安全データシート

3-クロロ-5-トリフルオロメチル-N-(3-クロロ-4-トリフルオロメチル-2,6-ジニトロフェニル)ピリジン-2-アミン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 3-クロロ-5-トリフルオロメチル-N-(3-クロロ-4-トリフルオロメチル-2,6-ジニトロフェニル)ピリジン-2-アミン
  • CB番号: CB1161197
  • CAS: 79622-59-6
  • 同義語: フルアジナム

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 農薬 (殺菌剤) (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)   区分1 (肝臓、血液系)
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分1 (呼吸器) 区分3 (麻酔作用)
生殖毒性   区分1B
発がん性   区分2
皮膚感作性   区分1B
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性   区分1
急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト)   区分4
分類実施日(環境有害性)
平成18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)
環境に対する有害性
水生環境有害性 (長期間)   区分1
水生環境有害性 (急性)   区分1

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS05GHS07GHS08GHS09
注意喚起語
危険
危険有害性情報
H410 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性。
H361 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い。
H332 吸入すると有害。
H318 重篤な眼の損傷。
H317 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ。
注意書き
安全対策
P280 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P273 環境への放出を避けること。
P272 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P271 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
P261 粉じんの吸入を避けること。
P202 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P201 使用前に取扱説明書を入手すること。
応急措置
P391 漏出物を回収すること。
P333 + P313 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P308 + P313 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
P305 + P351 + P338 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P304 + P340 + P312 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し,呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P302 + P352 皮膚に付着した場合:多量の水で洗うこと。
保管
P405 施錠して保管すること。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。
注意:物質は完全にはテストされていません。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 分子量: 465.09 g/mol
  • CAS番号: 79622-59-6
  • 化審法官報公示番号: -
  • 安衛法官報公示番号: 8-(1)-1816

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。ただちに医師の診察を受けること。 呼吸停止時はただちに人工呼吸を実施し、必要に応じて酸素も吸入する。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 医師に相談する。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 ただちに眼科医の診察を受けること。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後はただちに水を飲ませること(多くても2杯) 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし
適切な消火剤
水 泡 二酸化炭素(CO2) 粉末

5.2 特有の危険有害性

火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。
可燃性。
フッ化水素
塩化水素ガス
窒素酸化物(NOx)
炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

自給式呼吸器がある場合のみ危険区域に留まってもよい。安全なゾーンまで離れるか適切な保護衣を着用して、皮膚に触れないようにすること。

5.4 詳細情報

ガス/蒸気/ミストを水スプレージェットで抑える(除去する)。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: ほこりを吸い込まないこと。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 乾燥剤で処置すること。正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。ほこりを生じないようにすること。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
換気フードの下で作業すること。吸い込まないこと。
衛生対策
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔を洗うこと。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 11: 可燃性固体
保管条件
密閉のこと。 乾燥。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔
を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 密着性の高い安全ゴーグル
皮膚及び身体の保護具
本推奨は、当社発行の安全データシート,に記載されている製品およびその指定の使用法のみに
適用される。溶解、他の物質との混合、およびEN374に記載の逸脱条件での使用については、
CE認証手袋のサプライヤに問い合わせのこと(例. KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, Internet:
www.kcl.de)
フルコンタクト
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:KCL 741 Dermatril® L
飛沫への接触
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:KCL 741 Dermatril® L
身体の保護
保護衣
呼吸用保護具
ほこりが生じた際に必要。
次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨します。DIN EN 143、DIN 14387お
よび使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
黄色
臭い
無臭

融点/凝固点

117℃ (農薬抄録 (2012))

沸点、初留点及び沸騰範囲

測定できず。150℃で不安定 (農薬抄録 (2012))

可燃性

データなし

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

該当しない

引火点

該当しない

自然発火点

該当しない

分解温度

177℃ (空気中) (農薬抄録 (2012))

pH

データなし

動粘性率

該当しない

溶解度

水: 0.157 mg/L (pH 7.0) (25℃) (農薬抄録 (2012)) n-ヘキサン、トルエン、ジクロロメタン、アセトン、オクタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、メタノールに可溶 (農薬抄録 (2012))

n-オクタノール/水分配係数

log Pow = 4.03 (25℃) (農薬抄録 (2012))

