安全データシート

マレイン酸 クロルフェニラミン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: マレイン酸 クロルフェニラミン
  • CB番号: CB9142008
  • CAS: 113-92-8
  • 同義語: クロルフェニラミンマレイン酸塩,dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 抗ヒスタミン剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H24.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
環境に対する有害性はGHS改訂4版を使用
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
生殖毒性   区分2
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分1(中枢神経系)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   区分1(中枢神経系、心血管系、造血系)

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS07
注意喚起語
警告
危険有害性情報
H302 飲み込むと有害。
注意書き
応急措置
P301 + P312 + P330 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。口をすすぐこと。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 分子量: 390.9 g/mol
  • CAS番号: 113-92-8
  • 化審法官報公示番号: -
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後はただちに水を飲ませること(多くても2杯) 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし

5.2 特有の危険有害性

塩化水素ガス
窒素酸化物(NOx)
炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

火災時には、自給式呼吸器を着用する。

5.4 詳細情報

ガス/蒸気/ミストを水スプレージェットで抑える(除去する)。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: ほこりを吸い込まないこと。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 乾燥剤で処置すること。正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。ほこりを生じないようにすること。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 13: 否可燃性固体
保管条件
密閉のこと。 乾燥。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚れた衣類は取り替えること。事前に皮膚を保護することが望ましい。本物質を扱った後は手を洗う
こと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具
本推奨は、当社発行の安全データシート,に記載されている製品およびその指定の使用法のみに
適用される。溶解、他の物質との混合、およびEN374に記載の逸脱条件での使用については、
CE認証手袋のサプライヤに問い合わせのこと(例. KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, Internet:
www.kcl.de)
フルコンタクト
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:KCL 741 Dermatril® L
飛沫への接触
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:KCL 741 Dermatril® L
身体の保護
保護衣
呼吸用保護具
ほこりが生じた際に必要。
次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨します。DIN EN 143、DIN 14387お
よび使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
結晶(有機化合物辞典(1985))
白色(有機化合物辞典(1985))
臭い
無臭(有機化合物辞典(1985))
臭いのしきい(閾)値
データなし。
pH
データなし。

融点・凝固点

130-135℃(Merck (14th, 2006))

沸点、初留点及び沸騰範囲

142℃(1mmHg)(HSDB (2003))

引火点

データなし。

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

データなし。

蒸気圧

0.000000000000123mmHg(25℃(est))(SRC (2011))

蒸気密度

データなし。

比重(相対密度)

データなし。

溶解度

エタノール、クロロホルムに溶解。ベンゼン、ジエチルエーテルに僅かに溶ける。(Sax (11th, 2004))
水に易溶(有機化合物辞典(1985))

n-オクタノール/水分配係数

-0.25 (est)(SRC (2011))

自然発火温度

データなし。

分解温度

データなし。

粘度(粘性率)

データなし。

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

データなし

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

情報なし

10.5 混触危険物質

強酸化剤

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値として3件のデータ(118 mg/kg、540 mg/kg、680 mg/kg(以上、NTP TR317 (1986)))が得られ、1件が区分3、2件が区分4に該当する。GHS分類:区分4   急性毒性(経口)   区分4
経皮
データなし。GHS分類:分類できない   急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外   急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
吸入:蒸気
データなし。GHS分類:分類できない   急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない   急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない

皮膚腐食性及び刺激性

データなし。GHS分類:分類できない   急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

データなし。GHS分類:分類できない   急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない

呼吸器感作性

データなし。GHS分類:分類できない   急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない

皮膚感作性

データなし。GHS分類:分類できない   急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない

生殖細胞変異原性

マウスの腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)において陰性の結果(NTP DB (1993))がある。なお、in vitro試験として、エームス試験(NTP DB (1982))およびマウスリンフォーマ試験(NTP DB (Access on May 2011))で陰性、CHO細胞を用いた染色体異常試験(NTP DB (Access on May 2011))では代謝活性を伴う場合に陽性の結果が得られている。GHS分類:区分外   生殖細胞変異原性   区分外

発がん性

ラットおよびマウスを用いた103週間経口投与試験において、投与群で体重低下、また、試験終了時に高用量群の雌ラットおよび高用量群の雄マウスで生存率の低下が認められたが、両動物種の雌雄とも発がん性の証拠は得られなかったとの報告(NTP TR317 (1986))がある。なお、雌ラットと雄マウスの高用量群で死亡率低下に伴う発がん性の検出感度の低下、および雌マウスで甲状腺濾胞細胞の嚢腫および過形成の発生率増加に見られる増殖性変化が報告されている。GHS分類:区分外   発がん性   区分外

