急性毒性
経口
データなし。GHS分類:分類できない データなし。
経皮
データなし。GHS分類:分類できない データなし。
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外 GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
ラットに0.027 mg/Lの濃度の水銀蒸気を2時間のばく露(4時間換算値:0.019 mg/L)により32匹中20匹死亡との結果(CICAD 50 (2003))から、LC50値は0.019 mg/L/4h以下となる。、GHS分類:区分1 ラットに0.027 mg/Lの濃度の水銀蒸気を2時間のばく露(4時間換算値:0.019 mg/L)により32匹中20匹死亡との結果(CICAD 50 (2003))から、LC50値は0.019 mg/L/4h以下となり、区分1に相当する。
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない データなし。
皮膚腐食性及び刺激性
データ不足。なお、ヒトへの影響としては、水銀の吸入、経口、あるいは経皮ばく露による皮膚反応には、紅斑性および掻痒性発疹、大量の発汗および掌や足底の皮膚の紅潮や剥離があり、一般的に先端疼痛を伴ってみられると報告されている(CICAD(J) (2005))が、この記述からは皮膚との接触による直接的影響が判別できない。GHS分類:分類できない データ不足。なお、ヒトへの影響としては、水銀の吸入、経口、あるいは経皮ばく露による皮膚反応には、紅斑性および掻痒性発疹、大量の発汗および掌や足底の皮膚の紅潮や剥離があり、一般的に先端疼痛を伴ってみられると報告されている(CICAD(J) (2005))が、この記述からは皮膚との接触による直接的影響が判別できないため「分類できない」とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
高濃度の水銀蒸気への暴露により、眼の充血や灼熱感ならびに結膜炎が観察されている(CICAD(J) (2005)、ATSDR (1999))との報告がある。GHS分類:区分2 高濃度の水銀蒸気への暴露により、眼の充血や灼熱感ならびに結膜炎が観察されている(CICAD(J) (2005)、ATSDR (1999))との報告に基づき、区分2とした。
呼吸器感作性
データなし。GHS分類:分類できない データなし。
皮膚感作性
日本産業衛生学会により感作性物質として皮膚:第1群に分類されている(産衛誌53巻 (2011))。なお、ヒトでは金属水銀に対するアレルギー性接触皮膚炎が報告されており、パッチテストで陽性反応を示した歯科医の症例、また、アマルガムを充填し口腔内扁平苔癬を有する患者29名において、対照群の3%に対し、62%が水銀に陽性反応を示したパッチテストの結果(IARC 58 (1993))が報告されている。GHS分類: 区分1 日本産業衛生学会により感作性物質として皮膚:第1群に分類されている(産衛誌53巻 (2011))ことから、 区分1とした。なお、ヒトでは金属水銀に対するアレルギー性接触皮膚炎が報告されており、パッチテストで陽性反応を示した歯科医の症例、また、アマルガムを充填し口腔内扁平苔癬を有する患者29名において、対照群の3%に対し、62%が水銀に陽性反応を示したパッチテストの結果(IARC 58 (1993))が報告されている。
生殖細胞変異原性
本物質自体について、実験動物や培養細胞を用いた試験のデータは見当たらない。しかし、ヒトでの疫学調査はいくつかの報告があり、金属水銀の職業ばく露により、染色体の構造異常の発生増加はなかったが、異数性や無動原体断片の発生率の有意な増加が見られた(IARC 58 (1993))こと、また、染色体への影響は認められなかった(IARC 58 (1993))との陰性結果、さらに、体細胞での姉妹染色分体の発生率の増加が見られた(IARC 58 (1993))ことなどが報告されている。しかし、不十分な方法、交絡因子が考慮されていない、あるいは水銀の尿中濃度(ばく露濃度)と観察結果との間に用量反応関係が見られないなどの理由により、結果の有意性は限定的であり、水銀の遺伝毒性について結論的な評価はできない(DFGMAK-Doc 15 (2001))と述べられている。GHS分類:分類できない 本物質自体について、実験動物や培養細胞を用いた試験のデータは見当たらない。しかし、ヒトでの疫学調査はいくつかの報告があり、金属水銀の職業ばく露により、染色体の構造異常の発生増加はなかったが、異数性や無動原体断片の発生率の有意な増加が見られた(IARC 58 (1993))こと、また、染色体への影響は認められなかった(IARC 58 (1993))との陰性結果、さらに、体細胞での姉妹染色分体の発生率の増加が見られた(IARC 58 (1993))ことなどが報告されている。しかし、不十分な方法、交絡因子が考慮
発がん性
IARCの発がん性評価でグループ3(IARC 58 (1993))、さらにACGIHではA4、EPAではDに分類されている。なお、動物試験の適切なデータはなく、ヒトでは米国、スウェーデン、オーストラリア、イタリア、カナダにおいてコホート研究やケース・コントロール研究による疫学調査が実施され、水銀のばく露により肺がんや脳腫瘍などのリスク増加を示す複数の報告(IARC 58 (1993))がある一方、腫瘍の発生とばく露との関連はなかった(IARC 58 (1993))とする相反する結果も報告されており、分類にはデータ不十分である。GHS分類:分類できない IARCの発がん性評価でグループ3(IARC 58 (1993))、さらにACGIHではA4、EPAではDに分類されていることから「分類できない」とした。なお、動物試験の適切なデータはなく、ヒトでは米国、スウェーデン、オーストラリア、イタリア、カナダにおいてコホート研究やケース・コントロール研究による疫学調査が実施され、水銀のばく露により肺がんや脳腫瘍などのリスク増加を示す複数の報告(IARC 58 (1993))がある一方、腫瘍の発生とばく露との関連はなかった(IARC 58 (1993))とする相反す
生殖毒性
ヒトで水銀蒸気のばく露による生殖への影響について複数の疫学調査の報告がある。職業的にばく露された女性歯科医師らを対象とした調査では、非曝露のコントロール群に比べて頭髪中の総水銀濃度は高く、自然流産、死産、先天異常(二分脊椎)等の異常もコントロールよりも多かった(産衛誌第40巻(1998))との報告、また、作業環境で水銀元素蒸気に暴露した女性349人を調べた研究で、215人の非暴露コントロールに比較し、妊娠合併症(中毒症、流産、遅延分娩、分娩時の大量出血)が多数みられた(CICAD(J) (2005))との報告など、水銀のばく露による女性の生殖に及ぼす悪影響が報告されている。なお、実験動物では、ラットに受胎前3週間および妊娠7~20日に2.5 mg/m3を吸入ばく露により、非ばく露の対照群と比べ出生後の生存仔数の著しい減少が報告され、仔の死亡は一部は母動物の授乳不能によるともされたが、死因は不明である(IRIS (2002))。GHS分類:区分1A ヒトで水銀蒸気のばく露による生殖への影響について複数の疫学調査の報告がある。職業的にばく露された女性歯科医師らを対象とした調査では、非曝露のコントロール群に比べて頭髪中の総水銀濃度は高く、自然流産、死産、先天異常(二分脊椎)等の異常もコントロールよりも多かった(産衛誌第40巻(1998))との報告、また、作業環境で水銀元素蒸気に暴露した女性349人を調べた研究で、215人の非暴露コントロールに比較し、妊娠合併症(中毒症、流産、遅延分娩、分娩時の大量出血)が多数みられた(CICAD(J) (2005))との