安全データシート

ビス酢酸鉛(II)

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: ビス酢酸鉛(II)
  • CB番号: CB3750317
  • CAS: 301-04-2
  • 同義語: 酢酸鉛

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 鉛化合物原料,防水剤,分析用試薬,医薬(収れん剤) (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:010-86108875

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性   区分1
発がん性   区分1B
生殖毒性   区分1A、授乳に対するまたは授乳を介した影響に関する追加区分
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分1(神経系、血液系、腎臓)
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)   区分1(神経系、血液系、腎臓)
分類実施日(環境有害性)
マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
環境に対する有害性
水生環境有害性 短期(急性)   区分1
水生環境有害性 長期(慢性)   区分1

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS08GHS09
注意喚起語
危険
危険有害性情報
重篤な眼の損傷
遺伝性疾患のおそれの疑い
発がんのおそれの疑い
生殖能または胎児への悪影響のおそれ
臓器の障害: 血液系 神経系 腎臓
長期にわたる、または反復暴露による臓器の障害: 血
液系 神経系 腎臓
長期にわたる、または反復暴露による臓器の障害のおそ
れ: 全身毒性
水生生物に非常に強い毒性
長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性
注意書き
[安全対策]
使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん、煙、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
環境への放出を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に
連絡すること。
暴露または暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
漏出物を回収すること。
[保管]
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : 酢酸鉛(II) [ペロブスカイト前駆体用]
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(T)
  • CAS RN: : 301-04-2
  • 別名 : Acetic Acid Lead(II) Salt
  • 化学式: : C4H6O4Pb
  • 官報公示整理番号 化審法: : (2)-693
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師に連絡す
ること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。医師に連絡すること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。医師に連絡すること。

飲み込んだ場合:

医師に連絡すること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

環境への悪影響が懸念されるため、河川等へ排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
あらゆる接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。不活性ガスを充填する。湿気を避ける。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
避けるべき保管条件:
湿気
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

鉛として0.05 mg/m3

許容濃度:

日本産業衛生学会(TWA):
0.03 mg(Pb)/m3

保護具

呼吸用保護具:
防塵・防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
無色ないし白色
臭い
データなし

融点/凝固点

280 ℃(Ullmann (2011)) 75 / 280 ℃(3水塩 / 無水塩)(Hommel (1996)) 75 / 200 ℃(loose water / decomposes)(Lewis (2001))

沸点、初留点及び沸騰範囲

decomposes(Weiss (1985)) 200℃以上で分解が始まる(分解)(Hommel (1996)) 280 ℃(anhydrous)(Lewis (2001))

可燃性

データなし

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

データなし

引火点

難燃性固体(Hommel (1996))

自然発火点

難燃性固体(Hommel (1996))

分解温度

データなし

pH

5.5-6.5 (5% aq soln at 25 °C)(HSDB (2022))

動粘性率

データなし

溶解度

水: 44 g/100mL(20℃)(ICSC (2017)) 水: 44.3 g/100mL(20℃)(Ullmann (2011)) 44 g/100mL(20℃)(HSDB (2022))

n-オクタノール/水分配係数

データなし

蒸気圧

0.000722 mmHg(HSDB (2022))

密度及び/又は相対密度

3.12 g/cm³(Merck (2013)) 3.25 g/cm³(Ullmann (2011)) 3.25 g/cm³(CRC (2018))

相対ガス密度

データなし

粒子特性

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, りん酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)ラットのLD50(雄):4,665 mg/kg(AICIS IMAP (2013)) (2)ラットのLD50(雌):5,610 mg/kg(AICIS IMAP (2013))
経皮
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。なお、旧分類の根拠となった知見の情報源はList 3のものであり、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)酢酸鉛(II)・三水和物(CAS登録番号:6080-56-4)について、再構築ヒト表皮モデル(EpiDerm)を用いた in vitro皮膚刺激性試験(OECD TG 439、GLP)において、細胞生存率R=85.7%(区分に該当しない結果)であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2022))。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

【分類根拠】 (1)より、区分1とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)酢酸鉛(II)・三水和物(CAS登録番号:6080-56-4)について、ウサギ(n=1)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP)において、適用1時間~72時間後の観察時に虹彩の光反射が消失したため回復の見込みなしと判断され、72時間で試験を終了した(角膜混濁スコア:1.33、虹彩炎スコア:2、結膜発赤スコア:2.67、結膜浮腫スコア:2.67)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2022))。
【参考データ等】 (2)酢酸鉛(II)・三水和物(CAS登録番号:6080-56-4)について、in vitro眼刺激性試験(OECD TG 437、GLP)において、in vitro 刺激性スコア(IVIS)=32.54(予測不可に該当)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2022))。

