安全データシート

トリクロロイソシアヌル酸

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: トリクロロイソシアヌル酸
  • CB番号: CB4672436
  • CAS: 87-90-1
  • EINECS番号: 201-782-8
  • 同義語: トリクロロイソシアヌル酸

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: プール用消毒剤,殺菌・消毒剤,クレンザー,ゴムの塩素化剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
H31.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性
酸化性固体   区分2
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
皮膚腐食性及び皮膚刺激性   区分2
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性   区分1
分類実施日(環境有害性)
環境に対する有害性はH18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用
環境に対する有害性
水生環境有害性(急性)   区分1
水生環境有害性(長期間)   区分1

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS03GHS07GHS09
注意喚起語
危険
危険有害性情報
H272 火災助長のおそれ:酸化性物質。
H302 飲み込むと有害。
H319 強い眼刺激。
H335 呼吸器への刺激のおそれ。
H410 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性。
注意書き
安全対策
P210 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
P261 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264 取扱い後は皮膚をよく洗うこと。
P270 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
P273 環境への放出を避けること。
P280 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
応急措置
P301 + P312 + P330 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。口をすすぐこと。
P304 + P340 + P312 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し,呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P305 + P351 + P338 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337 + P313 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
P391 漏出物を回収すること。
保管
P403 + P233 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P405 施錠して保管すること。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: 1,3,5-Trichloro-2,4,6-triazinetrione
    Trichlorocyanuric acid
    Symclosene
    TCICA
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C3Cl3N3O3
  • 分子量: 232.41 g/mol
  • CAS番号: 87-90-1
  • EC番号: 201-782-8
  • 化審法官報公示番号: -
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 眼科医の診察を受けること。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後はただちに水を飲ませること(多くても2杯) 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
水 泡
適切な消火剤
現場の状況と周辺環境に応じて適切な消火手段を用いる。

5.2 特有の危険有害性

炭素酸化物
窒素酸化物(NOx)
塩化水素ガス
可燃性。
火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。
酸素を放出して火災を拡げる作用がある。

5.3 消防士へのアドバイス

火災時には、自給式呼吸器を着用する。

5.4 詳細情報

ガス/蒸気/ミストを水スプレージェットで抑える(除去する)。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: ほこりを吸い込まないこと。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 乾燥剤で処置すること。正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。ほこりを生じないようにすること。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

火災及び爆発の予防
炎、熱および発火源から遠ざける。
衛生対策
汚れた衣類は取り替えること。事前に皮膚を保護することが望ましい。本物質を扱った後は手を洗うこと。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 5.1B: 酸化された危険物
保管条件
密閉のこと。 可燃性物質や発火源・熱源から隔離すること。 可燃性物質の近くに保管しない。酸の近くに保管しない。不活性ガス下に貯蔵する。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚れた衣類は取り替えること。事前に皮膚を保護することが望ましい。本物質を扱った後は手を洗う
こと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具
本推奨は、当社発行の安全データシート,に記載されている製品およびその指定の使用法のみに
適用される。溶解、他の物質との混合、およびEN374に記載の逸脱条件での使用については、
CE認証手袋のサプライヤに問い合わせのこと(例. KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, Internet:
www.kcl.de)
フルコンタクト
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:KCL 741 Dermatril® L
本推奨は、当社発行の安全データシート,に記載されている製品およびその指定の使用法のみに
適用される。溶解、他の物質との混合、およびEN374に記載の逸脱条件での使用については、
CE認証手袋のサプライヤに問い合わせのこと(例. KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, Internet:
www.kcl.de)
飛沫への接触
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:KCL 741 Dermatril® L
身体の保護
保護衣
呼吸用保護具
ほこりが生じた際に必要。
次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨します。DIN EN 143、DIN 14387お
よび使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
白色
臭い
塩素臭
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
4.4

融点・凝固点

248℃ : Chapman (2008)

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし

引火点

>250℃ (open cup) : IUCLID (2000)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

燃焼性(固体、気体)

データなし

燃焼又は爆発範囲

データなし

蒸気圧

1.25×10-007mmHg (25℃) (推定値) : SRC (Access on Sep. 2008)

蒸気密度

データなし

比重(相対密度)

2.07g/cm3 : ICSC (J) (2007)

溶解度

水 : 1.0 g/100g (25℃) : Ullmanns (E) (6th, 2003) アセトン : 35.0g/100g (30℃) : Ullmanns (E) (6th, 2003)

n-オクタノール/水分配係数

logP=0.94 (推定値) : SRC (Access on Sep. 2008)

自然発火温度

データなし

分解温度

データなし

粘度(粘性率)

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

可燃性有機物質及び製剤に概ね該当:微細に分散し、舞い上がった場合、粉じん爆発を起こす可能性が
通常想定される。

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

尿素
塩基類
酸化剤
還元剤
次との反応で有毒ガスや煙を生じる
次との反応で有毒ガスや煙を生じる
酸類
次の物質との反応で爆発や有毒ガス発生の危険あり
有機物質
可燃性物質
窒素化合物
アンモニア
アンモニウム化合物

