安全データシート

硝酸カルシウム

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 硝酸カルシウム
  • CB番号: CB4315083
  • CAS: 10124-37-5
  • 同義語: 硝酸カルシウム

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 主たる用途は肥料、花火、冷媒用剤、染色加工剤である。(混触危険Hb(第2版))
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H23.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
物理化学的危険性
酸化性固体   区分3
健康に対する有害性
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分1(血液)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分1(血液)
環境に対する有害性
注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。
水生環境慢性有害性   区分外
水生環境急性有害性   区分外
ラベル要素
絵表示又はシンボル
GHS07
注意喚起語
危険
危険有害性情報
長期にわたるまたは反復ばく露による血液の障害
血液の障害
火災助長のおそれ;酸化性物質
注意書き
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
【廃棄】
施錠して保管すること。
【保管】
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
ばく露した場合:医師に連絡すること。
火災の場合には適切な消火方法をとること。
【応急措置】
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと
取扱後は手をよく洗うこと。
粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
適切な保護手袋、保護面を着用すること。
裸火または他の着火源に噴霧しないこと。
衣類、その他の可燃物から遠ざけること。
熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。
【安全対策】

3. 組成及び成分情報

  • 化学名又は一般名: 硝酸カルシウム
  • 別名: 硝酸石灰、(Calcium dinitrate)、(Calcium(Ⅱ) nitrate)、(Nitric acid, calcium salt)
  • 分子式 (分子量): CaN2O6(164.09)
  • CAS番号: 10124-37-5
  • 官報公示整理番号(化審法・安衛法): (1)-188
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
  • 濃度又は濃度範囲: 100%

4. 応急措置

吸入した場合

気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。

皮膚に付着した場合

皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
水と石鹸で洗うこと。

眼に入った場合

眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。

飲み込んだ場合

気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
口をすすぐこと。

予想される急性症状及び遅発性症状

経口摂取 : 腹痛、紫色(チアノ-ゼ)の唇や爪、紫色(チアノ-ゼ)の皮膚、痙攣、下痢、めまい、嘔吐、脱力感。
眼 : 発赤、痛み。
皮膚 : 発赤。
吸入 : 咳、頭痛、咽頭痛。
「経口摂取」参照。

最も重要な兆候及び症状

データなし

応急措置をする者の保護

データなし

医師に対する特別注意事項

データなし

5. 火災時の措置

消火剤

水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤(水素化炭酸塩を除く)、乾燥砂類

使ってはならない消火剤

データなし。

特有の危険有害性

火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。
熱及び不純物の混入により爆発するおそれがある。
火災に巻き込まれると、燃焼を加速する。
可燃物(木、紙、油、布等)を発火させるおそれがある。
それ自身は燃えないが、支燃性である。

特有の消火方法

容器が熱に晒されているときは、移動しない。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。

消火を行う者の保護

適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具および緊急措置

密閉された場所に立入る前に換気する。
関係者以外の立入りを禁止する。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
作業者は適切な保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。

環境に対する注意事項

環境に放出しないこと。

回収・中和

漏洩物を掃き集めて空容器に回収し、後で廃棄処理する。

封じ込め及び浄化方法・機材

水で湿らせ、空気中のダストを減らし分散を防ぐ。

二次災害の防止策

プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
消防法の規定に従う。
局所排気・全体換気
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと
取扱後は手をよく洗うこと。
粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
適切な保護手袋、保護面を着用すること。
裸火または他の着火源に噴霧しないこと。
衣類、その他の可燃物から遠ざけること。
熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。
接触回避
10項に示す混触危険物質との接触を回避する。

保管

技術的対策
消防法の規定に従う。
保管条件
施錠して保管すること。
容器包装材料
データなし。

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定

許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

日本産衛学会
未設定
ACGIH
未設定

設備対策

ばく露を防止するため、作業場には適切な全体換気装置、局所排気装置を設置すること。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には,適切な洗眼器と安全シャワーを設置すること。

保護具

呼吸器の保護具
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具
適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
適切な保護衣を着用すること。

衛生対策

取扱い後はよく手を洗うこと。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
潮解性の固体 : ホンメル(1996)
データなし
臭い
データなし
pH
5% aq soln 6.0 : Merk(14th, 2006)No.1682

融点・凝固点

~560 ℃ : Merk(14th, 2006)No.1682

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし

引火点

データなし

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

データなし

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

2.36(水=1) : ホンメル(1996)

