急性毒性
経口
ラットのLD50値として4件のデータ(1150 mg/kg 、3288 mg/kg(雄)、2896 mg/kg (雌)、2956 mg/kg)(US EPA/HPV (2008)、)があり、1件が区分4、3件がJIS分類基準の区分外に該当する。GHS分類:区分外(国連分類基準の区分5) 急性毒性(経口) 区分外
経皮
ラットのLD50値は>7390 mg/kg(USEPA/HPV (2008))、ウサギのLD50値は>5000 mg/kg(US EPA/HPV (2008))である。GHS分類:区分外 急性毒性(経皮) 区分外
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
吸入:蒸気
ラットLC50値は>15.86 mg/L/4h(>1871 ppm/4h)(US EPA/HPV (2008))と報告されているが、データ不足である。なお、試験濃度(1871 ppm)が飽和蒸気圧濃度(3105 ppm)の90%より低いので、ほとんどミストが混在しない蒸気として気体の基準値を適用した。GHS分類:分類できない 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない 急性毒性(経口) 分類できない
皮膚腐食性及び刺激性
ウサギの皮膚に試験物質原液0.5 mLを閉塞適用した試験において、Pll (皮膚一次刺激指数) は2.75、また、ウサギの皮膚に試験物質原液0.5 mLを24時間の閉塞適用による別の試験ではPll は4.3であり、いずれも中等度の刺激性(moderately irritating)と評価(US EPA/HPV (2008))されている。GHS分類:区分2 皮膚腐食性/刺激性 区分2
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
ウサギの眼に試験物質原液0.1 mLを適用したドレイズ試験で、刺激性なし(not irritaiting)(US EPA/HPV (2008))。また、ウサギの結膜嚢に試験物質原液0.1 mLを適用した別の試験では軽度の刺激性(slightly irritating)であったが、その影響は6匹中1匹の結膜におけるスコア2のみで、72時間以内に回復(US EPA/HPV (2008))。GHS分類:区分外 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外
呼吸器感作性
データなし。GHS分類:分類できない 急性毒性(経口) 分類できない
皮膚感作性
モルモットを用いた皮膚感作性試験(Buehler test)において、誘導後の惹起段階で局所性(経皮)および全身性(皮内)の両惹起法とも陽性率は0%(0/9)であり、当該物質はモルモットにおいて感作物質ではないと結論されている(US EPA/HPV (2008))が、この試験はGLPに準拠したものではなく、他に情報もない。GHS分類:分類できない 皮膚感作性 分類できない
生殖細胞変異原性
in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験としては、エームス試験で陰性の結果(安衛法 変異原データ集 補遺3版 (2005)、USEPA/HPV (2008))が報告されている。GHS分類:分類できない 生殖細胞変異原性 分類できない
発がん性
データなし。GHS分類:分類できない 急性毒性(経口) 分類できない
生殖毒性
ラットの交配前から妊娠、分娩、F1仔の離乳まで経口投与した生殖試験において、親動物への影響として肝臓および腎臓の重量変化などが観察されたが、生殖毒性に言及されていない(US EPA/HPV (2008))ことから、性機能および生殖能に対する悪影響はなかったものと判断される。しかし、妊娠末期の胎仔検査のデータはなく、催奇形性を含む仔の発生に及ぼす影響に関しては不明であり、データ不足である。GHS分類:分類できない 生殖毒性 分類できない
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
ラットに8.59 mg/Lまたは15.86 mg/Lを吸入(蒸気)ばく露後14日間の観察期間中に、乾性ラ音、粘液状または赤色の鼻分泌物、努力性呼吸が観察され、剖検で肺の褪色が認められたが、死亡はなかった(US EPA/HPV (2008))。GHS分類:区分3(気道刺激性) 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
ラットに7.5~120 mg/kg/dayを14日間経口投与した試験(90日換算値:1.2~18.7 mg/kg/day)において、肝臓重量の増加を除き投与に関連する変化は認められなかった(US EPA/HPV (2008))。また、雌雄ラットの交配前から仔の離乳までの90日間の経口投与試験(5~45 mg/kg/day)において、親動物で肝臓および腎臓の重量の増加が観察されたが、その他の影響は認められず、NOAELは45 mg/kg/dayと報告されている(US EPA/HPV (2008))。以上の両試験とも本物質投与による悪影響は認められていないが、試験用量がいずれもガイダンス値の範囲内にあり、ガイダンス値上限付近での影響については不明である。データ不足である。GHS分類:分類できない 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
吸引性呼吸器有害性
データなし。GHS分類:分類できない 急性毒性(経口) 分類できない