急性毒性
経口
ラットを用いた経口投与試験のLD50値71mg/kg(EHC 71, 1987)に基づき、区分3とした。
経皮
ラットを用いた経皮投与試験のLD50値104mg/kg(EHC 71, 1987)に基づき、区分2とした。
吸入
吸入(ミスト): ラットを用いた吸入投与試験のLC50値0.147mg/L/4H(0.294mg/L/2H)(EHC 71, 1987)に基づき、区分2とした。
吸入(粉じん): ラットを用いた吸入投与試験のLC50値0.147mg/L/4H(0.294mg/L/2H)(EHC 71, 1987)に基づき、区分2とした。
吸入(蒸気): 本物質は蒸気圧が極めて低く(25℃で0.0000000036Pa)、蒸気ばく露は困難と考えられ、分類対象外とした。
吸入(ガス): GHSの定義における固体。
皮膚腐食性・刺激性
ヒトの皮膚を刺激する、発赤、痛みとの記述(ICSC(J), 1997; HSDB, 2003; SITTIG, 4th, 2002)、およびEU-Annex I (Accessed in Sept. 2006)でR36/37/38(眼、呼吸器及び皮膚を刺激する)に分類されていることから、皮膚刺激性があると考え、区分2とした。
眼に対する重篤な損傷・刺激性
ヒトの眼を刺激する、発赤、痛みとの記述(ICSC(J), 1997; HSDB, 2003; SITTIG, 4th, 2002)、およびEU-Annex I (Accessed in Sept. 2006)でR36/37/38(眼、呼吸器及び皮膚を刺激する)に分類されていることから、眼刺激性があると考え、区分2A-2Bとした。なお、細区分は困難である。
呼吸器感作性又は皮膚感作性
呼吸器感作性:データなし 皮膚感作性:データなし
生殖細胞変異原性
本物質のデータはないが、ペンタクロロフェノール(CAS No.87-86-5)の知見に基づくと(EHC 71, 1987)、不十分な検討ながら、優性致死試験陰性、マウススポット試験で影響がみられたものの有意差なし、Ames試験陰性で区分外となることから、ナトリウム塩である本物質についても区分外とした。
発がん性
EU-Annex I (Accessed in Sept. 2006)において発がん性カテゴリー3; R40(ヒトに対し発がん性の懸念を引き起こすが、証拠が限られている)に分類されていることから、区分2とした。
生殖毒性
妊娠8-19日の雌ラットへの経口混餌投与試験で、母体毒性を示す用量で胚吸収、胎児死亡、催奇形性がみられた(EHC 71, 1987)ことから、区分2とした。なお、本試験では催奇形性がみられたが、ペンタクロロフェノール(CAS No.87-86-5)の知見(EHC 71, 1987; HSG 19, 1989)では胚胎児毒性は認められるものの催奇形性はないとしている。