安全データシート

2-(モルホリノチオ)ベンゾチアゾール

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 2-(モルホリノチオ)ベンゾチアゾール
  • CB番号: CB6130974
  • CAS: 102-77-2
  • 同義語: 2-(モルホリノチオ)ベンゾチアゾール,N-オキシジエチレンベンゾチアゾリルスルフェンアミド

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: ゴムの加硫促進剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H21.3.27、政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)を使用
物理化学的危険性
金属腐食性物質   分類できない
有機過酸化物   分類対象外
酸化性固体   分類対象外
酸化性液体   分類対象外
水反応可燃性化学品   分類対象外
自己発熱性化学品   分類できない
自然発火性固体   分類できない
自然発火性液体   分類対象外
自己反応性化学品   分類できない
可燃性固体   分類できない
引火性液体   分類対象外
高圧ガス   分類対象外
支燃性・酸化性ガス類   分類対象外
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
可燃性・引火性ガス   分類対象外
火薬類   分類対象外
健康に対する有害性
吸引性呼吸器有害性   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   分類できない
生殖毒性   区分外
発がん性   区分外
生殖細胞変異原性   分類できない
皮膚感作性   区分1
呼吸器感作性   分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分2A
皮膚腐食性・刺激性   区分外
急性毒性(吸入:ミスト)   分類できない
急性毒性(吸入:粉じん)   分類できない
急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
急性毒性(経皮)   区分外
急性毒性(経口)   区分外
環境に対する有害性
水生環境慢性有害性   区分2
水生環境急性有害性   区分2

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS07GHS08GHS09
注意喚起語
警告
危険有害性情報
長期継続的影響により水生生物に毒性
水生生物に毒性
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
強い眼刺激
皮膚刺激
飲み込むと有害
注意書き
[安全対策]
粉じん、煙、ミスト、蒸気、スプレーの吸入を避けること。
環境への放出を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護眼鏡を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。皮膚刺激または発疹が生じ
た場合:医師の診断、手当てを受けること。汚染された衣類を脱ぐこと。そし
て再使用する場合には洗濯をすること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。眼の刺激が続
く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
漏出物を回収すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : 2-(モルホリノチオ)ベンゾチアゾール
  • 濃度又は濃度範囲: : >97.0%(GC)
  • CAS RN: : 102-77-2
  • 別名 : N-Oxydiethylene-2-benzothiazolesulfenamide
  • 化学式: : C11H12N2OS2
  • 官報公示整理番号 化審法: : (5)-897
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 8-(7)-419

4. 応急措置

吸入した場合:

は、医師の診断、手当てを受けること。
空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪い時

皮膚に付着した場合:

こと。
洗うこと。皮膚刺激または発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受ける
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で

目に入った場合:

て洗うこと。眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し

飲み込んだ場合:

気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

る。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
個人用保護具を着用する。

環境に対する注意事項:

環境への悪影響が懸念されるため、河川等へ排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。
粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

作業者が直接暴露されないように、できるだけ密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵マスク、簡易防塵マスク等。
手の保護具:
保護手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
黄色~茶色
臭い
甘い芳香
pH
データなし

融点・凝固点

85-86 ℃ : Chapman Ver. 16:1 (2008)

沸点、初留点及び沸騰範囲

分解 : NITE総合検索 (access on Sep. 2008)

引火点

188 ℃ (開放式) : IUCLID (2000)

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

0.0000045hPa(25℃) [換算値 0.00045Pa(25℃)] : IUCLID (2000)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

1.34 (水=1) (25℃) : NITE総合検索 (access on 9 2008)

溶解度

ベンゼン, アセトン, メタノールに可溶。 : HSDB (2003)
水 : 5850 mg/L (25℃, 推定値) : SRC (access on 9 2008)

オクタノール・水分配係数

log Pow = 1.02 (推定値) : SRC (access on 9 2008)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

