安全データシート

γ-ウンデカノラクトン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: γ-ウンデカノラクトン
  • CB番号: CB0396763
  • CAS: 104-67-6
  • EINECS番号: 203-225-4
  • 同義語: ウンデカラクトン,γ-ウンデカノラクトン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 食品香料 (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
-
分類実施日(環境有害性)
ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
環境に対する有害性
-

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS07
注意喚起語
なし
危険有害性情報
H412 長期継続的影響によって水生生物に有害。
H401 水生生物に毒性。
注意書き
安全対策
P273 環境への放出を避けること。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: Aldehyde C14
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C11H20O2
  • 分子量: 184.28 g/mol
  • CAS番号: 104-67-6
  • EC番号: 203-225-4
  • 化審法官報公示番号: 5-67
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後は水を飲ませる(多くても2杯)。気分が悪い場合は医師の診察を受ける。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし
適切な消火剤
泡 二酸化炭素(CO2) 粉末

5.2 特有の危険有害性

火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。
高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる
蒸気は空気より重く、床に沿って広がることがある。
可燃性。
炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

火災時には、自給式呼吸器を着用する。

5.4 詳細情報

消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: 蒸気、エアゾールを吸入してはならない。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 液体吸収剤(例. Chemizorb® )で処置すること。 正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 10: 可燃性液体
保管条件
密閉のこと。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類は替えること。本物質を扱った後は手を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具
必要なし
呼吸用保護具
エアゾル形成時以外は不要。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
液体(GHS判定)
無色~淡黄色
臭い
フルーティで梨の様な匂い

融点/凝固点

データなし

沸点、初留点及び沸騰範囲

286 ℃(HODOC(1989), Chapman(1995). GESTIS(2022), Lange(2017)) 117~118 ℃(1.5℃)(Chapman(1995)) 162 ℃(13℃)(Lange(2017))

可燃性

データなし

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

データなし

引火点

>110 ℃(Lange(2017)) 145 ℃(Closed cup)(GESTIS(2022))

自然発火点

データなし

分解温度

データなし

pH

データなし

動粘性率

データなし

溶解度

水: (不溶)(HODOC(1989)) アルコール: 60 %(1mL in 5mL (in ethanol))(HSDB in PubChem(2022)) 四塩化炭素: (わずかに溶ける)(HODOC(1989))

n-オクタノール/水分配係数

データなし

蒸気圧

データなし

密度及び/又は相対密度

0.9494 g/cm³(20/4 ℃)(HODOC(1989)) 0.942~0.945 g/cm³(HSDB in PubChem(2022)) 0.949 g/mL(Lange(2017))

相対ガス密度

データなし

粒子特性

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

引火点より下のおよそ15ケルビンからの範囲は危険とみなされている。
高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

強力な熱

10.5 混触危険物質

強酸化剤強酸化剤, 強塩基類

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。
【根拠データ】 (1)ラットのLD50:18,500 mg/kg(EPA Peticides RED (1996)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))
経皮
【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(OECD TG 402、GLP)(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

【分類根拠】 (1)~(3)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)ヒトに対する2%ワセリン混合物の48時間パッチテストでは刺激性はみられなかった(EPA Pesticides RED (1996))。 (2)50名の背部皮膚に32%溶液0.05mL、48時間経皮適用したが、皮膚刺激性はみられなかった(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。 (3)ラットを用いた急性経皮毒性試験(2,000 mg/kg、半閉塞、24時間適用)において、皮膚刺激性はみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)ウサギ(n=4)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、72時間観察)において、全例で1時間後に軽微な結膜発赤がみられたが、24時間以内に回復した(角膜混濁スコア:0/0/0/0、虹彩炎スコア:0/0/0/0、結膜発赤スコア:0/0/0/0、結膜浮腫スコア:0/0/0/0)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed 2022))。

呼吸器感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
【参考データ等】 (1)25名のボランティアに対するMaximisation試験(2%溶液)において、感作性反応はみられなかった(EPA Pesticides RED (1996)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。 (2)モルモットを用いたOpen epicutaneous testで陰性の報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。

