安全データシート

メタクリル酸tert-ブチル (モノマー)

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: メタクリル酸tert-ブチル (モノマー)
  • CB番号: CB4392031
  • CAS: 585-07-9
  • EINECS番号: 209-548-7
  • 同義語: TBMA,メタクリル酸T-ブチル

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 塗料・分散剤原料,繊維処理剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
GHS改訂4版を使用
H25.9.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用
物理化学的危険性
引火性液体   区分3

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS02GHS07
注意喚起語
警告
危険有害性情報
H335 呼吸器への刺激のおそれ。
H315 皮膚刺激。
H226 引火性液体及び蒸気。
注意書き
安全対策
P280 保護手袋/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P271 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
P264 取扱い後は皮膚をよく洗うこと。
P261 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P243 静電気放電に対する措置を講ずること。
P242 火花を発生させない工具を使用すること。
P241 防爆型の【電気機器/換気装置/照明機器/機器】を使用すること。
P240 容器を接地しアースをとること。
P233 容器を密閉しておくこと。
P210 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
応急措置
P332 + P313 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
P304 + P340 + P312 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し,呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P303 + P361 + P353 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。
保管
P405 施錠して保管すること。
P403 + P235 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P403 + P233 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C8H14O2
  • 分子量: 142.20 g/mol
  • CAS番号: 585-07-9
  • EC番号: 209-548-7
  • 化審法官報公示番号: 2-1039
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後はただちに水を飲ませること(多くても2杯) 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし
適切な消火剤
泡 二酸化炭素(CO2) 粉末

5.2 特有の危険有害性

可燃性。
炭素酸化物
火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。
高温で空気と反応して爆発性混合物を生じる。
蒸気は空気より重く、床に沿って広がることがある。

5.3 消防士へのアドバイス

自給式呼吸器がある場合のみ危険区域に留まってもよい。安全なゾーンまで離れるか適切な保護衣を着用して、皮膚に触れないようにすること。

5.4 詳細情報

容器を危険ゾーンから移動させて水で冷やすこと。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: 蒸気、エアゾールを吸入してはならない。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 熱や発火源から遠ざける。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。 爆発のおそれ。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 液体吸収剤(例. Chemizorb® )で処置すること。 正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

火災及び爆発の予防
炎、熱および発火源から遠ざける。静電気放電に対する予防措置を講ずること。
衛生対策
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔を洗うこと。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管条件
容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管する。 熱や発火源から遠ざける。保管安定性推奨された保管温度2 - 8 °C

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔
を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具
身体の保護
難燃静電気保護服。
呼吸用保護具
気化ガス/エアロゾル発生時に必要
次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨します。DIN EN 143、DIN 14387お
よび使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。 爆発のおそれ。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体
無色
臭い
情報なし
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
情報なし

融点・凝固点

-48℃:GESTIS(2013)

沸点、初留点及び沸騰範囲

135.2℃:CRC(2010)

引火点

30℃(密閉式):GESTIS(2013)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

情報なし

燃焼又は爆発範囲

0.4~4.7vol%:GESTIS(2013)

蒸気圧

情報なし

蒸気密度

7.7 mbar(20℃):GESTIS(2013)

比重(相対密度)

0.875 g/cm³(20℃):GESTIS(2013)

溶解度

1000 mg/L at 25 ℃(測定値):SRC(2013)

n-オクタノール/水分配係数

LogPow=2.54(測定値):SRC(2013)

自然発火温度

410℃:GESTIS(2013)

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

情報なし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

蒸気/空気混合物は、強く温めると爆発性となる。

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

加熱

10.5 混触危険物質

強酸化剤

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
マウスのLD50値8,549 mg/kg (RTECS (2013)、元文献 H. Tanii and K. Hashimoto (1982)) に基づき、区分外とした。本調査で入手したRTECS (2013) のデータをもとに分類した。
経皮
データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
データ不足のため分類できない。
吸入:粉じん及びミスト
データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

データ不足のため分類できない。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

データ不足のため分類できない。

呼吸器感作性

呼吸器感作性:データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

皮膚感作性:データ不足のため分類できない。

生殖細胞変異原性

分類ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性である (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on July 2013))。in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on July 2013))。哺乳類培養細胞の染色体異常試験では陽性と記載されているが、最高用量のみ10%をわずかに上回った結果であり、明確な陽性と判断できない (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on July 2013))。

発がん性

データ不足のため分類できない。

生殖毒性

ラットを用いた経口投与の生殖毒性スクリーニング試験において、雌雄親動物の生殖機能への影響はなく、出生児では体重、外表観察及び剖検所見並びに生存率には被験物質投与による影響は認められていない (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on July 2013))。他の情報がなくデータ不足のため分類できない。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

データ不足のため分類できない。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットの28日間反復経口投与試験において、100 mg/kg/day (90日換算:31 mg/kg/day) 以上の投与群で被験物質投与に起因する病理学的変化が肝臓と腎臓に現れ、肝臓では小葉中心性の肝細胞肥大、腎臓では雄に近位尿細管上皮の硝子滴の増加及び再生性変化としての好塩基性変化が認められた (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on July 2013))。これらの結果について、肝臓の所見は一般に種々の薬物投与によって薬物代謝酵素の誘導が惹起された際に認められる、適応現象と考えられる変化であり、腎臓の所見は雄ラットに特異的に発現するα2μグロブリン腎症の特徴的変化でヒトには当てはまらないとされている (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on July 2013))。以上より、ガイダンス値範囲を超える高用量の500 mg/kg/day (90日換算:155 mg/kg/day) においても悪影響は認められず、経口経路では区分外相当となるが、他の経路による反復ばく露の情報がなく、データ不足のため分類できない。

吸引性呼吸器有害性

データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
死亡率 LC50 - Danio rerio (ゼブラフィッシュ) - 215 - 414 mg/l - 96 h
(OECD 試験ガイドライン 203)
ミジンコ等の水生無脊 椎動物に対する毒性
固定化 EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - > 100 mg/l - 48 h
藻類に対する毒性
成長抑制 EC50 - Desmodesmus subspicatus (緑藻) - > 100 mg/l - 72 h
(OECD 試験ガイドライン 201)
微生物毒性
呼吸抑制 EC50 - スラッジ処理 - > 1,000 mg/l - 30 min
(OECD 試験ガイドライン 209)

12.2 残留性・分解性

データなし

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 3272    IMDG (海上規制): 3272    IATA-DGR (航空規制): 3272

14.2 国連輸送名

IATA-DGR (航空規制): Esters, n.o.s. (tert-Butyl methacrylate)
IMDG (海上規制): ESTERS, N.O.S. (tert-Butyl methacrylate)
ADR/RID (陸上規制): ESTERS, N.O.S. (tert-ブチルメタクリラート)

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 3    IMDG (海上規制): 3    IATA-DGR (航空規制): 3

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): III IMDG (海上規制): III IATA-DGR (航空規制): III

14.5 環境危険有害性

非該当
ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

強酸化剤

15. 適用法令

労働安全衛生法

危険物・引火性の物

消防法

第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体

航空法

引火性液体

船舶安全法

引火性液体類

港則法

その他の危険物・引火性液体類

道路法

車両の通行の制限

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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