急性毒性
経口
ラットのLD50値が4920 mg/kg (PATTY(5th,2001)) 、あるいは雄で4600mg/kg、雌で3500mg/kg (PATTY(5th,2001)) とのデータがある他、投与後3日間のLD50値が雄で3,016 mg/kg、雌で1,823 mg/kg とのデータ (ECETOC TR95(2005)) もある。 LD50値が2000mg/kg以下のデータは3日間評価の数値が1件のみで、それ以外の4例は2000mg/kgを超えていることからJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)とした。
経皮
ウサギLD50値が雄で2010mg/kg、雌で2220mg/kg とのデータ、あるいは、ウサギLD50値が1410mg/kg とのデータ (何れも PATTY(5th,2001)) のうち、毒性の強い1410mg/kgのデータより区分4とした。
吸入
吸入(ガス): GHSの定義における液体である。
吸入(蒸気): データなし なお、飽和蒸気ばく露で死亡例なしとのデータは散見されるが、蒸気圧を0.00118 mmHg(25℃)と仮定すれば飽和濃度は1.6ppm [=0.012mg/L]と非常に低いので急性毒性分類の参考には出来ない。
吸入(ミスト): データなし
皮膚腐食性・刺激性
ウサギの皮膚に0.5mLを4時間、密封投与して軽度な紅斑と浮腫が24時間観察された (PATTY(5th,2001)) の記述に基づきJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3)とした。なお、4mLを24時間投与した場合は紅斑と浮腫の持続と壊死が見られたとのデータ (PATTY(5th,2001))がある。
眼に対する重篤な損傷・刺激性
ウサギの眼に0.1mL、もしくは0.005 mLを投与して、6匹全数の角膜と結膜に重度の損傷があり、全治7-21日間であったとの報告 (PATTY(5th,2001)) がある。EU-risk phraseはR41であるが、21日以内に完全治癒していることから区分2Aとした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性
呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:データなし
生殖細胞変異原性
雌雄マウスの末梢血赤血球を用いた小核試験で陰性 (PATTY(5th,2001)) あるいは、雌雄ラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陰性 (ECETOC TR95(2005)) との情報がある。 体細胞を用いる in vivo 変異原性試験で陰性結果の事例が2件以上あることから、区分外とした。 なお、in vitro 遺伝子突然変異試験では弱い陽性の事例 (ECETOC TR95(2005)) があるが、エームズ試験で陰性 (ECETOC TR95(2005))、あるいは CHO cell を用いた姉妹染色分体交換試験で陰性結果 (PATTY(5th,2001)) が報告されている
発がん性
データなし
生殖毒性
「信頼できる生殖毒性試験の結果、用量1000mg/kg/dで繁殖力に影響なし、発生毒性試験の結果は殆ど全て陰性、用量1000 mg/kg/dで母動物に毒性影響があるが、仔には影響なし」 との情報があるが (SIDS(access on 2. 2009)) 、試験の具体的内容を確認出来ないので分類できない。
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)
データなし
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)
ウサギに経皮で用量100 - 1000 mg/kgを1日6時間、11日間に9回ばく露して、刺激性が観察されたが全身毒性の所見はなかったとの情報 (PATTY(5th,2001)) はあるが、データ不足で分類できない。
吸引性呼吸器有害性
データなし