急性毒性
経口
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
旧分類が使用した農薬登録申請資料 (1984) は入手できず、確認不能であるため、旧分類から分類結果を変更した。
【参考データ等】 (本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 77182-82-2))
(1) ラットのLD50: 雌: 1,510 mg/kg、雄: 1,660 mg/kg (JMPR (2012)、食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2011))
(2) ラットのLD50: 雌: 1,620 mg/kg、雄: 2,000 mg/kg (JMPR (2012)、食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2011)、HSDB (Access on June 2020))
(3) ラットのLD50: 1,620 mg/kg (GESTIS (Access on June 2020))
経皮
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
旧分類が使用した農薬登録申請資料 (1984) は入手できず、確認不能であるため、旧分類から分類結果を変更した。
【参考データ等】 (本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 77182-82-2))
(1) ウサギのLD50: 雌: 1,500~2,000 mg/kg、雄: > 2,000 mg/kg (JMPR (2012))
(2) ラットのLD50: 1,380 mg/kg (GESTIS (Access on June 2020))
(3) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (JMPR Report (2012))
(4) ラットのLD50: 雌: 4,000 mg/kg、雄: > 4,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)、HSDB (Access on June 2020))
(5) ラットのLD50: > 4,000 mg/kg (JMPR (2012))
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
旧分類が使用した農薬登録申請資料 (1986) は入手できず、確認不能であるため、旧分類から分類結果を変更した。
【参考データ等】 (本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 77182-82-2))
(1) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): 雄: 1.26 mg/L、雌: 2.60 mg/L (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2011)、HSDB (Access on June 2020))
(2) ラットのLC50 (4時間): 1.26 mg/L (GESTIS (Access on June 2020))
(3) ラットのLC50 (4時間): ≥ 1.26 mg/L (JMPR Report (2012))
(4) 本物質のアンモニウム塩における蒸気圧: 9.1E-012 mmHg (25℃) (HSDB (Access on June 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 9.7E-011 mg/L)
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。旧分類が使用した農薬登録申請資料 (1984) は入手できず、確認不能であるため、旧分類から分類結果を変更した。
【参考データ等】
(1) 本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 77182-82-2) のウサギを用いた皮膚刺激性試験で、刺激性はみられなかった (食安委 農薬評価書 (2013))。
(2) 本物質のアンモニウム塩のウサギを用いた皮膚刺激性試験 (ドレイズ法) で、非刺激物と判定された (農薬抄録 (2011))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。旧分類が使用した農薬登録申請資料 (1984) は入手できず、確認不能であるため、旧分類から分類結果を変更した。
【参考データ等】
(1) 本物質のアンモニウム塩のウサギを用いた眼刺激性試験で、刺激性はみられなかった (食安委 農薬評価書 (2013))。
(2) 本物質のアンモニウム塩のウサギを用いた眼刺激性試験 (ドレイズ法) で、非刺激物と判定された (農薬抄録 (2011))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
(1)~(3) より、本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 77182-82-2) のデータを基に区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) 本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 77182-82-2) のOECD TG 429に準拠したマウス局所リンパ節試験 (LLNA) でSI値は3を上回らず、陰性と判定されている (JMPR (2012))。
(2) 本物質のアンモニウム塩のEPA OPP 81-6に準拠したモルモットを用いた皮膚感作性試験 (ビューラー法、適用濃度 50%) で、陰性と報告されている (JMPR (2012)、農薬抄録 (2011))。
(3) 本物質のアンモニウム塩のOECD TG 406に準拠したモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、皮内投与 1%) で陰性と報告されている (JMPR (2012)、農薬抄録 (2011))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
(1)、(2)より、本物質のアンモニウム塩 (CAS番号778182-82-2) のデータを用いて、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) In vivoでは、本物質のアンモニウム塩のデータとして、マウス単回経口投与による小核試験で陰性 (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2011)、JMPR (2012))。
(2) In vitroでは、本物質のアンモニウム塩のデータとして、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験で陰性 (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2011)、JMPR (2012))、染色体異常試験で陰性 (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2011))。
発がん性
【分類根拠】
本物質の国内外の分類機関による既存分類及び発がん性に関する報告は得られていないが、本物質のアンモニウム塩の既存分類結果 (1) 及び動物試験結果 (2)、(3) から、区分に該当しないとした。なお、旧分類で使用された農薬登録申請資料 (1986) は入手できず、確認不能である。
【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 77182-82-2) がEPAでNL (Not Likely To Be Carcinogenic To Humans) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on October 2020):1999年分類) に分類されている。
(2) 雌雄のラットに本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 77182-82-2) を2年6ヵ月間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、発がん性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2013))。
(3) 雌雄のラット及びマウスに本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 77182-82-2) を2年間混餌投与した発がん性試験では、発がん性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2013))。
【参考データ等】
(4) (3) のラットの2年間発がん性試験では、10,000 ppm 投与群の雄において、稀な腫瘍である皮膚腫瘍 (毛包腫)の発生頻度増加が認められたが、毛包由来と考えられる腫瘍 (毛母腫、毛包上皮腫、毛包腫及び角化棘細胞腫)の発生頻度の合計に統計学的な有意差は認められず、これらの毛包系腫瘍の発現は投与に関連した影響ではないと考えられた (食安委 農薬評価書 (2013))。
生殖毒性
【分類根拠】
本物質のデータはないが、本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 77182-82-2) のデータで分類した。
(1)~(3) より、区分1Bとした。なお、新たな情報源を用いて評価し旧分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) ラットに本物質のアンモニウム塩を混餌投与した2世代繁殖試験において、360 ppm (P世代雄: 24、雌: 36、F1世代雄: 24、雌33 mg/kg/day) の雌親動物 (P及びF1) で哺育期間中の摂餌量減少、P及びF1世代 で生産児数の減少 (F1a: 対照群11.2匹、8.8匹、F1b: 対照群11.7匹、7.4匹、F2a: 対照群10.8匹、9.6匹、F2b: 対照群11.2匹、8.2匹) がみられている (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2011)、JMPR (2012))。生産児数の減少について、農薬抄録 (2011) では交尾率、受胎率、妊娠率、出産率及び妊娠期間に影響がみられないことから着床後早期に及ぼす影響と考察している。食安委 農薬評価書 (2013) では繁殖能に影響は認められなかったとしている。
(2) 雌ウサギの妊娠7~19 日に本物質のアンモニウム塩を強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (痙攣による切迫屠殺 (1例)、体重増加抑制 (対照群の94%)、摂餌量減少) 用量 (20 mg/kg/day) で、早産 (1例)、全胎児死亡 (1例)、着床痕のみ (1例) がみられ、胎児死亡数増加 (対照群: 0匹/腹、20 mg/kg/day: 0.55匹/腹) がみられている (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2011))。
(3) 雌ラットの妊娠6~15日に本物質のアンモニウム塩を強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡 (1/20例)、膣出血のため屠殺 (子宮内死亡胎児及び流産と考えられ屠殺: 8/20例)、膣出血、活動性亢進、不穏な動き、粗毛、弛緩状態等) 用量 (250 mg/kg/day) で胎児に死亡胎児数増加、腎盂及び尿管拡張の発生頻度増加 (対照群: 0.9%、250 mg/kg/day: 15.7%) がみられているが催奇形性はみられていない (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2011))。
【参考データ等】
(4) 本物質のアンモニウム塩はEU CLP分類でRepr. 1Bに分類されている (EU CLP分類 (Access on June 2020))。