溶解度

メタノール、エタノール、アセトンと混和 : Merk(14th, 2006)No.1682
121.2/100mL : ICSC(2003)

オクタノール・水分配係数

データなし

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

危険有害反応可能性

強力な酸化剤で、可燃性物質や還元性物質と反応する。

避けるべき条件

データなし

混触危険物質

可燃性物質や還元性物質

危険有害な分解生成物

データなし

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値 9285 mg/kg bw(IUCLID (2000))。(GHS分類:区分外)
経皮
本物質を81~93 %含有する試験物質10000 mg/animal「(動物体重200 g、純度81%として1.6 g/kg相当)」をラットに4時間適用し、毒性症状なし(IUCLID (2000))。(GHS分類:データ不十分のため分類できない)
吸入
吸入(粉じん・ミスト):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(蒸気):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(ガス):   GHS定義による固体である。(GHS分類:分類対象外)

皮膚腐食性・刺激性

動物試験のデータはなく、ヒトでは6人の農夫が肥料(硝酸カルシウム)と接触後に腐食性の傷害を生じたが、肥料の組成、濃度、ばく露時間など本物質に関する情報はない(IUCLID (2000))。(GHS分類:データ不足で分類できない)

眼に対する重篤な損傷・刺激性

データなし。(GHS分類:分類できない)

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖細胞変異原性

in vitro変異原性試験として大腸菌を用いたDNA損傷修復試験で陰性の報告(IUCLID(2000))がある。(GHS分類:in vivo試験のデータがないため分類できない)

発がん性

データなし。なお、IARC(IARC Vol.94(2010))は食物中、飲水中の硝酸塩のヒトでの発がん性は不確実な証拠であるとしている。そのうえで経口摂取による硝酸塩または亜硝酸塩が生体内でニトロソ化される条件での発がん性を2Aと評価している。IARCの総合評価には、「ヒトの体内では硝酸塩と亜硝酸塩の変換が起こること。消化管の酸性条件では亜硝酸塩から生ずるニトロソ化物が二級アミン、アミドなど特にニトロソ化されやすい物質とともに直ちにN-ニトロソ化合物に変化する。硝酸塩、亜硝酸塩、ニトロソ化物の追加摂取により、これらのニトロソ化条件はさらに促進される。ある種のN-ニトロソ化合物はこれらの条件下で既知の発がん性物質を形成することがある。」との追加記載がある。(GHS分類:分類できない)

生殖毒性

データなし(GHS分類:分類できない)

12. 環境影響情報

生態毒性

水生環境有害性(急性有害性)
魚類(ブルーギル)での96時間LC50=2400(AQUIRE, 2010)である。(GHS分類:区分外)
水生環境有害性(長期間有害性)
難水溶性でなく(Very soluble in water, Merck 14th, 2006)、急性毒性が低い。 (GHS分類:区分外)

オゾン層への有害性

当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。(GHS分類:分類できない)

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。

汚染容器及び包装

空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。

14. 輸送上の注意

該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。

国連番号
1454
品名
硝酸カルシウム
Proper Shipping Name
CALCIUM NITRATE
クラス
5.1
PG
海洋汚染物質
非該当
MARPOL73/78附属書Ⅱ及びIBCコードによるバラ積み輸送される液体物質
Z類

国際規制

海上規制情報
IMOの規定に従う。

国際規制

航空規制情報
ICAO・IATAの規定に従う。

国内規制

陸上規制情報
消防法の規定に従う。
海上規制情報
船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報
航空法の規定に従う。

特別安全対策

重量物を上積みしない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

緊急時応急措置指針番号

140

15. 適用法令

労働安全衛生法

危険物・酸化性の物(施行令別表第1第3号)

水質汚濁防止法

有害物質(法第2条、令第2条、排水基準を定める省令第1条)

海洋汚染防止法

有害液体物質(Z類物質)(施行令別表第1)

船舶安全法

酸化性物質類・酸化性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

酸化性物質類・酸化性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
二硝酸カルシウム·4水和物 SDS マグネシウムジニトラート SDS エコナゾール硝酸塩 SDS 硝酸カルシウム, 水和物 SDS 硝酸アンモニウム SDS 硝酸カルシウム SDS 亜硝酸カルシウム SDS 硝酸ナトリウム SDS 硝酸カリウム SDS