安全データシート

3-クロロアニリン

改訂日:2024-05-09版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 3-クロロアニリン
  • CB番号: CB9697982
  • CAS: 108-42-9
  • 同義語: m-クロロアニリン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 染料中間体
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H18.5.24 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)、GHS分類マニュアル[H18.2.10版]を使用
物理化学的危険性
火薬類   分類対象外
可燃性・引火性ガス   分類対象外
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
支燃性・酸化性ガス類   分類対象外
高圧ガス   分類対象外
引火性液体   区分外
可燃性固体   分類対象外
自己反応性化学品   分類対象外
自然発火性液体   区分外
自然発火性固体   分類対象外
自己発熱性化学品   分類できない
水反応可燃性化学品   分類対象外
酸化性液体   分類対象外
酸化性固体   分類対象外
有機過酸化物   分類対象外
金属腐食性物質   区分外
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分3
急性毒性(経皮)   区分3
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
急性毒性(吸入:粉じん)   分類対象外
急性毒性(吸入:ミスト)   区分3
皮膚腐食性・刺激性   区分3
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分2A-2B
呼吸器感作性   分類できない
皮膚感作性   分類できない
生殖細胞変異原性   区分外
発がん性   分類できない
生殖毒性   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分1(血液系 腎臓 肝臓 心臓 中枢神経系 )
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分1(血液系 )
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分2(腎臓 肝臓 )
吸引性呼吸器有害性   分類できない
環境に対する有害性
水生環境急性有害性   区分1
水生環境慢性有害性   区分1

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS06GHS08GHS09
注意喚起語
危険
危険有害性情報
飲み込んだり皮膚に接触したり吸入すると有毒
強い眼刺激
臓器の障害: 肝臓 血液系 心臓 腎臓 中枢神経系
長期にわたる、または反復暴露による臓器の障害: 血
液系
長期にわたる、または反復暴露による臓器の障害のおそ
れ: 肝臓 腎臓
水生生物に非常に強い毒性
長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性
注意書き
[安全対策]
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
環境への放出を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護眼鏡を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。気分が悪い時は、医師に連
絡すること。汚染された衣類を直ちにすべて脱ぎ、再使用する場合には洗濯を
すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させるこ
と。医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。眼の刺激が続
く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
暴露または暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
漏出物を回収すること。
[保管]
容器を密閉して換気の良いところで保管すること。
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : 3-クロロアニリン
  • 濃度又は濃度範囲: : >99.0%(GC)
  • CAS RN: : 108-42-9
  • 化学式: : C6H6ClN
  • 官報公示整理番号 化審法: : (3)-194
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師に連絡す
ること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。医師に連絡すること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。医師に連絡すること。

飲み込んだ場合:

直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

使ってはならない消火剤:

棒状水

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
十分に換気を行う。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

環境への悪影響が懸念されるため、河川等へ排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

ウエス、乾燥砂、土、おがくずなどに吸収させて回収する。
大量の流出には盛土で囲って流出を防止する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。漏れ、あふれ、飛散しないよう注意し、みだりに蒸気を発生させない。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。蒸気やエアゾールが発生する場合には、換気、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して換気の良い冷暗所に保管する。不活性ガスを充填する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
避けるべき保管条件:
空気
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体
淡黄色
臭い
特有の臭気
pH
データなし

融点・凝固点

-10℃ : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)

沸点、初留点及び沸騰範囲

230℃ : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)

引火点

118℃(密閉式) : ICSC (2000)

自然発火温度

>540℃ : ICSC (2000)

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

1.5 - 8.8vol% (推定値) : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)

蒸気圧

0.0675mmHg (20℃) : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)

蒸気密度

相対蒸気密度:4.4(空気=1) : ICSC (J) (2000)
20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度:1.00(空気=1) : ICSC (J) (2000)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

1.216 (20/4℃) : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)

溶解度

水:5.4g/L (20℃) : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)

オクタノール・水分配係数

log Kow=1.88 : PHYSPROP Database (2005)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤, 酸

