安全データシート

硫酸ナトリウム

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 硫酸ナトリウム
  • CB番号: CB4100946
  • CAS: 7757-82-6
  • EINECS番号: 231-820-9
  • 同義語: 硫酸ナトリウム,無水硫酸ナトリウム

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: パルプ蒸解剤、硫化ソーダ・ガラス原料、染色助剤、合成洗剤・入浴剤配合原料、食品添加物 (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分1 (消化管)
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性   区分2B
分類実施日(環境有害性)
R1年度、分類実施中
環境に対する有害性
-

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

GHS分類基準に該当しない。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 化学特性(示性式、構造式 等): SO4.2Na
  • 分子量: 142.04 g/mol
  • CAS番号: 7757-82-6
  • EC番号: 231-820-9
  • 化審法官報公示番号: 1-501
  • 安衛法官報公示番号: 適用法令により開示が必要とされる成分はない。

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後は水を飲ませる(多くても2杯)。気分が悪い場合は医師の診察を受ける。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし
適切な消火剤
現場の状況と周辺環境に応じて適切な消火手段を用いる。

5.2 特有の危険有害性

周辺の火災で有害な蒸気を放出することがある。
不可燃性である。
酸化ナトリウム
硫黄酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

火災時には、自給式呼吸器を着用する。

5.4 詳細情報

ガス/蒸気/ミストを水スプレージェットで抑える(除去する)。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: ほこりを吸い込まないこと。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 乾燥剤で処置すること。正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。ほこりを生じないようにすること。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 13: 否可燃性固体
保管条件
密閉のこと。 乾燥。吸湿性あり

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類は替えること。本物質を扱った後は手を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具
本推奨は、当社発行の安全データシート,に記載されている製品およびその指定の使用法のみに
適用される。溶解、他の物質との混合、およびEN374に記載の逸脱条件での使用については、
CE認証手袋のサプライヤに問い合わせのこと(例. KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, Internet:
www.kcl.de)
フルコンタクト
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:KCL 741 Dermatril® L
本推奨は、当社発行の安全データシート,に記載されている製品およびその指定の使用法のみに
適用される。溶解、他の物質との混合、およびEN374に記載の逸脱条件での使用については、
CE認証手袋のサプライヤに問い合わせのこと(例. KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, Internet:
www.kcl.de)
飛沫への接触
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:KCL 741 Dermatril® L
呼吸用保護具
ほこりが生じた際に必要。
次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨します。DIN EN 143、DIN 14387お
よび使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
白色 (ICSC (2005))
臭い
無臭 (HSDB (Access on August 2019))

融点/凝固点

884℃ (HSDB (Access on August 2019))

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし

可燃性

不燃性 (ICSC (2005))

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

該当しない

引火点

該当しない

自然発火点

該当しない

分解温度

> 890℃ (GESTIS (Access on August 2019))

pH

9.0 (5%溶液) (HSDB (Access on August 2019))

動粘性率

該当しない

溶解度

水:170 g/L (20℃) (GESTIS (Access on August 2019)) グリセリンに可溶、アルコールに不溶 (HSDB (Access on August 2019))

n-オクタノール/水分配係数

log Kow = -4.38 (EST) (HSDB (Access on August 2019))

蒸気圧

データなし

密度及び/又は相対密度

2.70 g/cm3 (20℃) (GESTIS (Access on August 2019))

相対ガス密度

該当しない

粒子特性

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

データなし

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。
標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

アルミニウム
との反応
臭う
次との反応で爆発のおそれ

10.4 避けるべき条件

情報なし

10.5 混触危険物質

データなし

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
【分類根拠】 (1) より、区分に該当しない。
【根拠データ】 (1) ラットのLD50: > 10,000 mg/kg (SIDS (2006))
経皮
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

【分類根拠】 (1) 、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) OECD TG 404に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で非刺激性 (Not irritating) と判定されている (SIDS (2006)、REACH登録情報 (Access on September 2019))。 (2) 本物質は皮膚刺激性を示さず、眼に対して軽度の刺激性を示す。また、感作性はほとんどない (SIDS (2006))。
【参考データ等】 (3) 61人のボランティアのうち、1人に刺激性を認めたのみと報告されているが、妥当性の検証は行われていない (SIDS (2006))。 (4) 本物質の10%液はヒトのパッチテストで19人のボランティアのうち、1人に軽度刺激性を認めた (SIDS (2006)、ATSDR (2012)。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2Bとした。
【根拠データ】 (1) OECD TG 405に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で軽度刺激性と判定されており、全ての所見は7日後以内に回復した (SIDS (2006)、REACH登録情報 (Access on September 2019))。 (2) 本物質は皮膚刺激性を示さず、眼に対して軽度の刺激性を示す。また、感作性はほとんどない (SIDS (2006))。

