安全データシート

エチレンジアミン (無水)

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: エチレンジアミン (無水)
  • CB番号: CB2127811
  • CAS: 107-15-3
  • EINECS番号: 203-468-6
  • 同義語: エチレンジアミン,エタン-1,2-ジアミン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: キレート剤・エポキシ樹脂硬化剤・殺菌剤・繊維加工剤 (防しわ剤,染料固着剤)・可塑剤・ゴム薬品合成原料;キレート化剤・繊維関係薬品(防しわ剤・界面活性剤・染料固着剤)・イオン交換樹脂・ゴム薬品原料;繊維関係,農薬原料,キレート化剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H24.3.1、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
環境に対する有害性はGHS改訂4版を使用
物理化学的危険性
引火性液体   区分3
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
急性毒性(経皮)   区分3
急性毒性(吸入:蒸気)   区分4
皮膚腐食性/刺激性   区分1
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性   区分1
呼吸器感作性   区分1
皮膚感作性   区分1
生殖毒性   区分2
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分1(呼吸器)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   区分2(肝臓、腎臓、視覚器)
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   区分2
水生環境有害性 (長期間)   区分3

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS02GHS05GHS06GHS08
注意喚起語
危険
危険有害性情報
H226 引火性液体及び蒸気。
H302 + H332 飲み込んだ場合や吸入した場合は有害。
H311 皮膚に接触すると有毒。
H314 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷。
H317 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ。
H334 吸入するとアレルギー、ぜん(喘)息又は呼吸困難を起こすおそれ。
H412 長期継続的影響によって水生生物に有害。
注意書き
安全対策
P210 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
P233 容器を密閉しておくこと。
P240 容器を接地しアースをとること。
P241 防爆型の【電気機器/換気装置/照明機器/機器】を使用すること。
P242 火花を発生させない工具を使用すること。
P243 静電気放電に対する措置を講ずること。
P261 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264 取扱い後は皮膚をよく洗うこと。
P270 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
P272 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P273 環境への放出を避けること。
P280 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P284 換気が不十分な場合、呼吸用保護具を着用すること。
応急措置
P301 + P312 + P330 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。口をすすぐこと。
P301 + P330 + P331 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
P303 + P361 + P353 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。
P304 + P340 + P310 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し,呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。
P305 + P351 + P338 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P333 + P313 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P361 + P364 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
保管
P403 + P235 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P405 施錠して保管すること。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: 1,2-Diaminoethane
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C2H8N2
  • 分子量: 60.10 g/mol
  • CAS番号: 107-15-3
  • EC番号: 203-468-6
  • 化審法官報公示番号: 2-150
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
応急措置担当者は自分が暴露しないよう、適切な防護を行う。 この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。ただちに医師の診察を受けること。 呼吸停止時はただちに人工呼吸を実施し、必要に応じて酸素も吸入する。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 直ちに医師を呼ぶ。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 ただちに眼科医の診察を受けること。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後は水を飲ませ(多くてもグラス2杯)、嘔吐を避ける(穿孔のリスクあり) 直ちに医師を呼ぶ。中和させようとしないこと。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし
適切な消火剤
水 泡 二酸化炭素(CO2) 粉末

5.2 特有の危険有害性

炭素酸化物
窒素酸化物(NOx)
可燃性。
蒸気は空気より重く、床に沿って広がることがある。
高温で空気と反応して爆発性混合物を生じる。
火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。

5.3 消防士へのアドバイス

自給式呼吸器がある場合のみ危険区域に留まってもよい。安全なゾーンまで離れるか適切な保護衣を着用して、皮膚に触れないようにすること。

5.4 詳細情報

容器を危険ゾーンから移動させて水で冷やすこと。 ガス/蒸気/ミストを水スプレージェットで抑える(除去する)。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: 蒸気、エアゾールを吸入してはならない。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 熱や発火源から遠ざける。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。 爆発のおそれ。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 液体吸収剤(例. Chemizorb® )で処置すること。 正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
換気フードの下で作業すること。吸い込まないこと。 蒸気やエアロゾルが生じないようにすること。
火災及び爆発の予防
炎、熱および発火源から遠ざける。静電気放電に対する予防措置を講ずること。
衛生対策
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔を洗うこと。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 3: 可燃性液体
保管条件
容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管する。 熱や発火源から遠ざける。 鍵をかけておくか、資格のあるまたは認可された人のみが出入りできる場所に入れておく。空気および湿気に反応する。 不活性ガス下で取り扱い、貯蔵する。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
OEL-M: 10 ppm 25 - 日本産業衛生学会 許容濃度等の勧告
TWA: 10 ppm - 米国。 ACGIH限界閾値(TLV)

