安全データシート

トリス(1-クロロ-2-プロピル)=ホスファート

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: トリス(1-クロロ-2-プロピル)=ホスファート
  • CB番号: CB0221470
  • CAS: 13674-84-5
  • 同義語: トリス(1-クロロ-2-プロピル)=ホスファート

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 難燃剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
GHS改訂4版を使用
H25.9.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用
物理化学的危険性
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   区分2 (肝臓、甲状腺)
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分2 (中枢神経系) 区分3 (麻酔作用)
生殖毒性   区分2
急性毒性(経口)   区分4
環境に対する有害性
水生環境有害性 (長期間)   分類実施中
水生環境有害性 (急性)   分類実施中

GHSラベル要素

絵表示
GHS07
注意喚起語
警告
危険有害性情報
飲み込むと有害 眠気又はめまいのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 中枢神経系の障害のおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓、甲状腺の障害のおそれ
注意書き
安全対策
使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
応急措置
飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 口をすすぐこと。
保管
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。
廃棄
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性
情報なし

3. 組成及び成分情報

  • 単一製品・混合物の区別: 単一製品
  • 化学名又は一般名: トリス(1-クロロ-2-プロピル)=ホスファート
  • 別名: りん酸トリス(2-クロロ-1-メチルエチル)(Phosphoric acid tris(2-chloro-1-methylethyl) ester)   りん酸トリス[1-(クロロメチル)エチル](Phosphoric acid tris[1-(chloromethyl)ethyl] ester)
  • 濃度又は濃度範囲: 情報なし
  • 分子式 (分子量): C9H18Cl3O4P(327.572)
  • CAS番号: 13674-84-5
  • 官報公示整理番号(化審法): (2)-1941,(2)-2951
  • 官報公示整理番号(安衛法): 既存
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし

4. 応急措置

吸入した場合

気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。

皮膚に付着した場合

水と石鹸で洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。

眼に入った場合

水で数分間注意深く洗うこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合

口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。

急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

情報なし

応急措置をする者の保護

情報なし

医師に対する特別な注意事項

情報なし

5. 火災時の措置

消火剤

泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類

使ってはならない消火剤

情報なし

特有の危険有害性

引火性の高い液体および蒸気。 消火後再び発火するおそれがある。 火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。

特有の消火方法

危険でなければ火災区域から容器を移動する。 容器が熱に晒されているときは、移動しない。 安全に対処できるならば着火源を除去すること。

消火を行う者の保護

適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置

全ての着火源を取り除く。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
密閉された場所に立入る前に換気する。

環境に対する注意事項

環境に放出しないこと。

封じ込め及び浄化の方法及び機材

回収・中和:不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。
封じ込め及び浄化方法・機材:危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策:すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
技術的対策:消防法の規定に従う。
局所排気・全体換気:『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
取扱後は手をよく洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
接触回避
情報なし
衛生対策
取扱い後はよく手を洗うこと。

保管

安全な保管条件
技術的対策:消防法の規定に従う。
保管条件:-
安全な容器包装材料
情報なし

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定

許容濃度

日本産衛学会(2013年度版)
未設定

許容濃度

ACGIH(2013年版)
未設定

設備対策

この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には,適切な洗眼器と安全シャワーを設置すること。 ばく露を防止するため、作業場には適切な全体換気装置、局所排気装置を設置すること。

保護具

呼吸用保護具
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具
適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
適切な保護衣を着用すること。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体
情報なし
臭い
情報なし
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
情報なし

融点・凝固点

-40℃:SRC(2013)

沸点、初留点及び沸騰範囲

235-248℃:NITE(2013)

引火点

185℃(密閉式):SIDS(2009)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

情報なし

燃焼又は爆発範囲

情報なし

蒸気圧

<2mmHg(25℃):NITE(2013)

蒸気密度

情報なし

比重(相対密度)

1.29 (25℃):NITE(2013)

溶解度

水:1200 mg/L(25℃)(測定値):SRC(2013)

n-オクタノール/水分配係数

LogPow=2.59(測定値):SRC(2013)

自然発火温度

>500℃:IUCLID(2000)