呼吸器感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

【分類根拠】 (1) 、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) のOECD TG 406において、皮膚反応は認められず陰性と結論されている (REACH登録情報 (Accessed on September、2019))。 (2) 本物質は皮膚刺激性を示さず,眼に対して軽度の刺激性を示す。また、感作性はほとんどない (SIDS (2006))。
【参考データ等】 (3) 61人のボランティアによるhuman repeated insult skin sensitisation test において、1人に刺激性を認めたのみと報告されているが、妥当性の検証は行われていない (SIDS (2006)、REACH登録情報 (Accessed on September (2019))。

生殖細胞変異原性

【分類根拠】 本物質のin vivoデータはないものの、証拠の重み付け (WoE) に基づき、(1) より、本物質はガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。
【根拠データ】 (1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性の報告がある (SIDS (2006)、食品安全委員会 添加物評価書 (2013)_硫酸カリウム)。食品安全委員会による評価では、硫酸のカリウム塩を被験物質とした試験においていずれも陰性の結果が得られていることから、総合的な判断として、添加物「硫酸カリウム (CAS番号 7778-80-5)」は生体にとって特段問題となる遺伝毒性はないと結論付けられている。

発がん性

【分類根拠】 テータ不足のため分類できない。

生殖毒性

【分類根拠】 (1)、(2) のように発生影響についてわずかな情報が得られたのみで、性機能・生殖能に関するデータがないことからデータ不足で分類できないとした。
【参考データ等】 (1) 雌マウスの妊娠8~12日に極めて大用量 (2,800 mg/kg/day) を強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に異常はみられず、催奇形性等はみられていない。なお、児動物に生後1日での体重の高値がみられたが生後3日には差はみられていない (SIDS (2006))。 (2) 雌マウスの妊娠8日あるいは9日に1用量 (60 mg/kg) を単回皮下注射した発生毒性試験において、母動物に体重増加がみられ、胎児に骨化遅延がみられた (SIDS (2006))。

特定標的臓器毒性 (単回ばく露)

【分類根拠】 (1) より、区分1 (消化管) とした。
【根拠データ】 (1) ヒトにおいて医療目的で緩下剤として約300 mg/kg、最大限20 gの用量で経口投与により使用されたが、激しい下痢と腹部疝痛を生じるために、使用されなくなりつつある (SIDS (2006))。

特定標的臓器毒性 (反復ばく露)

【分類根拠】 (1)、(2) より、吸入及び経口経路について区分に該当しない。
【根拠データ】 (1) 本物質の粉じんに2ヵ月~31年間ばく露された男性作業者119名を対象とした横断研究において、全例の尿中から本物質が2.2 g/Lを超える濃度で検出され、30%の作業者で3 g/dayを超える無機硫酸塩排泄がみられた。作業者への粉じんばく露で唯一みられた症状は鼻の刺激と鼻水であった (SIDS (2006))。 (2) 雄ラットを用いた4週間混餌投与試験で、最高用量の約2,000 mg/kg/dayまで毒性影響はみられなかった (SIDS (2006))。

誤えん有害性*

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
止水式試験 LC50 - Pimephales promelas (ファットヘッドミノウ) - 7,960
mg/l - 96 h
(US-EPA)
ミジンコ等の水生無脊
止水式試験 EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 1,766 mg/l - 48 h
椎動物に対する毒性
(US-EPA)
藻類に対する毒性
止水式試験 EC50 - Nitzschia sp. - 1,900 mg/l - 120 h
備考: (ECHA)
微生物毒性
最大無影響濃度 - 活性汚泥 - 約 8 mg/l - 37 Days
備考: (ECHA)

12.2 残留性・分解性

生分解性の判定方法は無機物質には適用されない。

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

環境への放出は必ず避けなければならない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.2 国連輸送名

ADR/RID (陸上規制): 非危険物
IMDG (海上規制): Not dangerous goods
IATA-DGR (航空規制): Not dangerous goods

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): - IMDG (海上規制): - IATA-DGR (航空規制): -

14.5 環境危険有害性

非該当
ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当

14.6 特別の安全対策

14.7 混触危険物質

国際輸送に関する国連勧告の定義上は、危険物に該当しない。
詳細情報

15. 適用法令

労働安全衛生法

該当しない

化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)

該当しない

毒物及び劇物取締法

該当しない

海洋汚染防止法

有害液体物質(Z類物質)(施行令別表第1)【157 硫酸ナトリウム溶液】

水道法

有害物質(法第4条第2項)、水質基準(平15省令101号)【36 ナトリウム及びその化合物】

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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