蒸気圧

2.3E-005 Pa (25℃) (農薬抄録 (2012))

密度及び/又は相対密度

1.757 g/mL (20℃) (農薬抄録 (2012))

相対ガス密度

該当しない

粒子特性

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

通常想定される。
可燃性有機物質及び製剤に概ね該当:微細に分散し、舞い上がった場合、粉じん爆発を起こす可能性が

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

情報なし

10.5 混触危険物質

強酸化剤

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 雌: 4,100 mg/kg、雄: 4,500 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2012)) (2) ラットのLD50: ≥ 4,100 mg/kg (EU CLP CLH (2012)、EU EFSA (2008)) (3) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2012))
経皮
【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2019)、EU CLP CLH (2012)、EU EFSA (2008)、農薬抄録 (2012))
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 (1) より、1.1 mg/Lで10例中2例の死亡 (雄の2/5例) が認められていることから、区分4とした。 なお、(2) は区分2の範囲内だが、全身ばく露により経口及び経皮の影響が考えられ、溶媒として本物質が完全に溶解するPEG 400を用いていることからダストエアロゾルのばく露として適切でないと考えられる。また、(1) がより新しいTGで実施されていることから、(2) を参考データとし、(1) のデータを基に分類した。 新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): > 1.1 mg/L (1.1 mg/Lで10例中2例死亡 (雄: 2/5例)) (食安委 農薬評価書 (2019)、EU CLP CLH (2012)、EU EFSA (2008)、農薬抄録 (2012))
【参考データ等】 (2) ラットのLC50 (全身ばく露、4時間): 雄: 0.463 mg/L、雌: 0.476 mg/L (溶媒としてPEG400を使用) (食安委 農薬評価書 (2019)、CLH Report (2011)、農薬抄録 (2012))

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

【分類根拠】 (1)~(3) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) EPA OPP 81-5に準拠したウサギを用いた4時間閉塞適用による皮膚刺激性試験で、ごく軽度から明らかな紅斑がみられたが、14日までには消失した。適用24/48/72時間後の平均スコアは0.8であった (RAC Background Document (2012)、農薬抄録 (2012))。 (2) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、軽微から軽度の刺激性を示した (食安委 農薬評価書 (2019)、EU EFSA (2008))。 (3) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、正常皮膚では皮膚反応はみられなかった (農薬抄録 (2012))

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1とした。21日まで角膜混濁等の症状が持続したことから、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1) 本物質のウサギ (n=6) を用いた眼刺激性試験で、スコア1以上3未満の角膜混濁が全例にみられ、適用21日後まで持続した。虹彩への影響は4/6例にみられ、そのうち1例では適用21日後まで持続した。結膜への影響は全例にみられ、そのうち1例では適用21日後まで持続した (EU CLP CLH (2012)、RAC Background Document (2012)、農薬抄録 (2012))。 (2) ウサギを用いた眼刺激性試験で、強い刺激性を示した (食安委 農薬評価書 (2019)、EU EFSA (2008))。
【参考データ等】 (3) EU-CLP分類でEye Dam. 1 (H318) に分類されている (EU CLP分類 (Access on December 2020))。

