安全データシート

ベンゼンスルホニルクロリド

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: ベンゼンスルホニルクロリド
  • CB番号: CB6854744
  • CAS: 98-09-9
  • EINECS番号: 202-636-6
  • 同義語: ベンゼンスルホニルクロリド

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: ベンゼンスルホニル化剤および第一、第二、第三アミン類のヒンスベルク(Hinsberg)分離に用る。
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H22.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用
物理化学的危険性
火薬類   分類対象外
可燃性・引火性ガス   分類対象外
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
支燃性・酸化性ガス類   分類対象外
高圧ガス   分類対象外
引火性液体   区分外
可燃性固体   分類対象外
自己反応性化学品   分類できない
自然発火性液体   区分外
自然発火性固体   分類対象外
自己発熱性化学品   分類できない
水反応可燃性化学品   分類対象外
酸化性液体   分類できない
酸化性固体   分類対象外
有機過酸化物   分類対象外
金属腐食性物質   分類できない
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
急性毒性(経皮)   分類できない
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
吸引性呼吸器有害性   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分2(全身毒性)
生殖毒性   分類できない
発がん性   分類できない
生殖細胞変異原性   分類できない
皮膚感作性   分類できない
呼吸器感作性   分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分1
皮膚腐食性・刺激性   区分1
急性毒性(吸入:ミスト)   分類できない
急性毒性(吸入:粉じん)   分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
環境に対する有害性
水生環境慢性有害性   分類できない
水生環境急性有害性   分類できない

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS05GHS07
注意喚起語
危険
危険有害性情報
H402 水生生物に有害。
H314 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷。
H302 飲み込むと有害。
注意書き
安全対策
P280 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P273 環境への放出を避けること。
P270 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P264 取扱い後は皮膚をよく洗うこと。
応急措置
P301 + P312 + P330 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。口をすすぐこと。
P301 + P330 + P331 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
P303 + P361 + P353 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。
P305 + P351 + P338 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P363 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
保管
P405 施錠して保管すること。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C6H5ClO2S
  • 分子量: 176.62 g/mol
  • CAS番号: 98-09-9
  • EC番号: 202-636-6
  • 化審法官報公示番号: 3-1893
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
応急措置担当者は自分が暴露しないよう、適切な防護を行う。 この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。ただちに医師の診察を受けること。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 直ちに医師を呼ぶ。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 ただちに眼科医の診察を受けること。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後は水を飲ませ(多くてもグラス2杯)、嘔吐を避ける(穿孔のリスクあり) 直ちに医師を呼ぶ。中和させようとしないこと。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

データなし

5.2 特有の危険有害性

分解生成物の本質は不明である。
可燃性。
蒸気は空気より重く、床に沿って広がることがある。
高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる
火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。

5.3 消防士へのアドバイス

自給式呼吸器がある場合のみ危険区域に留まってもよい。安全なゾーンまで離れるか適切な保護衣を着用して、皮膚に触れないようにすること。

5.4 詳細情報

ガス/蒸気/ミストを水スプレージェットで抑える(除去する)。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: 蒸気、エアゾールを吸入してはならない。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 液体吸収剤(例. Chemizorb® )で処置すること。 正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 8A: 可燃性、腐食性危険物
保管条件
密閉のこと。湿気に反応する。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔
を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 密着性の高い安全ゴーグル
身体の保護
保護衣
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体
無色
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

14.5℃ : Ullmanns(E) (6th, 2003)

沸点、初留点及び沸騰範囲

251~252℃ (decomp) : Merck (14th, 2006)

引火点

119℃ : ホンメル (1996)

自然発火温度

460℃ : ホンメル (1996)

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

0.068mmHg (25℃ (est)) : HSDB (2003)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

1.347g/cm3 : Lide (88th, 2008)

溶解度

176mg/L (25℃) (est) : Howard (1997)
ジエチルエーテル、エタノールに可溶: Gangolli (2nd, 1999)

オクタノール・水分配係数

log Pow = 2.94 (est) : Howard (1997)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる
引火点より下のおよそ15ケルビンからの範囲は危険とみなされている。