呼吸器感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

生殖細胞変異原性

【分類根拠】 データ不足のため、分類できないとした。(1)、(2)より、in vivoのコメットアッセイでは哺乳類の生殖細胞で陽性の報告があるが、これらのデータのみでは区分をつけることができない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)In vivoでは、コメットアッセイによるDNA傷害(一本鎖切断)は本物質の飲水又は経口投与後のマウス及びラットの骨髄、白血球、精子細胞等でみられた。また、ラットを用いた本物質の経口投与によるコメットアッセイでは、腎臓細胞において姉妹染色分体交換のレベルの増加がみられ、単一の高用量がより効果的であるとする結果がある(IARC 87 (2006))。 (2)In vitroでは、異なる動物細胞を用いた遺伝子突然変異試験では陽性及び陰性の結果が得られた。また、細菌復帰突然変異試験、ヒト細胞を用いた遺伝子突然変異試験及び染色体異常試験でほぼ陰性の結果が得られている(食安委 評価書 (2021)、IARC 87 (2006))。

発がん性

【分類根拠】 (1)より、動物種1種(ラット)であるが複数の試験で腎臓腫瘍とそれ以外に様々な臓器に腫瘍を誘発することが示されるため、区分1Bとした。なお、新たな情報源を利用し分類結果を見直した。
【根拠データ】 (1)酢酸鉛をラットに慢性経口投与下7つの異なる試験で、ラットの雌雄の腎臓に腺腫と腺がんが認められ、これらのうち用量反応関係の評価が可能であった2試験で用量反応関係がみられた。妊娠期及び授乳期を通して酢酸鉛に経口投与した雌マウスの子孫において、鉛誘発性慢性腎症の非存在下で腎臓腫瘍の用量相関的な増加が示された。酢酸鉛をラットに経口投与した2つの試験で脳の神経膠腫(グリオーマ)がみられた。酢酸鉛を経口投与したラットの1試験では、雄で副腎、精巣及び前立腺の腫瘍、雌で陰核腺の腫瘍との関連性が示された。雌雄ラットの混合群として扱われた試験では、酢酸鉛への経口ばく露と肺、下垂体、前立腺、乳腺及び副腎の腫瘍と相関がみられた(IARC 87 (2006)、NTP RoC 15th (2021))。
【参考データ等】 (2)国内外の評価機関による発がん分類としては、無機鉛化合物についてIARCがグループ2A(IARC 87 (2006))に、鉛及び鉛化合物についてNTPがRに(NTP RoC 15th (2021))、ACGIHがA3に(ACGIH-TLV (2022))、日本産業衛生学会が第2群Bに(産衛学会許容濃度の勧告等 (2021))、DFGがカテゴリー2に(List of MAK and BAT values 2020)、それぞれ分類している。

生殖毒性

【分類根拠】 (1)~(10)より、区分1Aとした。また(11)より、授乳に対する又は授乳を介した影響の追加区分とした。
【根拠データ】 (1)職業的鉛ばく露を受けた男性では、血中鉛濃度が40 μg/dL 以上で精液中の精子数等に変化がみられ、血中鉛最高濃度51 μg/dL以上で妊娠するまでの時間の長期化、血中鉛濃度31 μg/dL 以上で自然流産のリスクが高まり、平均血中鉛濃度46.3 μg/dL で出生率が低下したとの報告がある(食安委 評価書 (2021))。 (2)血中Pb濃度が10 μg/dL以下の集団において、精子障害の証拠が示されており、10 μg/dL以上では授精能低下、精巣への組織学的傷害を含めより重度の影響みられたとの報告がある(ATSDR (2020))。 (3)日本産業衛生学会は鉛及び鉛化合物を生殖毒性物質第1群に分類している(産衛学会許容濃度等の提案理由書 (2013))。 (4)ロシアの8~9 歳の男児489人を対象として、血中鉛濃度と発育並びに医師が評価した精巣容積及び思春期開始との関連性について調査された横断的研究において、血中鉛濃度の中央値は3 μg/dLであった。多変量解析では、血中鉛濃度が5 μg/dL 以上の男児は、それより低い濃度の男児と比較して生殖器の成熟度のオッズが43%減少した (オッズ比=0.57、p=0.03)。これらの結果から、比較的低い血中鉛濃度においても、青年期前後の男児の発育不良や思春期開始の遅れには関連性があると報告された(食安委 評価書 (2021))。 (5)米国人少女(血中鉛濃度0.7~21.7 μg/dL)の解析では、血中鉛濃度の高値は初潮遅延・恥毛発達遅延と関連していたが、乳房発達とは関連しなかったとの報告がある。しかし、同国のアフリカ系及びヒスパニック系の少女では、血中鉛濃度が3μg/dLの群では1 μg/dL群比べて乳房・恥毛の発達が遅れていたが、白人系少女では乳房・恥毛の発達の差はみられなかったとの報告がある(食安委 評価書 (2021))。 (6)生殖器官への影響については、ラットを用いた試験において、血中鉛濃度が30 μg/dL 以上で、雄の精子数への影響及び精巣萎縮がみられ、雌の性周期に影響がみられたとの報告がある(食安委 評価書 (2021))。 (7)ラットを用いた経口投与による発生毒性試験(30日間、0.013、0.26 mg Pb/kg/day)において、雄の発情周期の不規則化、雌の発情周期の不規則化及び卵巣黄体嚢胞数の減少を伴う卵胞嚢胞の発達等がみられたとの報告がある(食安委 評価書 (2021))。 (8)ラットを用いた経口投与による発生毒性試験(妊娠期間を通して、32~64 mg Pb/kg 体重/日)において、胎児の発育阻害がみられたとの報告がある(食安委 評価書 (2021))。 (9)ラットを用いた飲水経口投与による発生毒性試験(妊娠5~21日、0.6%)において、死産児発生率の増加等がみられたとの報告がある(食安委 評価書 (2021))。 (10)女性のばく露について、5 μg/dL以下の母体血中鉛(PbB)レベルにおいて、胎児の成長遅延や出生体重の低下との関連を示す十分な証拠があるとの報告がある(日本産業衛生学会 許容濃度等の提案理由書 (2013))。 (11)授乳期に鉛は母乳へ移行し、母乳中鉛濃度は母体血中鉛濃度の10~30%とされている(食安委 評価書 (2021))。
【参考データ等】 (12)EUではRepr. 1Aに分類されている(CLP分類結果 (Accessed Aug. 2022))。