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔
を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 密着性の高い安全ゴーグル
皮膚及び身体の保護具
本推奨は、当社発行の安全データシート,に記載されている製品およびその指定の使用法のみに
適用される。溶解、他の物質との混合、およびEN374に記載の逸脱条件での使用については、
CE認証手袋のサプライヤに問い合わせのこと(例. KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, Internet:
www.kcl.de)
フルコンタクト
材質: ブチルゴム
最小厚: 0.7 mm
破過時間: 480 min
試験物質:Butoject® (KCL 898)
本推奨は、当社発行の安全データシート,に記載されている製品およびその指定の使用法のみに
適用される。溶解、他の物質との混合、およびEN374に記載の逸脱条件での使用については、
CE認証手袋のサプライヤに問い合わせのこと(例. KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, Internet:
www.kcl.de)
飛沫への接触
材質: クロロプレン
最小厚: 0.65 mm
破過時間: 240 min
試験物質:KCL 720 Camapren®
身体の保護
難燃静電気保護服。
呼吸用保護具
気化ガス/エアロゾル発生時に必要 次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨し
ます。DIN EN 143、DIN 14387および使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。 爆発のおそれ。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体(Merck (14th, 2006))
無色(Merck (14th, 2006))
臭い
アンモニア様(HSDB (2010))
臭いのしきい(閾)値
データなし。
pH
11.9 @ 25 deg C (25% soln) (HSDB (2010))

融点・凝固点

8.5℃ (Merck (14th, 2006))

沸点、初留点及び沸騰範囲

116-117℃ (Merck (14th, 2006))

引火点

34℃ (CC) (ICSC (2003))

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

上限:16.6% (ICSC (2003))
下限:2.5% (ICSC (2003))

蒸気圧

12.1mmHg (25℃) (HSDB (2010))

蒸気密度

2.07 (HSDB (2010))

密度

0.898g/cm3 (Merck (14th, 2006))

溶解度

水:1000000 mg/L (Howard (1997))
アルコールに完全に溶解。エーテルに僅かに溶解。乾燥していなければベンゼンに溶解。

n-オクタノール/水分配係数

-2.04 (HSDB (2010))

自然発火温度

390℃ (Ullmanns(E) (6th, 2003))

分解温度

データなし。

粘度(粘性率)

データなし。

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

蒸気/空気混合物は、強く温めると爆発性となる。

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。
空気中の二酸化炭素(CO2)を吸収する。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

空気 湿気への暴露。
加熱

10.5 混触危険物質

アルミニウム, 鉛, マグネシウム, 亜鉛, 亜鉛合金, 銅, 銅合金, 鉄, 黄銅, ブロンズ

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値は637、1850 mg/kg (以上、SIDS (2001))、1160 mg/kg (ACGIH (2001))、1200 mg/kg (環境省リスク評価 第3巻 (2004))である。 本物質は強アルカリ溶液のため、胃内部では胃液に含まれる塩酸によって中和され二塩酸塩になる。このため、経口投与の場合には、本物質及びその二塩酸塩で体内動態や毒性作用にほとんど質的な差はない(環境省リスク評価 第3巻 (2004))。GHS分類:区分4   ラットLD50値は637、1850 mg/kg (以上、SIDS (2001))、1160 mg/kg (ACGIH (2001))、1200 mg/kg (環境省リスク評価 第3巻 (2004))であり全て区分4に該当する。 本物質は強アルカリ溶液のため、胃内部では胃液に含まれる塩酸によって中和され二塩酸塩になる。このため、経口投与の場合には、本物質及びその二塩酸塩で体内動態や毒性作用にほとんど質的な差はない(環境省リスク評価 第3巻 (2004))。
経皮
ウサギのLD50値として4件のデータ[550 mg/kg(産業医学33巻4号 (1991))、560 mg/kg (SIDS (2001))、730μL/kg (換算値:655 mg/kg) (環境省リスク評価 第3巻 (2004))、657 mg/kg (ACGIH (2001)]がある。GHS分類:区分3   ウサギのLD50値として4件のデータ[550 mg/kg(産業医学33巻4号 (1991))、560 mg/kg (SIDS (2001))、730μL/kg (換算値:655 mg/kg) (環境省リスク評価 第3巻 (2004))、657 mg/kg (ACGIH (2001)]は全て区分3に該当する。
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外   GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
ラットに2000 ppm/8h(換算値:2828 ppm/4h)ばく露で死亡例はなく、4000 ppm/8h(換算値:5656 ppm/4h)で6匹中6匹の死亡の結果(ACGIH (2001))から、LD0およびLD100とも区分4に該当する。なお、本試験は飽和蒸気圧濃度の90%(14300 ppm)以下の試験であり、気体の基準値を適用した。GHS分類:区分4   ラットに2000 ppm/8h(換算値:2828 ppm/4h)ばく露で死亡例はなく、4000 ppm/8h(換算値:5656 ppm/4h)で6匹中6匹の死亡の結果(ACGIH (2001))から、LD0およびLD100とも区分4に該当するため区分4とした。なお、本試験は飽和蒸気圧濃度の90%(14300 ppm)以下の試験であり、気体の基準値を適用した。
吸入:粉じん及びミスト
ラットのLC50値は >29 mg/L/8h (換算値:>58 mg/L/4h)(SIDS (2001))である。なお、本試験は、飽和蒸気圧濃度(39 mg/L)以上で実施されたものであり、「粉塵・ミスト」の区分の基準値に従って分類した。GHS分類:区分外   ラットのLC50値は >29 mg/L/8h (換算値:>58 mg/L/4h)(SIDS (2001))に基づき、区分外とした。なお、本試験は、飽和蒸気圧濃度(39 mg/L)以上で実施されたものであり、「粉塵・ミスト」の区分の基準値に従って分類した。

