急性毒性
経口
【分類根拠】
(1)~(5) より、区分4とした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 625 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020))
(2) ラットのLD50: 雌: 1,250 mg/kg (ACGIH (7th, 2006)、JMPR (1969))
(3) ラットのLD50: 1,740 mg/kg (IPCS PIM G001 (1998)、JMPR (1969))
(4) ラットのLD50: 雌: > 2000 mg/kg (JMPR (1969))
(5) ラットのLD50: 雄: 2,630 mg/kg (ACGIH (7th, 2006)、JMPR (1969))
経皮
【分類根拠】
(1) より、区分4とした。
【根拠データ】
(1) ウサギのLD50: 1,600~2,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2006))
【参考データ等】
(2) ウサギのLD50: 1,000 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)、HSDB (Access on May 2020))
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しない (国連分類基準の区分3) とした。
【根拠データ】
(1) 本物質を14日間にわたりガーゼパッチで10回適用した結果、皮膚のごく軽度の充血が認められた (ACGIH (7th, 2006))。
(2) 本物質を換気が不十分な場所で使用した獣医師において時折、喉及び顔面皮膚への刺激が報告されている (HSDB (Access on May 2020))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1) の記載はあるが、データ不足のため分類できないとした。
旧分類に用いられたデータの詳細が不明であり、分類に不十分なデータと判断し、分類結果を変更した。
【参考データ等】
(1) 本物質の粉末 (少量) をウサギの眼に適用した試験において、軽度の不快感及び一過性の結膜刺激がみられたが、48時間後には消失した (ACGIH (7th, 2006))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため、分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) ヒト (男性30人、女性20人) に週3回、3週間にわたりパッチ適用を行い、2週間後に惹起を行った試験において、感作性は認められなかった (ACGIH (7th, 2006))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
発がん性
【分類根拠】
利用可能なヒトを対象とした報告はない。(1)、(2) よりACGIHの分類に基づき区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2006)) に分類されている。
(2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験では、発がん性は認められなかった (ACGIH (7th, 2006))。
生殖毒性
【分類根拠】
(1)、(2) より、母動物毒性がみられるもののコリンエステラーゼ (ChE) 活性の低下のみであり、胎児に重篤な影響 (小脳の低形成、心血管系の奇形の増加、F1b及びF2b世代の生存率減少) がみられているため区分1Bとした。
【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による3世代生殖毒性試験において、血漿及び赤血球コリンエステラーゼ (ChE) 活性の低下がみられ、F1b及びF2b世代の生存率と授乳率低下、平均体重のわずかな低下がみられている (JMPR (1969))。
(2) 雌ウサギの妊娠6~18日に経口投与した発生毒性試験において、母動物の血漿及び赤血球ChE活性低下 (有意差なし) がみられる用量で、小脳の低形成、心血管系の奇形の増加がみられている (ACGIH (7th, 2006))。
【参考データ等】
(3) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性は不明だが、胎児に過剰肋骨がみられている (ACGIH (7th, 2006))。