急性毒性
経口
トルイレンジアミン(組成比率不明)のラット経口LD50値270mg/kg(RTECS(1997))から、区分3とした。【注】本物質は、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-、3,5-ジアミノトルエンの総称であり、物質の組成比率の判明している知見はない。もっとも代表的な異性体である2,4-トルエンジアミン(ID167, CAS: 95-80-7)ならびに2,5-ジアミノトルエン(パラトルイエンジアミン、ID1324, CAS: 95-70-5)の分類結果を参照のこと。本健康有害性については、必要に応じ、2,4-トルエンジアミン(ID167, CAS: 95-80-7)の分類結果を記載している。
経皮
トルイレンジアミン(組成比率不明)のラット経皮LD50値463 mg/kg(RTECS(1997))から、区分3とした。
吸入
吸入(ガス): GHSの定義における固体である。
吸入(蒸気): データなし
吸入(粉じん): データなし
皮膚腐食性・刺激性
データなし。なお、2,4-トルエンジアミン(ID167, CAS: 95-80-7)では、区分3とされている。
眼に対する重篤な損傷・刺激性
トルエンジアミンの各異性体はウサギの眼に刺激性を示さない(HSDB(2003))との報告の一方、ヒトにおいて角膜混濁を伴う眼瞼炎を認めた知見も1例あり(HSDB(2003))、データ不足で分類できない。なお、2,4-トルエンジアミン(ID167, CAS: 95-80-7)では、区分2Aとされている。
呼吸器感作性又は皮膚感作性
呼吸器感作性:データなし。皮膚感作性: トルイレンジアミンは、ヒト皮膚感作性物質とされている(HSDB(2003))こと、また、異性体の1つである2,4-トルエンジアミン(ID167, CAS: 95-80-7)が区分1に分類されていることから、区分1とした。
生殖細胞変異原性
データなし。なお、2,4-トルエンジアミン(ID167, CAS: 95-80-7)では、区分外とされている。
発がん性
区分2に分類されている2,4-トルエンジアミン(ID167, CAS: 95-80-7)を相当量含むことから、区分2とした。
生殖毒性
ヒト疫学調査では生殖への影響は認められていないものの、一部、精子数の減少を認めた知見があり(HSDB(2003))、加えて、2,4-トルエンジアミン(ID167, CAS: 95-80-7)では、雄動物の生殖能及び児動物の発生への影響をもとに区分2に分類されていることから、同様に区分2とした。