急性毒性
経口
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分4とした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 1,146 mg/kg (HSDB (Access on May 2020))
(2) ラットのLD50: 1,150 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020))
(3) ラットのLD50: 雌: 1,196 mg/kg、雄: 1,254 mg/kg (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第10号 (1992))
(4) ラットのLD50: 2,600 mg/kg (EPA Pesticides RED (1995))
経皮
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (EPA Pesticides RED (1995)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第10号 (1992))
(2) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020))
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
(1)~(3) より区分4~区分外に該当するが、これらの情報のみでは区分を特定できないため、分類できないとした。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (1.9E-005 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。
【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): > 1.7 mg/L (EPA Pesticides RED (1995))
(2) ラットのLC50 (4時間): > 4.06 mg/L (HSDB (Access on May 2020))
(3) ラットのLC50 (4時間): 6.15 mg/L (GESTIS (Access on May 2020)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第10号 (1992))
(4) 本物質の蒸気圧: 1.43E-006 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 1.9E-005 mg/L)
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) 本物質 (97.4%) のEPA OPP 81-5に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で、刺激性はみられなかった (EPA Pesticides RED (1995))。
(2) 本物質の7.5%及び75%ジメチルフタレート懸濁液のウサギを用いた皮膚刺激性試験で、刺激性はみられなかった (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第10号 (1992))。
【参考データ等】
(3) 本物質は皮膚と眼を刺激する可能性がある (HSDB (Access on May 2020))。
(4) 本物質の10%水懸濁液はモルモットの皮膚に軽度から中等度の刺激性を示す (HSDB (Access on May 2020))。
(5) 本物質のドライフロアブル剤 (50%) の5%及び50%ジメチルフタレート懸濁液のウサギを用いた皮膚刺激性試験で、5%では刺激性はみられず、50%では軽度の刺激性がみられた (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第10号 (1992))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) 本物質 (97.4%) のEPA OPP 81-4に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で、24時間後に軽度の結膜発赤がみられたが、72時間後までに消失した (EPA Pesticides RED (1995))。
【参考データ等】
(2) 本物質は皮膚と眼を刺激する可能性がある (HSDB (Access on May 2020))。
(3) 本物質のドライフロアブル剤 (50%) のウサギを用いた眼刺激性試験で、ごく軽度の刺激性がみられた (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第10号 (1992))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) 本物質 (97.4%) のEPA OPP 81-6に準拠したモルモットを用いた皮膚感作性試験で、陰性と判定された (EPA Pesticides RED (1995))。
(2) 本物質のモルモットを用いた皮内投与による皮膚感作性試験で、感作性はみられなかった (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第10号 (1992))。
【参考データ等】
(3) 本物質のドライフロアブル剤 (50%) のモルモットを用いた皮内投与による皮膚感作性試験で、感作性はみられなかった (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第10号 (1992))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) in vivoでは、ラット経口投与の骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陰性 (EPA Pesticides RED (1995)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第10号 (1992))、マウス飲水投与の骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陰性の報告がある (HSDB (Access on May 2020))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性の報告 (EPA Pesticides RED (1995)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第10号 (1992))、哺乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験で陰性の報告がある (EPA Pesticides RED (1995))。
発がん性
【分類根拠】
(1)、(2) より区分2とした。なお、旧ガイダンスではEPAの分類Cを区分外と評価していたが、最新のガイダンスではEPAの分類Cを区分2と評価するようになったため、分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでC (possible human carcinogen) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on August 2020):2001年分類)、EU CLP分類でCarc.2 (EU CLP分類 (Access on May 2020)) に分類されている。
(2) 雌雄のラット及びマウスに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験において、ラットで精巣間細胞腺腫の有意な増加、マウスの雌で肝細胞腺腫の有意な増加が認められた (EPA Pesticides RED (1995))。
生殖毒性
【分類根拠】
(1)~(3)より、親毒物毒性、生殖毒性の程度を検討し、奇形はみられないものの重篤な胚、胎児毒性、児動物毒性がみられていることから区分1Bとした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による3世代繁殖毒性試験 (25、125、625 ppm (1.25、6.25、31.25 mg/kg/day相当)) において、親動物毒性 (体重減少、体重増加抑制、脱毛) のみられる用量 (31.25 mg/kg/day) で、妊娠率及び同腹児数の減少、哺育児の生存率低下及び体重減少、F2b離乳児の肝臓及び腎臓重量減少、肝細胞萎縮がみられた (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第10号 (1992)、EPA Pesticides RED (1995))。
(2) 雌ラットの妊娠6~15日に混餌投与した発生毒性試験 (50、125、625 ppm (5.0、12.1、49.8 mg/kg/day相当)) において、母動物毒性 (摂餌量減少、体重増加抑制) がみられる用量 (49.8 mg/kg/day) で着床後胚吸収増加、同腹児及び胎児の吸収率の増加がみられた (EPA Pesticides RED (1995))。
(3) 雌ウサギの妊娠7~19日に強制経口投与した発生毒性試験 (0、5、25、100 mg/kg/day) において、母動物毒性 (体重減少、摂餌量減少、肝臓の絶対及び相対重量減少) がみられる用量 (100 mg/kg/day) で、発生影響として流産数の増加 (5/25例) 、一腹当たりの平均胎児数の減少、胎児体重の減少、頭蓋骨の骨格変異を有する胎児の発生率の増加がみられたる (EPA Pesticides RED (1995))。
【参考データ等】
(4) ラットを用いた混餌投与による2世代繁殖毒性試験において、繁殖影響はみられていない (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第10号 (1992))。
(5) 雌ラットの妊娠6~15日に混餌投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (摂餌量減少、体重増加抑制) がみられる用量でも催奇形性はみられていない (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第10号 (1992))。
(6) 雌ウサギの妊娠7~19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少、流産、肝重量増加) がみられる用量で、胎児に体重低値傾向及び不規則な形状の頭泉門 (変異) がみられたが、催奇形性はみられていない (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第10号 (1992))。
(7) EU CLP分類ではRepr. 1Bに分類されている (EU CLP分類 (Access on May 2020))。