安全データシート

メルファラン

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: メルファラン
  • CB番号: CB2492687
  • CAS: 148-82-3
  • 同義語: メルファラン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 種々の悪性疾患、特に多発性骨髄腫、悪性黒色腫及び卵巣の腺癌の治療
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H22.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用
物理化学的危険性
金属腐食性物質   分類できない
有機過酸化物   分類対象外
酸化性固体   分類対象外
酸化性液体   分類対象外
水反応可燃性物質   分類対象外
自己発熱性化学品   分類できない
自然発火性固体   分類できない
自然発火性液体   分類対象外
自己反応性化学品   分類対象外
可燃性固体   分類できない
引火性液体   分類対象外
高圧ガス   分類対象外
酸化性ガス類   分類対象外
引火性エアゾール   分類対象外
引火性・可燃性ガス   分類対象外
火薬類   分類対象外
健康に対する有害性
吸引性呼吸器有害性   分類できない
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   区分1(骨髄、肝臓、全身毒性)
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分1(骨髄)
生殖毒性   区分1B
発がん性   区分1A
生殖細胞変異原性   区分1B
皮膚感作性   分類できない
呼吸器感作性   分類できない
眼に対する重篤な損傷性・刺激性   分類できない
皮膚腐食性・刺激性   区分2
急性毒性(吸入:ミスト)   分類対象外
急性毒性(吸入:粉じん)   分類できない
急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
急性毒性(経皮)   分類できない
急性毒性(経口)   区分2
環境に対する有害性
水生環境慢性有害性   分類できない
水生環境急性有害性   分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル
GHS06GHS08
注意喚起語
危険
危険有害性情報
長期にわたるまたは反復ばく露による骨髄、肝臓の障害、全身毒性
骨髄の障害
生殖能または胎児への悪影響(奇形)のおそれ
発がんのおそれ
遺伝疾患のおそれ
皮膚刺激
飲み込むと生命に危険
注意書き
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
【廃棄】
施錠して保管すること。
【保管】
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
ばく露した場合:医師に連絡すること。
ばく露またはばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
【応急措置】
粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
適切な個人用保護具を使用すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
適切な保護手袋を着用すること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱後は手をよく洗うこと。
【安全対策】

3. 組成及び成分情報

  • 化学名又は一般名: メルファラン
  • 別名: 4‐[ビス(2‐クロロエチル)アミノ]‐L-フェニルアラニン、(4-[Bis(2-chloroethyl)amino]-L-phenylalanine)、(2S)‐2‐アミノ‐3‐[4‐[ビス(2‐クロロエチル)アミノ]フェニル]プロパン酸
  • 分子式 (分子量): C13H18Cl2N2O2(305.205)
  • CAS番号: 148-82-3
  • 官報公示整理番号(化審法・安衛法): 局方
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
  • 濃度又は濃度範囲: 100%

4. 応急措置

吸入した場合

気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。

皮膚に付着した場合

汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
多量の水と石鹸で優しく洗うこと。

目に入った場合

眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。

飲み込んだ場合

口をすすぐこと。
直ちに医師に連絡すること。

予想される急性症状及び遅発性症状

経口摂取 : データなし
眼 : データなし
皮膚 : データなし
吸入 : データなし

最も重要な兆候及び症状

データなし

応急措置をする者の保護

データなし

医師に対する特別注意事項

データなし

5. 火災時の措置

消火剤

水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類

使ってはならない消火剤

棒状放水

特有の危険有害性

火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。
激しく加熱すると燃焼する。
熱、火花及び火炎で発火するおそれがある。

特有の消火方法

安全に対処できるならば着火源を除去すること。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。

消火を行う者の保護

適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具および緊急措置

密閉された場所に立入る前に換気する。
関係者以外の立入りを禁止する。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
全ての着火源を取り除く。

環境に対する注意事項

環境中に放出してはならない。

回収・中和

漏洩物を掃き集めて空容器に回収し、後で廃棄処理する。

封じ込め及び浄化方法・機材

水で湿らせ、空気中のダストを減らし分散を防ぐ。

二次災害の防止策

プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。
すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項
粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
適切な個人用保護具を使用すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
適切な保護手袋を着用すること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱後は手をよく洗うこと。
接触回避
『10.安定性及び反応性』を参照。

保管

技術的対策
特別に技術的対策は必要としない。
混触危険物質
『10.安定性及び反応性』を参照。
保管条件
施錠して保管すること。
容器包装材料
データなし

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定(2009年度)