その他

換算係数(25℃):1ppm=10.3mg/m3、1mg/m3=0.0969ppm

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物, 硫黄酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットの4つのLD50値(>7940 mg/kg, >5000 mg/kg , >10000 mg/kg, 1980 mg/kg(IUCLID (2000))のうち、3つが区分外に該当し1つが区分4に該当することから区分外とした。
経皮
ウサギLD50が>7940 mg/kg(IUCLID (2000))とするデータに基づき、区分外とした。
吸入
吸入(粉じん):   データなし
吸入(蒸気):   データなし
吸入(ガス):   GHSの定義における固体である。

皮膚腐食性・刺激性

ウサギを用いたドレイズ試験において24時間適用で刺激性なし(IUCLID (2000))、他のウサギを用いた皮膚刺激性試験でも刺激性なし(IUCLID (2000))の結果に基づき区分外とした。なお、モルモットを用いた皮膚刺激性試験で刺激性が認められたという情報(IUCLID (2000))がある。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギを用いたドレイズ試験において24時間適用で軽度の刺激性、他のウサギを用いた試験においても軽度の刺激性~中等度の刺激性が認められることから区分2とした。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性: ヒトのパッチテスト(IUCLID (2000))や、モルモットを用いたBuehler法などの試験(IUCLID (2000), HSDB (2003))において、いずれも陽性との結果が得られていることから、区分1とした。
呼吸器感作性:データなし

生殖細胞変異原性

ラットを用いた優性致死試験(生殖細胞を用いるin vivo経世代変異原性試験)において陽性の結果が得られている(IUCLID (2000))が、1用量のみの試験であり記述が不十分であり評価が困難である。なお、in vitro変異原性試験においては、エームス試験(IUCLID (2000))、CHO細胞を用いる染色体異常試験(HSDB (2003))で陰性、マウスリンフォーマ試験において陽性(IUCLID (2000))、CHO細胞を用いる突然変異試験では陰性と陽性の結果(IUCLID (2000)、HSDB (2003))が得られている。以上の結果よりin vivo試験「優性致死試験」の陽性結果は妥当性が判断できず、in vitroでは、陰性/陽性の知見があるが確定的な結論は導けず「分類できない」とした。

発がん性

ラットを用いた2年間の経口投与(混餌)試験、マウスを用いる79週の強制経口投与試験、21ヶ月の経口投与(混餌)試験、18ヶ月の経口投与試験において発がん性は認められていない(IUCLID (2000))ことから区分外とした。なお。マウスの皮下投与においても発がん性は確認されていない(IUCLID (2000))。

生殖毒性

ラットの雌雄を用いた繁殖試験において発情周期の変化、受胎の遅延、全胎仔死亡率の増加等の影響等は認められていない(IUCLID (2000))、また、複数のラットの器官形成期の経口投与試験において仔の奇形の発生等の影響、着床後死亡による胎仔数の減少も認められない(IUCLID (2000))ことより区分外とした。

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

データなし

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

ラットを用いた4週間の経口投与試験(用量:100, 200, 500, 1000 mg/kg)の1000 mg/kgの用量.、3ヶ月のによる経口投与(混餌)試験(用量:18, 69, 282, 1125 mg/kg)の1125 mg/kgの用量、21ヶ月間の経口投与(混餌)試験(用量:15, 150, 1500 mg/kg)の1500 mg/kgの用量、56日間の強制経口投与試験の(125, 250, 500 mg/kg)の125、250mg/kgの用量において臓器重量以外の変化は確認されていない(IUCLID (2000))。いずれもガイダンスの範囲内では影響が見られないことから区分外(経口)としたに該当するが、経皮経路での区分を決定できるようなデータがないことから「分類できない」とした。なお吸入経路については、4週間吸入ばく露試験(6時間/日・5日/週、用量:0.0044, 0.0098, 0.0102 mg/L)の最高用量においてわずかな体重減少、臓器重量、生化学値の変化が認められるものの、それ以外の病理学的変化は確認されていない(IUCLID (2000))。

吸引性呼吸器有害性

データなし

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
1.02
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
却炉で焼却する。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
地方条例や国内規制に従う。
適切な保護具を着用する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

3077

品名(国連輸送名):

Environmentally hazardous substance, solid, n.o.s.

国連分類:

クラス9(その他の有害物件)

容器等級:

海洋汚染物質:

Y

輸送の特定の安全対策及び条件:

積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。
運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように

15. 適用法令

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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