安全データシート

テオブロミン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: テオブロミン
  • CB番号: CB7753381
  • CAS: 83-67-0
  • 同義語: テオブロミン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 主にカフェインの合成に使われている。以前は、テオブロミン及びその誘導体は、利尿薬、心筋覚せい剤、血管拡張、平滑筋弛緩剤として使用されていた。テオブロミンの使用は現在の治療ではない。
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H23.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
生殖細胞変異原性   区分2
生殖毒性   区分1B
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分1(胸腺)
注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS07GHS08
注意喚起語
警告
危険有害性情報
飲み込むと有害
注意書き
[安全対策]
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
[応急措置]
飲み込んだ場合:気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : テオブロミン
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(HPLC)(T)
  • CAS RN: : 83-67-0
  • 別名 : 3,7-Dimethylxanthine
  • 化学式: : C7H8N4O2
  • 官報公示整理番号 化審法: : (9)-847
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 8-(2)-851

4. 応急措置

吸入した場合:

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪い時
は、医師の診断、手当てを受けること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。皮膚を流水、シャ
ワーで洗うこと。皮膚刺激または発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを
受けること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合:

気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

作業者が直接暴露されないように、できるだけ密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵マスク、簡易防塵マスク等。
手の保護具:
保護手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
粉末または単斜晶系の針
白色
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

357 ℃ : Merck (14th, 2006)

沸点、初留点及び沸騰範囲

290-295 ℃ (昇華) : HSDB (2006)

引火点

データなし

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

8.95E-10 mmHg (25 ℃) : Howard (1997)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

データなし

溶解度

330 mg/L (25 ℃) : SRC (Access on Aug. 2010)
ベンゼン、エーテル、クロロホルム、四塩化炭素にほぼ溶解 : Sax (11th, 2004)

オクタノール・水分配係数

log Kow = -0.78 : HSDB (2006)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値: 950 mg/kg bw(IARC 51 (1991))。(GHS分類:区分4)
経皮
データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入
吸入(ガス):   GHSの定義における固体である。(GHS分類:分類対象外)
吸入(蒸気):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(粉じん):   データなし。(GHS分類:分類できない)

皮膚腐食性・刺激性

データなし。(GHS分類:分類できない)

眼に対する重篤な損傷・刺激性

データなし。(GHS分類:分類できない)

呼吸器感作性又は皮膚感作性

呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
皮膚感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖細胞変異原性

チャイニーズハムスターに経口投与後の骨髄を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)において陽性(IARC 51 (1991))。なお、ラットに経口投与またはマウスに腹腔内投与による優性致死試験(生殖細胞in vivo 経世代変異原性試験)で陰性(IARC 51 (1991))、チャイニーズハムスターに経口投与後の骨髄を用いて染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)で陰性であったが姉妹染色分体交換試験(体細胞in vivo遺伝毒性試験)では陽性であった(IARC 51 (1991))。また、in vitro試験としてはエームス試験で陰性、染色体異常試験はヒトのリンパ球を用いた場合は陽性、チャイニーズハムスターの細胞では陰性(IARC 51 (1991))。(GHS分類:区分2)

発がん性

IARCでGroup 3に分類されている(IARC 51 (1991))。(GHS分類:分類できない)

生殖毒性

マウスを用いて交配の1週間前から混餌投与した生殖試験において、少なくとも複数の生殖指標に対し影響を及ぼし、妊娠母体当りの生存出生仔の割合が対照群と比べ低下し、交差交配の結果から、雌では生殖能の重度の損傷、雄では異常精子の発生増加が見出された(NTP Report # RACB83073 (1984))。また、妊娠マウスの器官形成期に腹腔内投与をした試験で、口蓋裂、指欠損の奇形の発生増加、妊娠ウサギの器官形成期の経口投与においても奇形の発生が報告されている(IARC 51 (1991))。なお、本物質を含むココアを用いた経口投与によるラット3世代生殖毒性試験では、生殖に対する悪影響は見られなかった(IARC 51 (1991))。(GHS分類:区分1B)

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

ラットに250-300 mg/kg bwを経口投与した試験で完全な胸腺の萎縮を起こしたとの報告があり、標的器官として胸腺が記載されている(IARC 51 (1991))。(GHS分類:区分1(胸腺))

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

ラットを用いた90日間混餌投与試験において、唯一の変化は高用量(250 mg/kg/day)群の体重増加抑制と精巣重量の低下のみで、病理学的及び血液学的な変化は認められなかった(IARC 51 (1991))。また、ラットを用いた28日間および64週間の混餌投与試験では、それぞれ0.8%(90日換算用量:249 mg/kg/day)および0.5%(90日換算用量:250 mg/kg/day)の用量で重度の精巣萎縮が生じた(IARC 51 (1991))。(GHS分類:経口経路では区分外であるが、データ不足で分類できない。)

吸引性呼吸器有害性

データなし。(GHS分類:分類できない)

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
却炉で焼却する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

該当なし。

国連分類:

国連の分類基準に該当せず。

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

船舶安全法

毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
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