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物, 塩化水素

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットを用いた経口投与試験のLD50=256 mg/kg (環境省リスク評価第2巻 (2003)) に基づき、区分3とした。
経皮
ラットを用いた経皮投与試験のLD50=250 mg/kg (RTECS (2004)) に基づき、区分3とした。
吸入
吸入(ガス):   GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定できず、分類対象外とした。
吸入(蒸気):   データなし
吸入(ミスト):   ラットを用いた吸入ばく露試験の LC50(4時間)=0.783mg/L(150 ppmに相当) (環境省リスク評価第2巻 (2003)) は、飽和蒸気圧 9Pa (20℃) における飽和蒸気圧濃度 90 ppm よりも高い濃度であるため、ミストばく露であると考えられ、区分3とした。

皮膚腐食性・刺激性

CERI ハザードデータ集 2000-35 (2001)にて、OECDガイドラインによる皮膚刺激性試験結果の記述「24 及び48 時間後に軽度の発赤及び浮腫がみられ、72 時間以内に消失」とあることから、軽度の皮膚刺激性を示すと考えられ、区分3とした。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

CERI ハザードデータ集 2000-35 (2001)のOECDガイドラインによる眼刺激性試験の結果の記述に「可逆性の軽度の角膜病変と中等度の結膜刺激性がみられた」とあり、7日間の観察期間中に消失するか不明なので区分2A-2Bとしたが、細区分が必要な場合は、安全性の観点から2Aとした方が望ましい。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

呼吸器感作性:データなし 皮膚感作性:データなし

生殖細胞変異原性

NTP DB (Access on January 2006)の記述から、経世代変異原性試験なし、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性試験(小核試験)で陰性、であることから区分外とした。

発がん性

データなし

生殖毒性

データ不足のため分類できない

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

ヒトについては、「チアノーゼ、赤血球の5~28%にハインツ小体、錯乱、運動失調、めまい、耳鳴、見当識障害、衰弱、し眠、昏睡、心ブロック、不整脈、ショック、排尿痛、血尿、ヘモグロビン尿、腎不全」(CERIハザードデータ集 2000-35 (2001))、「肝臓や腎臓の障害」(NTP TOX43 (1998))等の記述、実験動物については、「血中メトヘモグロビン濃度の増加」(CERIハザードデータ集 2000-35 (2001))等の記述があることから、血液系、中枢神経系、心臓、腎臓、肝臓が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(血液系、中枢神経系、心臓、腎臓、肝臓)とした。

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

実験動物については、「貧血、赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値の減少、網状赤血球、メトヘモグロビン濃度、アルカリフォスファターゼ、AST の増加、チアノーゼ、腎臓と肝臓での脂肪変性」(CERIハザードデータ集2000-35 (2001))等の記述があることから、血液系、肝臓、腎臓が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、血液系への影響が区分1、肝臓、腎臓に対する影響が区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(血液系)、区分2(肝臓、腎臓)とした。

吸引性呼吸器有害性

データなし

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
96h LC50:8.8 mg/L (Oryzias latipes)
甲殻類:
48h EC50:0.49 mg/L (Daphnia magna)
藻類:
72h EC50:10 mg/L (Selenastrum capricornutum)

残留性・分解性:

1% (by BOD) , 0% (by HPLC) , 3% (by TOC)*既存化学物質安全性点検による判定結果:難分解性

生体蓄積性(BCF):

情報なし*既存化学物質安全性点検による判定結果:低濃縮性

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
2.03
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
0.2

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
焼却処理する場合には、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼却炉で焼却する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

2019

品名(国連輸送名):

Chloroanilines, liquid

国連分類:

クラス6.1(毒物)

容器等級:

海洋汚染物質:

Y

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(政令番号:1-73)

消防法

第4類 第三石油類(非水溶性)

船舶安全法

毒物類・毒物

航空法

毒物類・毒物

港則法

毒物類・毒物

化審法

(取消)優先評価化学物質

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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