安全データシート

エストロン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: エストロン
  • CB番号: CB5741416
  • CAS: 53-16-7
  • 同義語: エストロン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 医薬(卵胞ホルモン)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
GHS改訂4版を使用
H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)   区分1 (血液凝固系、神経系、胆嚢)
生殖毒性   区分1A
発がん性   区分1A
分類実施日(環境有害性)
H29年度 分類実施中
環境に対する有害性
分類実施中

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS08
注意喚起語
危険
危険有害性情報
生殖能または胎児への悪影響のおそれ
発がんのおそれ
注意書き
[安全対策]
使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
暴露または暴露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
[保管]
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : エストロン
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(HPLC)
  • CAS RN: : 53-16-7
  • 化学式: : C18H22O2
  • 官報公示整理番号 化審法: : (9)-2145
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

手当てを受けること。
空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師の診断、

皮膚に付着した場合:

洗うこと。医師の診断、手当てを受けること。
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で

目に入った場合:

て洗うこと。医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し

飲み込んだ場合:

医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

る。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
個人用保護具を着用する。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。
粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
あらゆる接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵・防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
白色の結晶又は白色~乳白色の結晶性粉末 (HSDB (2017))
臭い
無臭 (HSDB (2017))
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
情報なし

融点・凝固点

260.2℃ (HSDB (2017))

沸点、初留点及び沸騰範囲

154℃ (Howard (1997))

引火点

情報なし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

可燃性 (HSDB (2017))

燃焼又は爆発範囲

情報なし

蒸気圧

2.49×10-10 mmHg (25℃) [換算値 3.32×10-8 Pa (25℃)] (HSDB (2017))

蒸気密度

情報なし

比重(相対密度)

情報なし

溶解度

水:0.003 g/100 mL (25℃) (HSDB (2017)) エタノール、エチルエーテル、ベンゼンにわずかに溶解。アセトン、ジオキサンに可溶 (HSDB (2017))

n-オクタノール/水分配係数

3.13 (Howard (1997))

自然発火温度

情報なし

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

情報なし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素

11. 有害性情報

急性毒性

経口
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
経皮
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

呼吸器感作性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

生殖細胞変異原性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

発がん性

GHS分類: 区分1A 本物質 (別名: エストロン) はエストロゲンの一種であり、閉経後の女性の治療等に用いられる (医療用医薬品集2017 (2016)、HSDB (Access on August 2017))。ヒトでは、本物質単独ではないが、結合型エストロゲン (エストロン硫酸エステルナトリウム、エクイリン硫酸エステルナトリウム、17α-ジヒドロエクイリン硫酸エステルナトリウムの配合剤) を子宮摘出患者に対して投薬した場合や、結合型エストロゲンと黄体ホルモンを併用した女性が乳がんになる危険性が有意に上昇するとの報告がある (医療用医薬品集2017 (2016))。女性ホルモン製剤による閉経後エストロゲン療法では乳がん、子宮内膜がんのリスクの上昇が複数のコホート研究、症例対象研究で報告されており、IARCは閉経後エストロゲン療法に対しグループ1に分類している (IARC 72 (1999))。実験動物では本物質を去勢雄マウスに飲水又は混餌投与、無処置雄マウスに経皮投与又は皮下/筋肉内投与、去勢雄ラット又は卵巣摘出雌ラットに皮下/筋肉内投与した各試験において、乳腺腫瘍がいずれも高頻度に認められた (IARC 21 (1979)、IARC 72 (1999))。また、無処置雌雄ラットに皮下投与した試験で乳腺腫瘍に加えて、下垂体腫瘍が全例にみられ、去勢雄ハムスターに皮下/筋肉内投与した試験では腎臓の悪性腫瘍と下垂体腺腫がみられた (IARC 21 (1979)、IARC 72 (1999))。IARCはエストラジオールと本物質は実験動物で発がん性の十分な証拠があるとしている (IARC 72 (1999))。以上より、本項は区分1Aとした。

