS (2001)である。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
ウサギに原液を5μL適用した試験で、18-24 時間後に角膜表面に壊死を生じ、原液50μL適用した試験では1 時間後、眼粘膜の顕著な刺激作用、重度角膜混濁、数日後化膿し、8日間継続したとの報告、さらにウサギに当該物質の水溶液を適用した試験で、10%以上の濃度で壊死性炎症及び角膜混濁を伴う強い腐食性を示したとの報告(以上、NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))がある。なお、pHは11.8 (5g/L水溶液)(SIDS (2001))である。GHS分類:区分1 ウサギに原液を5μL適用した試験で、18-24 時間後に角膜表面に壊死を生じ、原液50μL適用した試験では1 時間後、眼粘膜の顕著な刺激作用、重度角膜混濁、数日後化膿し、8日間継続したとの報告、さらにウサギに当該物質の水溶液を適用した試験で、10%以上の濃度で壊死性炎症及び角膜混濁を伴う強い腐食性を示したとの報告(以上、NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))に基づき、区分1とした。なお、pHは11.8 (5g/L水溶液)(SIDS (2001))である。
呼吸器感作性
産衛学会が気道感作性物質の第2群に分類(産衛誌52巻 (2010))している。なお、ヒトへの影響として、エチレンジアミンを含むエチレンアミン類の混合物に最長4 年間職業ばく露により、35人中3人に呼吸器に対する感作がみられ、エチレンアミン類が呼吸器感作の主要原因物質であると結論されている(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))。職場でエチレンジアミンを含む低分子の化学物質に混合暴露し喘息症状を示した48 人のうち刺激性を示さない低濃度のエチレンジアミンを吸入ばく露し誘発した試験で、4 人には陽性反応がみられ、48 人の被験者全員がエチレンジアミンに対する免疫グロブリンE 抗体が確認され、エチレンジアミンに呼吸器感作作用があると結論しされている(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))。GHS分類:区分1 産衛学会が気道感作性物質の第2群に分類(産衛誌52巻 (2010))していることから、区分1とした。なお、ヒトへの影響として、エチレンジアミンを含むエチレンアミン類の混合物に最長4 年間職業ばく露により、35人中3人に呼吸器に対する感作がみられ、エチレンアミン類が呼吸器感作の主要原因物質であると結論されている(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))。職場でエチレンジアミンを含む低分子の化学物質に混合暴露し喘息症状を示した48 人のうち刺激性を示さない低濃度のエチレンジアミンを吸入
皮膚感作性
接触アレルギー物質としてContact Dermatitis (5th、2011)に掲載され、また、産衛学会で感作性物質として「皮膚:第1群」に分類(産衛誌52巻 (2010))されている。なお、モルモットのマキシマイゼーション試験で陽性率90%を示し強い感作性物質である(SIDS (2001))との報告、モルモットのビューラー試験でも惹起24時間後に陽性率50~100%を示し、感作清華あると報告されている(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))。GHS分類:区分1 接触アレルギー物質としてContact Dermatitis (5th、2011)に掲載され、また、産衛学会で感作性物質として「皮膚:第1群」に分類(産衛誌52巻 (2010))されていることから、区分1とした。なお、モルモットのマキシマイゼーション試験で陽性率90%を示し強い感作性物質である(SIDS (2001))との報告、モルモットのビューラー試験でも惹起24時間後に陽性率50~100%を示し、感作清華あると報告されている(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))。
生殖細胞変異原性
生殖細胞 in vivo変異原性試験および体細胞 in vivo変異原性試験のデータがなく、ラットの経口投与による優性致死試験(生殖細胞を用いた in vivo 経世代変異原性試験)で陰性(SIDS (2001))の結果がある。なお、エームス試験で、陰性(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、陽性(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007)、NTB DB Study ID 986505 (1980)、NTB DB Study ID 942194 (1983)、NTB DB Study ID 572096 (1984)、NTB DB Study ID 414798 (1984))、CHO細胞を用いたHGPRT試験で陰性(SIDS (2001))の報告がある。GHS分類:区分外 生殖細胞 in vivo変異原性試験および体細胞 in vivo変異原性試験のデータがなく、ラットの経口投与による優性致死試験(生殖細胞を用いた in vivo 経世代変異原性試験)で陰性(SIDS (2001))の結果に基き、、区分外とした。なお、エームス試験で、陰性(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、陽性(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007)、NTB DB Study ID 986505 (1980)、NTB DB Study ID 94219
