急性毒性
経口
GHS分類: 区分4
ラットのLD50値として、680 mg/kgとの報告 (環境省リスク評価第10巻 (2012)) に基づき、区分4とした。
経皮
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外
GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類対象外
GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 区分2
本物質は動物の眼に対して刺激性を示すとの記載があることから区分2 (HSDB (Access on September 2015)) とした。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。なお、ヒト787人に対する調査において、本物質1%溶液に対して皮膚反応が3例報告されている (DFGOT vol. 18 (2002))。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 分類できない
In vivoでは、マウスの優性致死試験で陽性、マウス骨髄細胞の小核試験で陽性 (環境省リスク評価第10巻 (2012)、ACGIH (7th, 2003)) との知見がある。In vitroでは、ヒトリンパ球の小核試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陽性である (環境省リスク評価第10巻 (2012)、ACGIH (7th, 2003))。
上記のin vivo試験の原著を確認した結果、モリブデン酸のアンモニウム塩についてはin vivo試験が行われていない (Titenko-Holland et al., 1998) ことから、これらのin vivo試験の知見は使用できず、ガイダンスに従い分類できないとした。
発がん性
GHS分類: 区分2
本物質自体の発がん性に関する情報はない。ただし、モリブデン酸ナトリウム (CAS番号: 7631-95-0) の本項に記述したように、三酸化モリブデンを用いた発がん性試験結果等に基づき、ACGIHは可溶性モリブデン化合物に対する発がん性評価として、A3に分類した (ACGIH (7th, 2003))。本物質も可溶性モリブデン化合物に該当し (ACGIH (7th, 2003))、ACGIHの発がん性分類結果が適用可能と考えられる。よって、本項は区分2とした。
生殖毒性
GHS分類: 区分2
本物質の生殖影響に関する情報はヒト、実験動物ともにない。しかしながら、本物質は可溶性モリブデン化合物に属し、モリブデン酸ナトリウム (CAS番号: 7631-95-0) の毒性情報に基づく分類が可能で、その分類結果を適用することが妥当と考えた。よって、本項は区分2とした。