許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

日本産衛学会
未設定(2009年度)
ACGIH
未設定(2009年度)

設備対策

ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。

保護具

呼吸器の保護具
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具
適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
適切な保護衣を着用すること。

衛生対策

取扱い後はよく手を洗うこと。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
白色
臭い
無臭
pH
データなし

融点・凝固点

182 - 183 ℃ : Chapman (2009) /データなし

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし

引火点

データなし

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

0.0000000003 mmHg (25 ℃ est) : SRC (2009)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

データなし、(データなし)

溶解度

2%カルボキシメチルセルロース、希鉱酸、アルカリ溶液に可溶、クロロホルム、エーテルに不溶 : HSDB (2009)
4.57E+001 mg/L (25 ℃ est) : Howard (1997)

オクタノール・水分配係数

log Kow = -0.52 (exp) (pH 7.4) : SRC (2009)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

危険有害反応可能性

光、熱、水分に感受性

避けるべき条件

データなし

混触危険物質

データなし

危険有害な分解生成物

データなし

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値は13.0 mg/kg(雄)及び16.0 mg/kg(雌)であるとの報告(HSDB (2009))に基づき、区分2とした。
経皮
データなし。
吸入
吸入(粉じん、ミスト):   データなし。
吸入(蒸気):   データなし。
吸入(ガス):   GHS定義における固体である。

皮膚腐食性・刺激性

ウサギを用いた試験で、軽度から中等度(mild to moderate)の皮膚刺激、及び組織病理検査において軽度の刺激確認 (HSDB (2009)) との記述があるため、区分2とした。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

データがなく分類できない。
眼及び粘膜に対して強い刺激性がある (HSDB (2009)) との記述がある。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:データなし。
呼吸器感作性:データなし。

生殖細胞変異原性

マウスを用いた優性致死試験および相互転座試験(生殖細胞 in vivo経世代変異原性試験)で陽性の結果があることから区分1Bとした (HSDB (2009))。なお、マウス骨髄細胞を用いた小核試験、染色体異常試験、SCE試験(いずれも腹腔内投与)で陽性の報告 (NTP DB (Access on Sep. 2009)) 及びラット骨髄細胞を用いた変異原性試験で陽性の報告 (IARC vol.9 (1975)) がある。

発がん性

IARCでGroup 1に分類 (IARC vol.100A (2008)、IARC suppl.7 (1987)) 、及びNTPでKに分類 (NTP ROC 11th (2004)) されていることから、区分1Aに分類した。
なお、当該薬物による卵巣がん、多発性骨髄腫又は乳がん治療により、骨髄性白血病及び気管支がんの発症報告 (IARC suppl.7 (1987)、IARC vol.9 (1975)) がある。動物試験では、ラットを用いた皮膚塗布試験で皮膚乳頭腫の発生、マウスを用いた腹腔内投与試験では肺腫瘍、リンパ肉腫、乳腺線維腺腫及び腹膜肉腫の発生の報告 (以上 IARC vol.9 (1975)) がある。

生殖毒性

動物試験では、妊娠前期のラットを用いた試験において胎仔の種々の奇形が確認され (IARC vol.9 (1975))、ウサギに対して催奇形性がある(ラットにはない)との記述 (Birth Defects (3rd, 2000)) があることから区分1Bとした。FDAではヒトの胎児に明らかに危険であるという pregnancy category D に分類されており、変異原性及び発がん性物質という理論的な判断による(十分な検証はされていない)(HSDB (2009))。

12. 環境影響情報

水生環境急性有害性

データなし

水生環境慢性有害性

データなし

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。

汚染容器及び包装

空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。

14. 輸送上の注意

国際規制

海上規制情報
IMOの規定に従う。
UN No.
3249
Proper Shipping Name.
MEDICINE, SOLID, TOXIC, N.O.S.
Class
6.1
Packing Group
Marine Pollutant
Not Applicable
航空規制情報
ICAO・IATAの規定に従う。
UN No.
3249
Proper Shipping Name.
Medicine, solid, toxic, n.o.s.
Class
6.1
Packing Group

国内規制

陸上規制情報
該当しない
海上規制情報
船舶安全法の規定に従う。
国連番号
3249
品名
医薬品(固体)
クラス
6.1
容器等級
海洋汚染物質
非該当
航空規制情報
航空法の規定に従う。
国連番号
3249
品名
医薬品(固体)(毒性のもの)
クラス
6.1
等級
2

特別安全対策

重量物を上積みしない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15. 適用法令

船舶安全法

毒物類・毒物

航空法

毒物類・毒物

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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