急性毒性
経口
ラットLD50値:1790 mg/kg 、3000 mg/kg、2.2 ml/kg(1848 mg/kg)(以上PATTY (5th, 2001))。(GHS分類:区分4)
経皮
ウサギの3試験のLD50値がいずれも>2000 mg/kg (PATTY (5th, 2001))。(GHS分類:区分外(JIS分類基準))
吸入
吸入(ガス): GHSの定義における液体である。(GHS分類:分類対象外)
吸入(蒸気): ラットLC50値:約7300 ppm/4hr、8170 ppm/4hr(以上PATTY (5th, 2001)。なお、試験は飽和蒸気圧濃度の90%(182368 ppm)以下で実施されたもので気体の基準値を適用した。(GHS分類:区分4)
吸入(ミスト): データなし。(GHS分類:分類できない)
皮膚腐食性・刺激性
ウサギの皮膚に0.5 mLを24時間適用した試験で、6匹中3匹に紅斑を生じ、軽度の刺激物(a slight irritant)と評価され、適用後7日目には適用部位は全て正常であった(PATTY (5th, 2001))。(GHS分類:区分外)
眼に対する重篤な損傷・刺激性
ウサギの眼に適用した試験で重度の刺激性(severe eye irritation)を起こしたとの結果(PATTY (5th, 2001))、および別の試験で滴下後10秒または60秒に洗浄したウサギの眼に重度の刺激性を生じた(Severe eye irritation)(PATTY (5th, 2001))。(GHS分類:区分2)
呼吸器感作性又は皮膚感作性
呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
皮膚感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
生殖細胞変異原性
データなし。(GHS分類:分類できない)
発がん性
データなし。(GHS分類:分類できない)
生殖毒性
データなし。(GHS分類:分類できない)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)
本物質の液体または蒸気との接触で上気道粘膜を刺激する可能性があり、農薬のエトプロップ(モカップ)を散布したジャガイモ畑で本物質(モカップの不純物であり、分解物でもある)のばく露により、呼吸器への急性影響がみられたとの報告(PATTY (5th, 2001))がある。ラットの急性吸入毒性試験においてばく露中の症状として気道刺激の記載がある(PATTY (5th, 2001))。なお、ラットに吸入ばく露によりガイダンス値を超えた高濃度(25.44 mg/L,8170ppm)では活動抑制、運動失調、振戦、努力呼吸などの症状が報告されている(PATTY (5th, 2001))。(GHS分類:区分3(気道刺激性))
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)
データなし。(GHS分類:分類できない)
吸引性呼吸器有害性
データなし。(GHS分類:分類できない)