皮膚腐食性及び刺激性

ウサギに本物質原液を1分間適用した試験で、適用部位に重度炎症及び壊死を生じ、筋肉に達する深い瘢痕が残る例ありとのい記載(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、また、ラットに本物質原液を24時間閉塞適用した試験で、皮膚の深部に達する壊死を生じ、14日後も壊死は見られたとの記載(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))がある。なお、pHは11.8 (5g/L水溶液)(SIDS (2001)である。GHS分類:区分1   ウサギに本物質原液を1分間適用した試験で、適用部位に重度炎症及び壊死を生じ、筋肉に達する深い瘢痕が残る例ありとのい記載(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、また、ラットに本物質原液を24時間閉塞適用した試験で、皮膚の深部に達する壊死を生じ、14日後も壊死は見られたとの記載(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))に基づき、区分1とした。なお、pHは11.8 (5g/L水溶液)(SIDS (2001)である。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

ウサギに原液を5μL適用した試験で、18-24 時間後に角膜表面に壊死を生じ、原液50μL適用した試験では1 時間後、眼粘膜の顕著な刺激作用、重度角膜混濁、数日後化膿し、8日間継続したとの報告、さらにウサギに当該物質の水溶液を適用した試験で、10%以上の濃度で壊死性炎症及び角膜混濁を伴う強い腐食性を示したとの報告(以上、NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))がある。なお、pHは11.8 (5g/L水溶液)(SIDS (2001))である。GHS分類:区分1   ウサギに原液を5μL適用した試験で、18-24 時間後に角膜表面に壊死を生じ、原液50μL適用した試験では1 時間後、眼粘膜の顕著な刺激作用、重度角膜混濁、数日後化膿し、8日間継続したとの報告、さらにウサギに当該物質の水溶液を適用した試験で、10%以上の濃度で壊死性炎症及び角膜混濁を伴う強い腐食性を示したとの報告(以上、NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))に基づき、区分1とした。なお、pHは11.8 (5g/L水溶液)(SIDS (2001))である。

呼吸器感作性

産衛学会が気道感作性物質の第2群に分類(産衛誌52巻 (2010))している。なお、ヒトへの影響として、エチレンジアミンを含むエチレンアミン類の混合物に最長4 年間職業ばく露により、35人中3人に呼吸器に対する感作がみられ、エチレンアミン類が呼吸器感作の主要原因物質であると結論されている(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))。職場でエチレンジアミンを含む低分子の化学物質に混合暴露し喘息症状を示した48 人のうち刺激性を示さない低濃度のエチレンジアミンを吸入ばく露し誘発した試験で、4 人には陽性反応がみられ、48 人の被験者全員がエチレンジアミンに対する免疫グロブリンE 抗体が確認され、エチレンジアミンに呼吸器感作作用があると結論しされている(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))。GHS分類:区分1   産衛学会が気道感作性物質の第2群に分類(産衛誌52巻 (2010))していることから、区分1とした。なお、ヒトへの影響として、エチレンジアミンを含むエチレンアミン類の混合物に最長4 年間職業ばく露により、35人中3人に呼吸器に対する感作がみられ、エチレンアミン類が呼吸器感作の主要原因物質であると結論されている(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))。職場でエチレンジアミンを含む低分子の化学物質に混合暴露し喘息症状を示した48 人のうち刺激性を示さない低濃度のエチレンジアミンを吸入