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

情報なし

10. 安定性及び反応性

反応性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

化学的安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

危険有害反応可能性

情報なし

避けるべき条件

情報なし

混触危険物質

情報なし

危険有害な分解生成物

情報なし

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値として、> 500 mg/kg (雄)、632 mg/kg (雌)、707 mg/kg (雌)、1,011 mg/kg (雌)、< 2,000 mg/kg (雄)、2,800 mg/kg (雌)、3,300 mg/kg (雌) (いずれもEU-RAR (2008)) の報告がある。最多数が該当する区分4とした。
経皮
ラットのLD50値、> 12.9 g/kg (EU-RAR (2008))、> 2,000 mg/kg (NICNAS (2001)、SIDS (2009)) 及びウサギのLD50値、> 2,000 mg/kg (EU-RAR (2008)、NICNAS (2001))、> 5,000 mg/kg (EU-RAR (2008)) に基づき、区分外とした。
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
データ不足のため分類できない。
吸入:粉じん及びミスト
ラットのLC50値 (4時間) として、4.6 mg/L (SIDS (2009))、> 5.05 mg/L (雄)、約 5 mg/L (雌)、> 7 mg/L (EU-RAR (2008)) 報告に基づいて、区分外とした。なお、エアロゾルとの記載に基づき、mg/L を単位とする粉じん及びミストの基準値を適用した。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

SIDS (2009) には、製品を含む本物質の試験結果が4件報告されている。代表的なウサギを用いたドレイズ試験における、一次刺激性スコアは8点中0.5であり、健常皮膚と損傷皮膚の違いはみられていない。また、24, 72時間後の一次刺激性スコアはそれぞれ、8点中0.5、8点中0.0であり、刺激性はほとんどみられていないことから、区分外とした。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

SIDS (2009) には、製品を含む本物質の試験結果が5件報告されている。代表的なウサギを用いたドレイズ試験における、1、24、48、72時間後の平均スコアはそれぞれ、平均スコアは110点中それぞれ、3、0、0、0であり、眼刺激性はみられていないことから、区分外とした。

呼吸器感作性

呼吸器感作性:データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

皮膚感作性:データ不足のため分類できない。

生殖細胞変異原性

分類ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス及びラットの末梢血を用いた小核試験、ラット骨髄細胞の染色体異常試験で陰性である (EU-RAR (2008)、NTP DB (Access on August 2013))。また、ラット肝臓を用いたコメットアッセイで陰性である (EU-RAR (2008))。in vitroでは、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陽性及び陰性、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (ATSDR (2012)、EU-RAR (2008)、NTP DB (Access on August 2013))。そのうち、マウスリンフォーマ試験の陽性結果は「Small colony」であり、染色体異常に起因すると判断される。しかし、上記のようにin vivoでは染色体異常が陰性であるため染色体異常誘発性はないと判断した。なお、NICNAS (2001) では、in vivo、in vitroともに遺伝毒性なしと記載している。

発がん性

データ不足のため分類できない。

生殖毒性

ラットを用いた経口経路 (混餌) での発生毒性試験、2世代生殖毒性試験において催奇形性はみられていない。ラットを用いた経口経路 (混餌) での2世代生殖毒性試験において、性周期、子宮重量の影響、児の発育不全がみられている (EU-RAR (2008)、SIDS (2009))。したがって区分2と判断した。

12. 環境影響情報

生態毒性

水生環境有害性(急性)
分類実施中
水生環境有害性(長期間)
分類実施中

オゾン層への有害性

当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。

汚染容器及び包装

容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14. 輸送上の注意

国際規制

国連番号
該当しない
海洋汚染物質
該当しない
MARPOL73/78附属書Ⅱ及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質
該当しない

国内規制

海上規制情報
該当しない
航空規制情報
該当しない
陸上規制情報
消防法の規制に従う。

特別安全対策

輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。

緊急時応急措置指針番号

該当しない

15. 適用法令

消防法

第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
チオオキサム酸エチル SDS ロジン SDS りん酸水素ジナトリウム SDS トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロリド SDS りん酸 トリエチル SDS りん酸トリナトリウム SDS りん酸二水素カリウム SDS りん酸二水素ナトリウム SDS 5-(ヒドロキシメチル)フルフラール SDS リン酸カリウム SDS