特定標的臓器毒性 (単回ばく露)

【分類根拠】 本物質については、無機鉛化合物のデータを基に分類するものとする。(1)、(2)より、血液系、神経系、腎臓を標的臓器と判断し、区分1(神経系、血液系、腎臓)とした。
【根拠データ】 (1)鉛による急性影響は、通常、短期高濃度ばく露によって発症し、溶血、肝細胞障害を伴うことが多い。極めて強いばく露の場合には、腎尿細管障害と急性脳障害がみられるが、軽症では関節痛・頭痛にとどまるとの報告がある(食安委 食品健康評価書 (2021))。 (2)急性中毒の明らかな症状として、感情鈍麻、落ち着かない、怒りっぽい、注意力散漫、頭痛、筋肉の震え、腹部痙攣、腎障害、幻覚、記憶の喪失などがあり、脳障害は血中鉛濃度が成人で100~200μg/dL、小児で80~100 μg/dLで起こるとの報告がある(食安委 食品健康評価書 (2021))。

特定標的臓器毒性 (反復ばく露)

【分類根拠】 本物質については、無機鉛化合物のデータを基に分類するものとする。(1)、(2)より、神経系、血液系、腎臓を標的臓器と判断し、区分1(神経系、血液系、腎臓)とした。
【根拠データ】 (1)鉛による慢性影響は、通常、継続的な鉛ばく露を受けている人にみられ、神経系及び内分泌系障害が特徴的であるが、臨床所見は明らかでないことも多い。また筋骨格系やその他の非特異的な自覚症状が多い。高尿酸血症がみられるが、貧血、疝痛、腎糸球体障害は重くない。遅発症状(‘late’ syndrome)は、痛風、慢性腎障害、脳障害を特徴とし、高濃度ばく露のあと多くの年月を経てから発症する。急性中毒の発症が既往症としてみられることも多い(食安委 食品健康評価書 (2021))。 (2)小児は、一般的に手から口への動作を行い、これが成人よりも高いレベルの鉛ばく露につながる。また、小児の鉛の吸収と蓄積は成人よりも大きいことから、小児の体重当たりの体内負荷量は成人よりも高い傾向を示す。小児における相対的に大きなばく露と体内負荷は、成長期の敏感な時期に起こり、小児の様々なエンドポイント(鉛脳症、貧血、神経行動学発達障害、運動神経伝導速度低下など)における最小作用量(LOEL)は、成人よりも低い(食安委 食品健康評価書 (2021))。

誤えん有害性*

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
却炉で焼却する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

1616

品名(国連輸送名):

Lead acetate

国連分類:

クラス6.1(毒物)

容器等級:

海洋汚染物質:

Y

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

労働安全衛生法

名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)、リスクアセスメント対象物(法第57の3) 鉛等(施行令別表第4) 特殊健康診断対象物質・現行取扱労働者(法第66条第2項、施行令第22条第1項)【鉛業務】 作業環境評価基準(法第65条の2第1項) 作業場内表示義務(法第101条の4)

労働基準法

女性労働基準規則の対象物質(女性労働基準規則第2条の18)【鉛およびその化合物】 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1)【鉛及びその化合物(頭痛、めまい、嘔吐等の自覚症状、造血器障害、末梢神経障害又は疝痛、便秘等の胃腸障害)】

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

特定第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1、施行令第4条)

毒物及び劇物取締法

劇物(指定令第2条)

水道法

有害物質(法第4条第2項)【鉛及びその化合物】 水質基準(平15省令101号)【鉛及びその化合物】

水質汚濁防止法

有害物質(法第2条、施行令第2条)

土壌汚染対策法

第2種特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条、施行規則第4条)

下水道法

水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)【鉛及びその化合物】

廃棄物の処理及び清掃に関する法律

特別管理産業廃棄物(法第2条第5項、施行令第2条の4)

船舶安全法

毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1)

道路法

車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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