皮膚感作性

接触アレルギー物質としてContact Dermatitis (5th、2011)に掲載され、また、産衛学会で感作性物質として「皮膚:第1群」に分類(産衛誌52巻 (2010))されている。なお、モルモットのマキシマイゼーション試験で陽性率90%を示し強い感作性物質である(SIDS (2001))との報告、モルモットのビューラー試験でも惹起24時間後に陽性率50~100%を示し、感作清華あると報告されている(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))。GHS分類:区分1   接触アレルギー物質としてContact Dermatitis (5th、2011)に掲載され、また、産衛学会で感作性物質として「皮膚:第1群」に分類(産衛誌52巻 (2010))されていることから、区分1とした。なお、モルモットのマキシマイゼーション試験で陽性率90%を示し強い感作性物質である(SIDS (2001))との報告、モルモットのビューラー試験でも惹起24時間後に陽性率50~100%を示し、感作清華あると報告されている(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))。

生殖細胞変異原性

生殖細胞 in vivo変異原性試験および体細胞 in vivo変異原性試験のデータがなく、ラットの経口投与による優性致死試験(生殖細胞を用いた in vivo 経世代変異原性試験)で陰性(SIDS (2001))の結果がある。なお、エームス試験で、陰性(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、陽性(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007)、NTB DB Study ID 986505 (1980)、NTB DB Study ID 942194 (1983)、NTB DB Study ID 572096 (1984)、NTB DB Study ID 414798 (1984))、CHO細胞を用いたHGPRT試験で陰性(SIDS (2001))の報告がある。GHS分類:区分外   生殖細胞 in vivo変異原性試験および体細胞 in vivo変異原性試験のデータがなく、ラットの経口投与による優性致死試験(生殖細胞を用いた in vivo 経世代変異原性試験)で陰性(SIDS (2001))の結果に基き、、区分外とした。なお、エームス試験で、陰性(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、陽性(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007)、NTB DB Study ID 986505 (1980)、NTB DB Study ID 94219

発がん性

ACGIHでA4に分類(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、EPAでグループDに分類(IRIS (2003))されている。なお、マウスに1% エチレンジアミン水溶液25μL を週3回の割合で経皮適用した生涯ばく露試験で、発がん性は認められなかった(SIDS (2001))との報告がある。GHS分類:分類できない   ACGIHでA4に分類(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、EPAでグループDに分類(IRIS (2003))されていることから、分類できないとした。なお、マウスに1% エチレンジアミン水溶液25μL を週3回の割合で経皮適用した生涯ばく露試験で、発がん性は認められなかった(SIDS (2001))との報告がある。

生殖毒性

本物質自体のデータはないが、関連物質であるエチレンジアミン二塩酸塩について、妊娠ラットの器官形成期に混餌投与した試験において、母動物が体重増加抑制、摂餌量減少を示した用量(1000 mg/kg/day)で、吸収胚が増加し、胎仔に体重減少、頭臀長減少、前腕頭動脈短縮 (または欠損) の発現数増加、胸骨非化骨化発現数の増加がみられ(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、さらに、これらの結果は、ラットに同一用量を器官形成期に強制経口投与した追加試験により確認されている(SIDS (2001))。なお、ラットに混餌投与した2 世代試験で、親動物が毒性を示した用量で、繁殖性の障害、仔に対する毒性は認められず(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、妊娠ウサギの器官形成期に経口投与した試験では胚毒性、催奇形性は見られなかった(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))と報告されている。GHS分類:区分2   本物質自体のデータはないが、関連物質であるエチレンジアミン二塩酸塩について、妊娠ラットの器官形成期に混餌投与した試験において、母動物が体重増加抑制、摂餌量減少を示した用量(1000 mg/kg/day)で、吸収胚が増加し、胎仔に体重減少、頭臀長減少、前腕頭動脈短縮 (または欠損) の発現数増加、胸骨非化骨化発現数の増加がみられ(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))、さらに、これらの結果は、ラットに同一用量を器官形成期に強制経口投与した追加試験により確認されている(SIDS (2

