安全データシート

ペンタクロロフェノールナトリウム

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: ペンタクロロフェノールナトリウム
  • CB番号: CB5851948
  • CAS: 131-52-2
  • 同義語: ペンタクロロフェノールナトリウム

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 合成中間体
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H18.10.23 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用
物理化学的危険性
金属腐食性物質   分類できない
有機過酸化物   分類対象外
酸化性固体   区分外
酸化性液体   分類対象外
水反応可燃性化学品   区分外
自己発熱性化学品   区分外
自然発火性固体   区分外
自然発火性液体   分類対象外
自己反応性化学品   分類対象外
可燃性固体   区分外
引火性液体   分類対象外
高圧ガス   分類対象外
支燃性・酸化性ガス類   分類対象外
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
可燃性・引火性ガス   分類対象外
火薬類   分類対象外
健康に対する有害性
吸引性呼吸器有害性   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分1(皮膚 中枢神経系 腎臓 肝臓 )
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分2(中枢神経系 肺 腎臓 肝臓 心血管系 )
生殖毒性   区分2
発がん性   区分2
生殖細胞変異原性   区分外
皮膚感作性   分類できない
呼吸器感作性   分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分2A-2B
皮膚腐食性・刺激性   区分2
急性毒性(吸入:ミスト)   分類対象外
急性毒性(吸入:粉じん)   区分2
急性毒性(吸入:蒸気)   区分外
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
急性毒性(経皮)   区分2
急性毒性(経口)   区分3
環境に対する有害性
水生環境有慢性害性   区分1
水生環境急性有害性   区分1
ラベル要素
絵表示又はシンボル
GHS08GHS09GHS06
注意喚起語
危険
危険有害性情報
長期的影響により水生生物に非常に強い毒性
水生生物に非常に強い毒性
長期又は反復ばく露による肝臓、腎臓、中枢神経系、皮膚の障害
肝臓、心血管系、腎臓、中枢神経系、肺の障害のおそれ
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
発がんのおそれの疑い
強い眼刺激
皮膚刺激
吸入すると生命に危険
皮膚に接触すると生命に危険
飲み込むと有毒
注意書き
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
【廃棄】
施錠して保管すること。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
【保管】
漏出物は回収すること。
気分が悪い時は、医師の診断、手当を受けること。
ばく露又はその懸念がある場合、医師の手当、診断を受けること。
眼に入った場合、眼の刺激が持続する場合は医師の診断、手当てを受けること。
眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
吸入した場合、直ちに医師に連絡すること。
吸入した場合、被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
直ちに、すべての汚染された衣類を脱ぐこと、又は取り除くこと。
皮膚に付着した場合、皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを求めること。
皮膚に付着した場合、直ちに医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。
飲み込んだ場合、直ちに医師に連絡すること。
飲み込んだ場合、口をすすぐこと。
【応急措置】
環境への放出を避けること。
取扱い後はよく手を洗うこと。
眼、皮膚、又は衣類に付けないこと。
粉じん、ヒューム、スプレーを吸入しないこと。
適切な個人用保護具を使用すること。
適切な保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
適切な呼吸用保護具を着用すること。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
【安全対策】

3. 組成及び成分情報

  • 化学名又は一般名: ペンタクロロフェノールナトリウム
  • 分子式(分子量): C6Cl5NaO (288.32)
  • CAS番号:: 131-52-2
  • 官報公示整理番号(化審法・安衛法): 化審法-(3)-985    安衛法-4-(10)-587
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
  • 濃度又は濃度範囲: 1

4. 応急措置

吸入した場合

直ちに医師に連絡すること。
被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。

皮膚に付着した場合

汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
汚染された衣類を脱ぐこと。
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。
化学物質が除去されるまで、多量の水と石鹸で洗うこと。

目に入った場合

眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。

飲み込んだ場合

直ちに医師に連絡すること。
口をすすぐこと。

5. 火災時の措置

消火剤

水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類

使ってはならない消火剤

棒状放水

特有の危険有害性

火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。

特有の消火方法

消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。

消火を行う者の保護

適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具および緊急措置

密閉された場所に立入る前に換気する。
関係者以外の立入りを禁止する。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。

環境に対する注意事項

環境中に放出してはならない。

回収・中和

湿らせてもよい場合は、粉じんを避けるために湿らせてから掃き入れる。
漏洩物を掃き集めて密閉できる空容器に回収し、後で廃棄処理する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項
環境への放出を避けること。
取扱い後はよく手を洗うこと。
粉じん、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
皮膚と接触しないこと。
眼に入れないこと。
飲み込まないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
使用前に使用説明書を入手すること。
接触回避
データなし

保管

技術的対策
データなし
混触危険物質
『10.安定性及び反応性』を参照。
保管条件
施錠して保管すること。
容器を密閉して保管すること。
冷所、換気の良い場所で保管すること。
容器包装材料
データなし