生殖細胞変異原性

【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた腹腔内投与による小核試験(単回投与(500 mg/kg)、4日間連続投与(250~2,000 mg/kg/day))で、陰性の報告がある(REACH登録情報 (Accessed 2022))。 (2)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験で代謝活性の有無にかかわらず陰性であった。一方、チャイニーズハムスターの肺由来細胞(CHL)を用いた染色体異常試験では、代謝活性化非存在下で陰性と報告された(S9+は試験未実施)(REACH登録情報 (Accessed 2022))。

発がん性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。(1)は被験体数など標準的な発がん性試験ではないことから、(2)は投与期間が短いことから根拠データとして採用しなかった。
【参考データ等】 (1)ラット(雌雄各20匹/群)を用いた2年間混餌投与による慢性毒性試験で、0.5%(5,00ppm≒ 250 mg/kg/day)まで特定の有害性影響はみられなかった(EPA Pesticides RED (1996))。 (2)雌マウスを用いた4週間皮下投与(25 mg/匹、3回/週、6カ月以上観察)による発がん影響を評価した試験で、6ヵ月後の生存例は媒体対照群、無処置対照群及び検体投与群で各々97/100例、171/203例及び4/16例であった。対照群には皮下の肉腫、乳がん、肺腫瘍等が認められたが、投与群には腫瘍の発生はみられなかった(REACH登録情報 (Accessed 2022))。

生殖毒性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

特定標的臓器毒性 (単回ばく露)

【分類根拠】 (1)、(2)より、経口及び経皮経路では区分に該当しない。ただし、吸入経路での毒性情報がなくデータ不足のため分類できない。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投与試験において、LD50は18,500 mg/kg(区分に該当しない範囲)と報告され、死亡例は投与後4時間から5日目にみられた。また投与から10分以内に抑うつがみられ、体毛の湿潤がみられたとの報告がある(EPA Pesticides RED (1996)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。 (2)ラットを用いた単回経皮投与試験(OECD TG 402、GLP)において、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で死亡例、全身症状、皮膚刺激性はみられなかった(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2022))。

特定標的臓器毒性 (反復ばく露)

【分類根拠】 (1)、(2)より、経口経路では区分に該当しないと考えられる。ただし、他経路では分類に十分な情報がなく、データ不足のため分類できない。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験において、16.5 mg/kg/day(雄)、14.6 mg/kg/day(雌)(区分2の範囲)で有害性影響はみられなかったとの報告がある(EPA Pesticides RED (1996))。 (2)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/がん原性併合試験において、0.5%(250 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で有害性影響はみられなかったとの報告がある(EPA Pesticides RED (1996))。

誤えん有害性*

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
止水式試験 LC50 - Leuciscus idus (コイの一種) - 21.5 mg/l - 96 h
(DIN 38412 part 15)
備考: (類似製品と同様)
ミジンコ等の水生無脊
止水式試験 EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 5.85 mg/l - 48 h
椎動物に対する毒性
(OECD 試験ガイドライン 202)
藻類に対する毒性
止水式試験 ErC50 - Pseudokirchneriella subcapitata - 7.218 mg/l - 72 h
(OECD 試験ガイドライン 201)

12.2 残留性・分解性

生分解性
好気性 - 曝露時間 28 d
結果: 82 % - 易分解性。
(OECD 試験ガイドライン 301D)

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.2 国連輸送名

IATA-DGR (航空規制): Not dangerous goods
IMDG (海上規制): Not dangerous goods
ADR/RID (陸上規制): 非危険物

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): - IMDG (海上規制): - IATA-DGR (航空規制): -

14.5 環境危険有害性

非該当
ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当

14.6 特別の安全対策

14.7 混触危険物質

国際輸送に関する国連勧告の定義上は、危険物に該当しない。
詳細情報
強酸化剤強酸化剤, 強塩基類

15. 適用法令

労働安全衛生法

該当しない

化審法

優先評価化学物質(法第2条第5項)

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(令和5年度以降の対象)

毒物及び劇物取締法

該当しない

消防法

第4類 引火性液体 第三石油類 非水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)

16. その他の情報

略語と頭字語

STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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