発がん性
ACGIHでA4に分類(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、EPAでグループDに分類(IRIS (2003))されている。なお、マウスに1% エチレンジアミン水溶液25μL を週3回の割合で経皮適用した生涯ばく露試験で、発がん性は認められなかった(SIDS (2001))との報告がある。GHS分類:分類できない ACGIHでA4に分類(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、EPAでグループDに分類(IRIS (2003))されていることから、分類できないとした。なお、マウスに1% エチレンジアミン水溶液25μL を週3回の割合で経皮適用した生涯ばく露試験で、発がん性は認められなかった(SIDS (2001))との報告がある。
生殖毒性
本物質自体のデータはないが、関連物質であるエチレンジアミン二塩酸塩について、妊娠ラットの器官形成期に混餌投与した試験において、母動物が体重増加抑制、摂餌量減少を示した用量(1000 mg/kg/day)で、吸収胚が増加し、胎仔に体重減少、頭臀長減少、前腕頭動脈短縮 (または欠損) の発現数増加、胸骨非化骨化発現数の増加がみられ(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、さらに、これらの結果は、ラットに同一用量を器官形成期に強制経口投与した追加試験により確認されている(SIDS (2001))。なお、ラットに混餌投与した2 世代試験で、親動物が毒性を示した用量で、繁殖性の障害、仔に対する毒性は認められず(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、妊娠ウサギの器官形成期に経口投与した試験では胚毒性、催奇形性は見られなかった(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))と報告されている。GHS分類:区分2 本物質自体のデータはないが、関連物質であるエチレンジアミン二塩酸塩について、妊娠ラットの器官形成期に混餌投与した試験において、母動物が体重増加抑制、摂餌量減少を示した用量(1000 mg/kg/day)で、吸収胚が増加し、胎仔に体重減少、頭臀長減少、前腕頭動脈短縮 (または欠損) の発現数増加、胸骨非化骨化発現数の増加がみられ(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、さらに、これらの結果は、ラットに同一用量を器官形成期に強制経口投与した追加試験により確認されている(SIDS (2
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
ヒトへの影響として、本物質は眼、皮膚、気道に対して腐食性を示し、蒸気あるいは煙霧を吸入すると肺水腫を起こすことがあるとの記述(環境省リスク評価 第3巻 (2004))がある。なお、急性中毒の死亡例として、皮膚及び吸入ばく露 した作業者が、ばく露4 時間後から頻脈、溶血による高カリウム血症及び無尿症を伴う尿細管腎症を示し、ばく露55 時間後に虚血性心疾患により死亡したとの記述(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))があるが、一例のみの報告であり、他に裏づけとなるデータもないことから分類の根拠としなかった。GHS分類:区分1(呼吸器) ヒトへの影響として、本物質は眼、皮膚、気道に対して腐食性を示し、蒸気あるいは煙霧を吸入すると肺水腫を起こすことがあるとの記述(環境省リスク評価 第3巻 (2004))に基づき、区分1(呼吸器)とした。なお、急性中毒の死亡例として、皮膚及び吸入ばく露 した作業者が、ばく露4 時間後から頻脈、溶血による高カリウム血症及び無尿症を伴う尿細管腎症を示し、ばく露55 時間後に虚血性心疾患により死亡したとの記述(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))があるが、一例のみの報告であり、他に裏づけ
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
ラットの30日間の吸入毒性試験の0.22 mg/L/6hrs(90日換算値)以上で、脱毛、体重増加抑制、肝臓・腎臓の相対重量増加、肝細胞及び尿細管混濁腫脹、0.47 mg/L/6hrsで腎臓曲尿細管の変性、肺及び副腎うっ血の記載(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))があり、ガイダンス値区分2の範囲の毒性影響である。GHS分類:区分2(肝臓、腎臓) また、エチレンジアミン二塩酸塩をラットに90日間経口投与した試験で、100 mg/kg(エチレンジアミン換算値)で、白内障および網膜萎縮が見られた(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))。GHS分類:区分2(視覚器) ラットの30日間の吸入毒性試験の0.22 mg/L/6hrs(90日換算値)以上で、脱毛、体重増加抑制、肝臓・腎臓の相対重量増加、肝細胞及び尿細管混濁腫脹、0.47 mg/L/6hrsで腎臓曲尿細管の変性、肺及び副腎うっ血の記載(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))があり、ガイダンス値区分2の範囲の毒性影響であることから、区分2(肝臓、腎臓)とした。また、エチレンジアミン二塩酸塩をラットに90日間経口投与した試験で、100 mg/kg(エチレンジアミン換算値)で、白内障および網
吸引性呼吸器有害性
データなし。GHS分類:分類できない データなし。