生殖毒性

ラットを用い雄に交配前63日から交配期間を通じ、雌は交配前21日から妊娠14日または分娩後21日まで経口投与した試験で、性機能および生殖能に影響は認められなかったが、授乳期間中の死亡仔の割合が増加した(NTP TR317 (1986))。さらに、マウスの妊娠期間中に経口投与により、高用量群で100%が流産または胚吸収を起こし、それ以下の用量では妊娠末期または分娩後に顕著な仔の生存率低下が見られた(NTP TR317 (1986))。親動物の一般毒性に関する記述がない。なお、ラットおよびウサギの器官形成期に経口投与した試験では、催奇形性を含む仔の発生に対する悪影響は報告されていない(NTP TR317 (1986))。GHS分類:区分2   生殖毒性   区分2

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

本物質は抗ヒスタミン剤(H1受容体拮抗薬)として使用され、H1受容体拮抗薬は中枢神経系の興奮または抑制を起こすことが知られている(NTP TR317 (1986))。医薬品添付文書に重大な副作用として、けいれん、錯乱、その他の副作用として精神神経系に対し、鎮静、神経過敏、眠気、めまい、振戦、協調異常などが記載されている(医療用医薬品集 (2010))。また、H1受容体拮抗薬の急性中毒では中枢神経興奮が非常に危険な状態をもたらしかねず、幻覚、興奮、運動失調、協調不能、アテトーシス、痙攣の症状を示す(HSDB (2003))。なお、実験動物でもラットおよびマウスを用いた急性毒性試験における症状として、興奮、筋の振戦、運動失調、痙攣発作が報告されている(NTP TR317 (1986))。GHS分類:区分1(中枢神経系)   特定標的臓器毒性(単回暴露)   区分1(中枢神経系)

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

本物質は抗ヒスタミン剤(H1受容体拮抗薬)として使用され、H1受容体拮抗薬は中枢神経系の興奮または抑制を起こすことが知られている(NTP TR317 (1986))。医薬品添付文書で重大な副作用として、けいれん、錯乱、その他の副作用として精神神経系に対し、鎮静、神経過敏、眠気、めまい、振戦、協調異常などが記載されている(医療用医薬品集 (2010))。また、動物試験でラットおよびマウスに2、13または104週間の経口投与により、運動亢進、過剰興奮、嗜眠が見られ、高用量では死亡に加え、痙攣、振戦、協調障害が報告されている(NTP TR317 (1986))。以上の結果から標的臓器とし区分1(中枢神経系)とした。次いで、サルに104週間経口投与により、ガイダンス値区分1相当の10 mg/kg/day以上で心拍数減少および電気的収縮期の延長、15 mg/kg/dayでは不整脈および失神に加え、心不全に因る死亡が発生し(NTP TR317 (1986))、ヒトでは医薬品使用による重大な副作用として、ショック、チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、血圧低下等の症状が記載されている(医療用医薬品集 (2010))ことから、区分1(心血管系)とした。さらに、血小板減少性紫斑病、骨髄抑制、再生不良性貧血と関連性を示す症例報告があり(NTP TR317 (1986))、かつ、重大な副作用として、再生不良性貧血,無頼粒球症が記載されている(医療用医薬品集 (2010))ことから、区分1(造血系)とした。GHS分類:区分1(中枢神経系、心血管系、造血系)   特定標的臓器毒性(反復暴露)   区分1(中枢神経系、心血管系、造血系)

吸引性呼吸器有害性

データなし。GHS分類:分類できない   急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

データなし

12.2 残留性・分解性

データなし

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

非該当
オゾン層への有害性
データなし

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.2 国連輸送名

IATA-DGR (航空規制): Not dangerous goods
IMDG (海上規制): Not dangerous goods
ADR/RID (陸上規制): 非危険物

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): - IMDG (海上規制): - IATA-DGR (航空規制): -

14.5 環境危険有害性

非該当
ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当

14.6 特別の安全対策

14.7 混触危険物質

国際輸送に関する国連勧告の定義上は、危険物に該当しない。
詳細情報
強酸化剤

15. 適用法令

該当法規なし

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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