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定

許容濃度(ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

日本産衛学会(2007年版)
未設定
ACGIH(2007年版)
未設定

設備対策

ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。

保護具

呼吸器の保護具
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具
適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
適切な保護衣を着用すること。

衛生対策

取扱い後はよく手を洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体(フレーク)
データなし
臭い
特有の臭気
pH
データなし

融点・凝固点

≧300℃(≧90%) : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし

引火点

引火せず

自然発火温度

該当なし

燃焼性(固体、ガス)

不燃性 : ICSC (1997)

爆発範囲

該当なし : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)

蒸気圧

2.7E-11mmHg(25℃)(推定値) : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

データなし

溶解度

水 33g/100mL(25℃) : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)

オクタノール・水分配係数

logPow=2.05 : PhysProp Database (2005)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

危険有害反応可能性

強力な酸化剤と反応し、火災と爆発の危険をもたらす。

避けるべき条件

粉じんの拡散

混触危険物質

強力な酸化剤

危険有害な分解生成物

加熱すると分解し、塩化水素、ダイオキシンなどの有毒で腐食性のヒュームを生じる。

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットを用いた経口投与試験のLD50値71mg/kg(EHC 71, 1987)に基づき、区分3とした。
経皮
ラットを用いた経皮投与試験のLD50値104mg/kg(EHC 71, 1987)に基づき、区分2とした。
吸入
吸入(ミスト):   ラットを用いた吸入投与試験のLC50値0.147mg/L/4H(0.294mg/L/2H)(EHC 71, 1987)に基づき、区分2とした。
吸入(粉じん):   ラットを用いた吸入投与試験のLC50値0.147mg/L/4H(0.294mg/L/2H)(EHC 71, 1987)に基づき、区分2とした。
吸入(蒸気):   本物質は蒸気圧が極めて低く(25℃で0.0000000036Pa)、蒸気ばく露は困難と考えられ、分類対象外とした。
吸入(ガス):   GHSの定義における固体。

皮膚腐食性・刺激性

ヒトの皮膚を刺激する、発赤、痛みとの記述(ICSC(J), 1997; HSDB, 2003; SITTIG, 4th, 2002)、およびEU-Annex I (Accessed in Sept. 2006)でR36/37/38(眼、呼吸器及び皮膚を刺激する)に分類されていることから、皮膚刺激性があると考え、区分2とした。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ヒトの眼を刺激する、発赤、痛みとの記述(ICSC(J), 1997; HSDB, 2003; SITTIG, 4th, 2002)、およびEU-Annex I (Accessed in Sept. 2006)でR36/37/38(眼、呼吸器及び皮膚を刺激する)に分類されていることから、眼刺激性があると考え、区分2A-2Bとした。なお、細区分は困難である。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

呼吸器感作性:データなし 皮膚感作性:データなし

生殖細胞変異原性

本物質のデータはないが、ペンタクロロフェノール(CAS No.87-86-5)の知見に基づくと(EHC 71, 1987)、不十分な検討ながら、優性致死試験陰性、マウススポット試験で影響がみられたものの有意差なし、Ames試験陰性で区分外となることから、ナトリウム塩である本物質についても区分外とした。

発がん性

EU-Annex I (Accessed in Sept. 2006)において発がん性カテゴリー3; R40(ヒトに対し発がん性の懸念を引き起こすが、証拠が限られている)に分類されていることから、区分2とした。

生殖毒性

妊娠8-19日の雌ラットへの経口混餌投与試験で、母体毒性を示す用量で胚吸収、胎児死亡、催奇形性がみられた(EHC 71, 1987)ことから、区分2とした。なお、本試験では催奇形性がみられたが、ペンタクロロフェノール(CAS No.87-86-5)の知見(EHC 71, 1987; HSG 19, 1989)では胚胎児毒性は認められるものの催奇形性はないとしている。

12. 環境影響情報

水生環境急性有害性

魚類(コイ)の96時間LC50=0.01mg/L(EHC71、1987)から、区分1とした。

水生環境慢性有害性

急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=2.05(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。

汚染容器及び包装

空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。

14. 輸送上の注意

国際規制

海上規制情報
IMOの規定に従う。
航空規制情報
ICAO/IATAの規定に従う。
UNNo.
2567
ProperShippingName.
Sodium pentachlorophenate
Class
6.1

国内規制

陸上規制情報
毒劇法の規制に従う。
海上規制情報
船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報
航空法の規定に従う。

特別安全対策

食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

緊急時応急措置指針番号

154

15. 適用法令

労働安全衛生法

名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
作業環境評価基準(法第65条の2第1項)
特定化学物質第2類物質、管理第2類物質(特定化学物質等障害予防規則第2条第1項第2,5号)

毒物及び劇物取締法

劇物(指定令第2条)(政令番号:95)

海洋汚染防止法

個品運送PP(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示)

船舶安全法

毒物類・毒物

航空法

毒物類・毒物

港則法

毒物類・毒物

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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