10.4 避けるべき条件

情報なし

10.5 混触危険物質

データなし

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値406 mg/kg〔HSDB (2008)〕、490 mg/kg〔IUCLID (2000)〕、750 mg/kg (HSDB (2008))は区分4に該当する。なお、ラットのLD50値1000 mg/kg, 1060 mg/kg(male), 1010 mg/kg(female)〔以上、IUCLID (2000)〕のデータがあるが、元文献の記載がなかったため分類根拠には採用しなかった。
経皮
ウサギのLD50値>2000 mg/kg(IUCLID(2000))、ウサギのLD50値20000 mg/kg(IUCLID(2000))、ウサギのLDLo=5010 mg/kg(RTECS(2003))はJIS分類基準の区分外(国連分類基準でも区分外)に該当する。
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
データなし。
吸入:粉じん及びミスト
ラットのLC50は>50 mg/L/1h( > 12.5mg/L4h)(IUCLID (2000))であり区分外に該当する。なお、蒸気圧は1.25E-007mmHg(25℃, est) [換算値 0.0000166625Pa(25℃, est)](Howard (1997)、SRC (Access on Sep. 2008))である。蒸気圧から飽和蒸気濃度を換算すると0.01558mg/Lとなることから粉塵と判断した。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

ウサギを用いた試験でmoderately irritating(IUCLID(2000))とあり、また、ウサギのStandard Draize testでmoderate(RTECS(2003))とあることから区分2とした。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

ウサギを用いたドレイズテストの所見にhighly corrosive(IUCLID(2000))、severe(RTECS(2003))とあることから区分1とした。

呼吸器感作性

データなし。

皮膚感作性

データなし。

生殖細胞変異原性

当該物質を使用したin vivo試験データがなく分類できない。in vitro変異原性試験では、Ames test(IUCLID(2000))、Mouse Lymphoma assay(IUCLID(2000))で陰性の結果が得られている。なお、代謝物であるシアヌル酸のモノナトリウム塩の強制経口投与によるラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)は陰性(IUCLID(2000))である。

発がん性

当該物質で行われた試験データはないため分類できないとした。なお、代謝物であるシアヌル酸のモノナトリウム塩の飲水投与によるラット24ヶ月、マウス104週間試験の結果において、腫瘍の発生の増加は認められない(IUCLID(2000))。

生殖毒性

当該物質を使用した試験データがないため分類できないとした。なお、代謝物であるシアヌル酸のモノナトリウム塩のラットを用いた飲水投与による3世代生殖毒性試験で親の生殖能、性機能および仔の発生に影響はなく、ラットとウサギを用いた器官形成期の経口投与による発生毒性試験でも胎児毒性および催奇形性に影響は認められていない(IUCLID(2000))。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

データなし。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

当該物質を使用した試験データがないため分類できない。なお、代謝物であるシアヌル酸のモノナトリウム塩のラットとマウスを用いた13週間の反復暴露試験において、ラットで膀胱結石(IUCLID(2000))、マウスで膀胱の上皮の過形成(IUCLID(2000))の報告がある。シアヌル酸の塩素化物質は哺乳類では体内に入った場合、安定した脱塩素化合物に急速に代謝されるので試験にはシアヌル酸およびその塩を使用し、当該物質の評価とした(IUCLID(2000))との記述がある。

吸引性呼吸器有害性

データなし。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
LC50 - Oncorhynchus mykiss (ニジマス) - 0.08 mg/l - 96.0 h
ミジンコ等の水生無脊 椎動物に対する毒性
EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 0.17 mg/l - 48 h

12.2 残留性・分解性

データなし

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 2468    IMDG (海上規制): 2468    IATA-DGR (航空規制): 2468

14.2 国連輸送名

ADR/RID (陸上規制): TRICHLOROISOCYANURIC ACID, DRY
IMDG (海上規制): TRICHLOROISOCYANURIC ACID, DRY
IATA-DGR (航空規制): Trichloroisocyanuric acid, dry

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 5.1    IMDG (海上規制): 5.1    IATA-DGR (航空規制): 5.1

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): II IMDG (海上規制): II IATA-DGR (航空規制): II

14.5 環境危険有害性

ADR/RID: 該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当
該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

15. 適用法令

化審法

優先評価化学物質(法第2条第5項)

消防法

第1類酸化性固体、塩素化イソシアヌル酸(法第2条第7項・別表第1・第1類10・令第1条)

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
オキサロニトリル SDS メチレンジアミン 二塩酸塩 SDS ジフェノール酸 SDS トリクロロイソシアヌル酸 SDS 葉酸水和物 SDS DL-α-トコフェロール SDS ビュウレット SDS ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム SDS 1,3,5-トリアジン SDS くえん酸 SDS