急性毒性
経口
GHS分類: 区分外 ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg との報告 (SIDS (2005)) に基づき、区分外とした。
経皮
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 区分外 ラットを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404、GLP適合) において、本物質500 mgを4時間適用した結果、刺激反応はみられなかったとの報告がある (SIDS (2005))。以上の結果から区分外と判断した。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない
皮膚感作性
GHS分類: 区分外 モルモットを用いたビューラー試験 (OECD TG 406、GLP適合) で全ての供試動物の感作性スコアが0であったことから、感作性なしと結論されている (SIDS (2005))。以上の結果から区分外と判断した。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 分類できない ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。本物質は、in vivoではマウスの小核試験で陰性 (SIDS (2005))、in vitroでは細菌の復帰突然変異試験で陰性である (SIDS (2005))。本物質の類縁物質の硫酸カルシウム (CAS: 7778-18-9) は、in vitroで細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験において陰性の報告がある (SIDS (2005))。以上、類縁物質の情報に基づき判断した。
発がん性
GHS分類: 分類できない 国際機関による分類結果もなく、データ不足のため分類できない。
生殖毒性
GHS分類: 分類できない 本物質をラットに強制経口与した反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、限度量 (1,000 mg/kg/day) まで投与しても親動物の生殖能、及び児動物への発生影響はみられなかった (SIDS (2009))。ただし、スクリーニング試験結果のみでは「区分外」に分類できず、他に本項の分類に利用可能なデータはなく、データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
GHS分類: 区分3 (気道刺激性) 本物質はヒトに対して気道刺激性がある (SIDS (2009)、ACGIH (7th, 2006)) との情報から、区分3 (気道刺激性) とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
GHS分類: 分類できない ヒトについては、本物質 (二水和物) の明確な健康影響の報告はない。 ドイツのストーンウェア工場の石膏型製造者の肺X線所見で影響がみられたとの報告 (DFGOT vol. 2 (1991))、カナダの石膏鉱山労働者、粉砕作業従事者の横断的研究 において呼吸困難、X線検査において肺の陰影がみられたとの報告やイギリスの石膏鉱山の従業員の横断的研究 において肺実質の影響、肺機能への影響がみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2006))。しかし、疫学データはばく露情報がなく、また、石英のばく露の影響を除外できない。 動物実験において、本物質をラットに強制経口投与した反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、雄300 mg/kg/day以上 (90日換算: 117 mg/kg/day以上) で総蛋白、アルブミン、BUN、AST、ALT、クレアチニンの減少がみられている (SIDS (2009))。これらの変動は区分2の範囲を超えている。 上記のとおり、ヒトにおいて本物質の明確な健康影響の報告がなく、実験動物において十分な毒性試験データがない。したがって、データ不足のため分類できない。
吸引性呼吸器有害性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。