呼吸器感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1Bとした。細区分可能なデータ (2) が確認できたため、細区分をおこなった。
【根拠データ】 (1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法及びビューラー法) で、純度によりその程度は異なるが、陽性反応を示し、感作性を有すると判断された (食安委 農薬評価書 (2019)、EU EFSA (2008)、農薬抄録 (2012))。 (2) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (ビューラー法、適用濃度 50%) で、陽性反応 (陽性率 85%) を示し、感作性を有すると判断された (農薬抄録 (2012))。
【参考データ等】 (3) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、皮内投与 10%) で、惹起24時間後の5/10例 (陽性率 50%)、48時間後の2/10例 (陽性率 20%) に皮膚反応がみられ、陽性と報告されている (EU CLP CLH (2012)、農薬抄録 (2012))。 (4) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で、皮膚反応がみられなかった (EU CLP CLH (2012))。 (5) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 ビューラー法、適用濃度 50%) で、本物質で惹起を行った9/20例と対照群の1/10例に皮膚反応がみられ、陽性 (陽性率 35%) であったが、再惹起の結果、最終的な陽性率は5%と報告されている (EU CLP CLH (2012)、農薬抄録 (2012))。 (6) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (ビューラー法、適用濃度 100%) で、陰性であった (農薬抄録 (2012))。 (7) EU-CLP分類でSkin Sens. 1A (H317) に分類されている (EU CLP分類 (Access on December 2020))。

生殖細胞変異原性

【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) in vivoでは、経口投与したマウス又はチャイニーズハムスターの骨髄細胞を用いた小核試験において陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2019))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験、遺伝子突然変異試験、不定期DNA合成試験において陰性の報告がある (同上)。

発がん性

【分類根拠】 (1)~(3) より区分2とした。新たな情報源を用いて検討し分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでS (Suggestive Evidence Of Carcinogenicity, But Not Sufficient To Assess Human Carcinogenic Potential) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on November 2020):2001年分類) に分類されている。 (2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験において、雄で甲状腺ろ胞上皮細胞腺腫及びろ胞上皮細胞腺がんの増加傾向、ろ胞上皮細胞腫瘍の合計発生頻度の有意な増加が認められた。雌では投与に関連した腫瘍性病変の増加は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2019))。 (3) 雌雄のマウスに本物質を2年間混餌投与した2つの発がん性試験において、いずれ試験でも雄で肝細胞腺腫の発生頻度、並びに肝細胞腺腫及び腺がんの合計発生頻度の有意な増加が認められた。雌では投与に関連した腫瘍性病変の増加は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2019))。

生殖毒性

【分類根拠】 (1)~(3) より、母動物毒性がみられる用量であるが、胎児に重篤な毒性がみられることから区分1Bとした。なお、新たな情報源に基づき旧分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与 (媒体: コーン油) した発生毒性試験において、母動物毒性 (泌尿生殖器の汚染、体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量 (250 mg/kg/day) で胎児に小型胎児、上顎裂、変形口蓋等の外表異常の発生頻度が増加が認められた (食安委 農薬評価書 (2019))。 (2) 雌ラットの妊娠6~19日に強制経口投与 (媒体: 0.5%CMC-Na水溶液) した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少、肝絶対重量増加) がみられる用量 (50 mg/kg/day以上) で胎児に影響がみられ、50 mg/kg/dayで胎児の低体重及び骨格変異(仙椎前椎体数27、頭蓋骨及び椎弓の不完全骨化及び胸骨分節の未骨化)、300 mg/kg/dayで生存胎児数減少及び着床後胚死亡率の上昇が認められた。催奇形性は認められていない (食安委 農薬評価書 (2019))。 (3) 雌ウサギの妊娠6~19日に強制経口投与 (媒体: 1%CMC-Na水溶液) した発生毒性試験において、母動物毒性 (4 mg/kg/day以上で流産、肝細胞肥大、肺水腫又は胸水貯留、7 mg/kg/day以上で摂餌量減少、12 mg/kg/dayで体重増加抑制) がみられる用量で胎児毒性 (4 mg/kg/day以上で着床後胚死亡率の上昇、7 mg/kg/day以上で有意差のない中手骨及び指骨の不完全骨化の増加、12 mg/kg/dayで全胎児死亡、有意差のない頭頂骨の異常及び胸骨分節の癒合) が認められた (食安委 農薬評価書 (2019))。
【参考データ等】 (4) ラットを用いた混餌投与による2世代繁殖試験において、親動物毒性として、体重増加抑制、肝絶対及び比重量増加等がみられ、児動物に体重増加抑制が認められたが、繁殖能に対する影響は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2019))。 (5) 雌ラットの妊娠6日から授乳20日まで強制経口投与した発達神経毒性試験において、発達神経毒性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2019))。 (6) EU CLP分類ではRepr.2に分類されている (EU CLP分類 (Access on December 2020))。