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

次と激しく反応
アルコール類
アミド類
アミン
ジメチルスルホキシド
塩基
フェノール
酸化剤

10.4 避けるべき条件

湿気を避ける。
強力な熱

10.5 混触危険物質

データなし

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値1960mg/kg(IUCLID (2000))および1860mg/kg(IUCLID (2000))に基づき、区分4とした。
経皮
データなし
吸入
吸入(ガス):   GHSの定義における液体である。
吸入(蒸気):   データなし
吸入(粉じん・ミスト):   ラットのLCLo >1.87 mg/L/1h (>0.46 mg/L/4h)(IUCLID (2000))であるが、この結果から区分を特定できないので分類できない。なお、飽和蒸気圧濃度(0.64mg/L)以上で実施された試験である。

皮膚腐食性・刺激性

ウサギを用いた試験で腐食性(corrosive)の結果(IUCLID (2000))に基づき、区分1とした。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギを用いた試験で重度の刺激性(highly irritating )との結果(IUCLID (2000))、および皮膚にも腐食性を示すことから、区分1とした。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:モルモットのマキシマイゼーション試験(Maximization test)で感作性あり(sensitizing)と報告されている(IUCLID (2000))が、List 2のデータであり、感作率等の記載がないので、「分類できない」とした。
呼吸器感作性:データなし

生殖細胞変異原性

in vivoの試験データがなく分類できない。なお、in vitro の試験ではAmes test で陰性結果(IUCLID (2000))が得られている。

発がん性

データなし

生殖毒性

データなし

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

3人の作業者が皮膚および粘膜との接触により皮膚の熱傷や浮腫形成など強い刺激と肝障害を示し、うち2人が生命の危険を伴う非常に重度のショックを経験し、即時型アレルギー反応が疑われた(HSDB (2008)、IUCLID (2000))とあるが、List 2の情報であり、標的臓器を特定できないので、区分2(全身毒性)とした。一方、腐食性物質の局所影響と考えられるが、胃や食道の熱傷の発生率が偶然に経口摂取した子供で5~35%、意図的な摂取した成人では40~95%と述べられている(HSDB (2008))。

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

ラットに経口または吸入による反復ばく露特有の影響として、肝臓、肺、甲状腺および中枢神経系に対する障害があるとの記載((HSDB (2003)))があるが、根拠となる試験内容に言及されていないので分類できない。

吸引性呼吸器有害性

データなし

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

データなし
ミジンコ等の水生無脊
止水式試験 EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 41.61 mg/l - 48 h
椎動物に対する毒性
(OECD 試験ガイドライン 202)
藻類に対する毒性
止水式試験 ErC50 - Pseudokirchneriella subcapitata (緑藻) - > 98.9 mg/l - 72
h
(OECD 試験ガイドライン 201)

12.2 残留性・分解性

生分解性
好気性 - 曝露時間 29 d
結果: 92 % - 易分解性。
(OECD テスト ガイドライン 301B)

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

データなし

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 2225    IMDG (海上規制): 2225    IATA-DGR (航空規制): 2225

14.2 国連輸送名

IATA-DGR (航空規制): Benzenesulphonyl chloride
IMDG (海上規制): BENZENESULPHONYL CHLORIDE
ADR/RID (陸上規制): BENZENESULPHONYL CHLORIDE

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 8    IMDG (海上規制): 8    IATA-DGR (航空規制): 8

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): III IMDG (海上規制): III IATA-DGR (航空規制): III

14.5 環境危険有害性

非該当
ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

15. 適用法令

毒物及び劇物取締法

毒物(指定令第1条) 塩化ベンゼンスルホニル及びこれを含有する製剤(政令番号:2-3)

海洋汚染防止法

有害液体物質(Z類物質)(施行令別表第1)

消防法

第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1)

船舶安全法

腐食性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

腐食性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)

港則法

危険物・腐食性物質(法第21条2、則第12条、昭和54告示547別表二ロ)

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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