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

ヒトへの影響として、本物質は眼、皮膚、気道に対して腐食性を示し、蒸気あるいは煙霧を吸入すると肺水腫を起こすことがあるとの記述(環境省リスク評価 第3巻 (2004))がある。なお、急性中毒の死亡例として、皮膚及び吸入ばく露 した作業者が、ばく露4 時間後から頻脈、溶血による高カリウム血症及び無尿症を伴う尿細管腎症を示し、ばく露55 時間後に虚血性心疾患により死亡したとの記述(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))があるが、一例のみの報告であり、他に裏づけとなるデータもないことから分類の根拠としなかった。GHS分類:区分1(呼吸器)   ヒトへの影響として、本物質は眼、皮膚、気道に対して腐食性を示し、蒸気あるいは煙霧を吸入すると肺水腫を起こすことがあるとの記述(環境省リスク評価 第3巻 (2004))に基づき、区分1(呼吸器)とした。なお、急性中毒の死亡例として、皮膚及び吸入ばく露 した作業者が、ばく露4 時間後から頻脈、溶血による高カリウム血症及び無尿症を伴う尿細管腎症を示し、ばく露55 時間後に虚血性心疾患により死亡したとの記述(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))があるが、一例のみの報告であり、他に裏づけ

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットの30日間の吸入毒性試験の0.22 mg/L/6hrs(90日換算値)以上で、脱毛、体重増加抑制、肝臓・腎臓の相対重量増加、肝細胞及び尿細管混濁腫脹、0.47 mg/L/6hrsで腎臓曲尿細管の変性、肺及び副腎うっ血の記載(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))があり、ガイダンス値区分2の範囲の毒性影響である。GHS分類:区分2(肝臓、腎臓) また、エチレンジアミン二塩酸塩をラットに90日間経口投与した試験で、100 mg/kg(エチレンジアミン換算値)で、白内障および網膜萎縮が見られた(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))。GHS分類:区分2(視覚器)   ラットの30日間の吸入毒性試験の0.22 mg/L/6hrs(90日換算値)以上で、脱毛、体重増加抑制、肝臓・腎臓の相対重量増加、肝細胞及び尿細管混濁腫脹、0.47 mg/L/6hrsで腎臓曲尿細管の変性、肺及び副腎うっ血の記載(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, 55 (2007))があり、ガイダンス値区分2の範囲の毒性影響であることから、区分2(肝臓、腎臓)とした。また、エチレンジアミン二塩酸塩をラットに90日間経口投与した試験で、100 mg/kg(エチレンジアミン換算値)で、白内障および網

吸引性呼吸器有害性

データなし。GHS分類:分類できない   データなし。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
半静止試験 LC50 - Poecilia reticulata (グッピー) - 640 mg/l - 96 h
(指令 67/548/EEC, Annex V, C.1.)
ミジンコ等の水生無脊
止水式試験 EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 16.7 mg/l - 48 h
椎動物に対する毒性
(指令 67/548/EEC, Annex V, C.2.)
藻類に対する毒性
止水式試験 ErC50 - Pseudokirchneriella subcapitata (セレナストラム・カプ
リコルナタム) - 645 mg/l - 72 h
(指令 67/548/EEC, Annex V, C.3.)
微生物毒性
止水式試験 EC50 - バクテリア - 3.2 mg/l - 2 h
備考: (ECHA)

12.2 残留性・分解性

生分解性
好気性 - 曝露時間 28 d
結果: 95 % - 易分解性。
(理事会規則 (EC) No. 440/2008,付属書, C.4-E)

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

環境への放出を避けること。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 1604    IMDG (海上規制): 1604    IATA-DGR (航空規制): 1604

14.2 国連輸送名

ADR/RID (陸上規制): ETHYLENEDIAMINE
IMDG (海上規制): ETHYLENEDIAMINE
IATA-DGR (航空規制): Ethylenediamine

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 8 (3)    IMDG (海上規制): 8 (3)    IATA-DGR (航空規制): 8 (3)

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): II IMDG (海上規制): II IATA-DGR (航空規制): II

14.5 環境危険有害性

ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当
非該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

アルミニウム, 鉛, マグネシウム, 亜鉛, 亜鉛合金, 銅, 銅合金, 鉄, 黄銅, ブロンズ

15. 適用法令

労働安全衛生法

危険物・引火性の物
名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

第1種指定化学物質

消防法

第4類引火性液体、第二石油類水溶性液体

船舶安全法

腐食性物質

航空法

腐食性物質

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
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