特定標的臓器毒性 (単回ばく露)

【分類根拠】 本物質のヒトでの急性ばく露影響に関する報告はない。実験動物では、(1)、(2) より、区分1 (呼吸器)、(3) より、区分3 (麻酔作用) とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1) ラットの4時間吸入ばく露試験 (全身ばく露) において、雄: 0.304 mg/L、雌: 0.561 mg/L (いずれも区分1の範囲) で自発運動低下、被毛及び鼻吻の汚れ、呼吸数減少、眼球白濁、低体重等がみられた。また、死亡動物の肉眼的病理検査では、鼻汁、肺の充血及び出血、胃内ガス貯留などがみられ、死因は主に呼吸器系の障害と推定された (食安委 農薬評価書 (2019))。 (2) ラットの4時間吸入ばく露試験 (鼻部ばく露) において、1.1 mg/L (区分2の範囲) で被毛及び鼻吻部の汚れ、呼吸困難、ラッセル音、黄~赤色目脂、眼瞼閉鎖、透明鼻汁、糞尿排泄減少がみられた (食安委 農薬評価書 (2019)) (3) ラットの単回経口投与試験において、2,500 mg/kg (区分2超) 以上で立毛、円背位、異常歩行、嗜眠、四肢蒼白及び下痢、3,200 mg/kg (区分2超) の雄で運動失調、3,200 mg/kg (区分2超) 以上で呼吸数減少及び眼瞼下垂、4,000 mg/kg (区分2超) の雄で振戦、雌で伏臥位及び運動失調、5,000 mg/kg (区分2超) の雄で伏臥位がみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。
【参考データ等】 (4) ラットの単回経口投与試験において、5,000 mg/kg (区分2超) で立毛、下痢がみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。 (5) ラットの単回経口投与試験において、5,000 mg/kg (区分2超) で運動能低下、円背位、立毛等がみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。 (6) イヌの単回経口投与試験において、5,000 mg/kg (区分2超) で、嘔吐、腎皮質淡色化、腎表面に浮腫、肝淡色化がみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。

特定標的臓器毒性 (反復ばく露)