生殖毒性

GHS分類: 区分1A 本物質 (別名: エストロン) はエストロゲンの一種であり、閉経後の女性の治療等に用いられる (医療用医薬品集2017 (2016)、(HSDB (Access on August 2017))。 ヒトでは、本物質単独ではないが、結合型エストロゲン (エストロン硫酸エステルナトリウム、エクイリン硫酸エステルナトリウム、17α-ジヒドロエクイリン硫酸エステルナトリウムの配合剤) は妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 (妊婦・産婦・授乳婦) に対しては、安全性が確立されていないため禁忌とされている (医療用医薬品集2017 (2016))。実験動物では、妊娠ラットの妊娠早期 (受精卵着床前) に0.02 mg/匹、又は妊娠1~7日に0.0175 mg/kg/day を皮下投与した結果、妊娠が途絶したとの報告、妊娠ラットに0.02~0.05 mg/kg/day を妊娠2~4日に皮下投与した結果、用量依存的な受胎率の減少がみられたとの報告、妊娠ラットに0.4 mg/kg を妊娠8~11日のいずれかの日に単回皮下投与した結果、生存胎児数の顕著な減少及び分娩遅延がみられたとの報告、及び妊娠ラットに0.14 mg/kg を妊娠6~10日のいずれかの日に単回皮下投与した結果、着床数の減少、死亡胎児数の増加、胎児の成長異常がみられたとの報告がある (IARC 21 (1979))。この他、妊娠マウスに0.1ないし0.2 mg/匹を妊娠11~16日に皮下投与した試験では口蓋裂の発生頻度増加 (12.4% vs 1.1% (対照群)) がみられたとの報告がある (IARC 21 (1979))。 以上、ヒトで本物質を含む合剤が妊婦等に対して禁忌とされており、動物実験で妊娠不成立、受胎率低下、胎児毒性、奇形など重大な生殖発生影響が生じることから、本項は区分1Aとした。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

GHS分類: 区分1 (血液凝固系、神経系、胆嚢) 本物質 (別名: エストロン) はエストロゲンの一種であり、閉経後の女性の治療等に用いられる (医療用医薬品集2017 (2016)、(HSDB (Access on August 2017))。 ヒトについて、本物質単独ではないが、結合型エストロゲン (エストロン硫酸エステルナトリウム、エクイリン硫酸エステルナトリウム、17α-ジヒドロエクイリン硫酸エステルナトリウムの配合剤) の重篤な副作用として、血栓症あるいは血栓塞栓症 (四肢、肺、心、脳、網膜等) が現れることがあるとの記載がある (医療用医薬品集2017 (2016))。また、ホルモン補充療法 (HRT) と冠動脈性心疾患の危険性、脳卒中の危険性及び認知症の危険性、胆嚢疾患危険性についての報告があり、結合型エストロゲンと黄体ホルモンの配合財によるHRTでは、冠動脈性心疾患、脳卒中、アルツハイマーを含む認知症、胆嚢疾患危険性が有意に高くなるとの報告があり、並行して行われた子宮摘出者に結合型エストロゲン投与では、脳卒中 (主として脳梗塞) 及び胆嚢疾患の危険性が有意に高く、アルツハイマーを含む認知症の危険性が高い傾向がみられている (医療用医薬品集2017 (2016))。 以上、ヒトについて血栓症あるいは血栓塞栓症のほか、神経系、胆嚢への影響がみられていることから区分1 (血液凝固系、神経系、胆嚢) とした。

吸引性呼吸器有害性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
3.38
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
3.8 x 10-5

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
却炉で焼却する。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
地方条例や国内規制に従う。
適切な保護具を着用する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

該当なし。

国連分類:

国連の分類基準に該当せず。

輸送の特定の安全対策及び条件:

積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。
運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように

15. 適用法令

法規制なし

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
3-メトキシ-エストラ-1,3,5(10)-トリエン-17-オン SDS 4-クロロフェニル4-クロロベンゼンスルホナート SDS エストロン SDS