【分類根拠】 (1)~(7) より、区分1 (肝臓、血液系) とした。新たな情報を用いて検討した結果、旧分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1) ラットを用いた90日間混餌投与試験の結果、500 ppm (雄/雌: 38/44 mg/kg/day、区分2の範囲) の雌雄で慢性盲腸炎、雄で軽度の貧血、小葉中心性肝細胞肥大、肝類洞の慢性炎症、雌で肺及び子宮の重量増加がみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。 (2) イヌを用いた90日間経口投与試験の結果、100 mg/kg/day (区分2の範囲) の雌雄で眼の脈絡膜壁板の灰色色斑、肝重量増加並びに肝胆管増生、雌でALP増加がみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。 (3) ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性試験の結果、100 ppm (雄/雌: 3.9/4.9 mg/kg/day、区分1の範囲) の雌で軽度の貧血 (ヘマトクリット値、ヘモグロビン、MCHC、赤血球数の減少) がみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。 (4) ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/発がん性併合試験の結果、100 ppm (雄/雌: 3.82/4.87 mg/kg/day、区分1の範囲) の雌雄で軽度の貧血 (赤血球容積比、ヘモグロビン、赤血球数、MCHC及びMCVの減少)、雌で胆管周囲炎、小葉中心性類洞拡張、膵外分泌腺萎縮が、1,000 ppm (雄/雌: 40/53 mg/kg/day、区分2の範囲) の雌雄で総コレステロール増加、好酸性肝細胞巣、小葉中心性肝細胞淡明化及び空胞化 (脂肪)、胆管過形成、胆管周囲炎、肺炎、肺胞上皮の立方上皮化生、雄で小葉中心性類洞拡張、膵外分泌腺萎縮、精巣萎縮及び精子肉芽腫、雌で脱毛 (試験終了時)、小葉中心性肝細胞壊死、リンパ節洞組織球症、膵腺房細胞空胞化 (脂肪) がみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。 (5) マウスを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/発がん性併合試験の結果、非腫瘍性病変として100 ppm (雄/雌: 10.7/11.7 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雌雄で肝褐色色素沈着大食細胞が、1,000 ppm (雄/雌: 107/117 mg/kg/day、区分2超) の雌雄で肝肉芽腫形成、中枢神経系白質空胞化、雄で 好塩基性及び好酸性肝細胞巣増加がみられた。当該試験でみられた中枢神経系白質空胞化について、中枢神経毒性確認試験を行った結果、本物質そのものに中枢神経系白質空胞化を誘発する作用は確認されず、原体混在物 (未同定) が空胞化の主たる原因であることが示唆された (食安委 農薬評価書 (2019))。 (6) イヌを用いた1年間慢性毒性試験の結果、10 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上の雌雄で白血球数及び好中球数の増加、雌で鼻乾、骨髄球/赤芽球比増加が、50 mg/kg/day (区分2の範囲) の雌雄で流涎、鼻乾、赤血球容積比、ヘモグロビン及び赤血球数の減少、ALP増加、肝重量増加、中枢神経系白質空胞化、雄で総コレステロール増加がみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。 (7) ラットを用いた21日間経皮毒性試験の結果、10 mg/kg/day (90日換算: 2.3 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雄でAST及び総コレステロール増加、小葉中心性肝細胞肥大、雌で潰瘍を伴う皮膚炎ががみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。

誤えん有害性*

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性クラスの内容に変更はない。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
LC50 - Lepomis macrochirus (ブルーギル) - 0.055 mg/l - 96.0 h
ミジンコ等の水生無脊 椎動物に対する毒性
EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 0.22 mg/l - 48 h
藻類に対する毒性
EbC50 - Pseudokirchneriella subcapitata (緑藻) - 0.16 mg/l - 72 h

12.2 残留性・分解性

データなし

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

環境への放出を避けること。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 3077    IMDG (海上規制): 3077    IATA-DGR (航空規制): 3077

14.2 国連輸送名

IATA-DGR (航空規制): Environmentally hazardous substance, solid, n.o.s. (Fluazinam)
(Fluazinam)
IMDG (海上規制): ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S.
ジナム)
ADR/RID (陸上規制): ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S. (フルア

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 9    IMDG (海上規制): 9    IATA-DGR (航空規制): 9

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): III IMDG (海上規制): III IATA-DGR (航空規制): III

14.5 環境危険有害性

該当
ADR/RID: 該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 該当

14.6 特別の安全対策

14.7 混触危険物質

EHSマーク(ADR 2.2.9.1.10, IMDGコード 2.10.3)5 kg / L 以下で、危険物クラス 9 に該当しないパッケー
危険物(液体 >5Lまたは固体 >5kg)を有する内装容器を含む、単一容器および複合容器に必要とされる
詳細情報
強酸化剤

15. 適用法令

労働安全衛生法

-

化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)

第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【95 3-クロロ-N-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジル)-アルファ,アルファ,アルファ-トリフルオロ-2,6-ジニトロ-パラ-トルイジン】

毒物及び劇物取締法

-

航空法

有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】3077 環境有害物質(固体)】

船舶安全法

有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】3077 環境有害物質(固体)】

水道法

有害物質(法第4条第2項)、水質基準(平15省令101号)【12 フッ素及びその化合物】

下水道法

水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)【26 ふっ素及びその化合物】

水質汚濁防止法

有害物質(法第2条、施行令第2条、排水基準を定める省令第1条)【25 ふっ素及びその化合物】

土壌汚染対策法

特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条)【22 ふっ素及びその化合物】

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
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