安全データシート

六フッ化タングステン

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 六フッ化タングステン
  • CB番号: CB2324737
  • CAS: 7783-82-6
  • 同義語: 六フッ化タングステン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 電子工業材料(半導体)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H18.8.22 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用
物理化学的危険性
金属腐食性物質   分類できない
有機過酸化物   分類対象外
酸化性固体   分類対象外
酸化性液体   分類対象外
水反応可燃性化学品   分類対象外
自己発熱性化学品   分類対象外
自然発火性固体   分類対象外
自然発火性液体   分類対象外
自己反応性化学品   分類対象外
可燃性固体   分類対象外
引火性液体   分類対象外
高圧ガス   グループ液化ガス
支燃性・酸化性ガス類   区分外
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
可燃性・引火性ガス   区分外
火薬類   分類対象外
健康に対する有害性
吸引性呼吸器有害性   分類対象外
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   分類できない
生殖毒性   分類できない
発がん性   分類できない
生殖細胞変異原性   分類できない
皮膚感作性   分類できない
呼吸器感作性   分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   分類できない
皮膚腐食性・刺激性   分類できない
急性毒性(吸入:ミスト)   分類対象外
急性毒性(吸入:粉じん)   分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気)   分類対象外
急性毒性(吸入:ガス)   区分2
急性毒性(経皮)   分類できない
急性毒性(経口)   分類できない
環境に対する有害性
水生環境慢性有害性   分類できない
水生環境急性有害性   分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル
GHS04GHS05GHS06
注意喚起語
危険
危険有害性情報
吸入すると生命に危険
加圧ガス:熱すると爆発するおそれ
注意書き
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
【廃棄】
容器を密閉して保管すること。
施錠して保管すること。
日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。
【保管】
吸入した場合、直ちに医師に連絡すること。
吸入した場合、被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
【応急措置】
ガスを吸入しないこと。
適切な呼吸用保護具を着用すること。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
【安全対策】

3. 組成及び成分情報

  • 化学名又は一般名: 六フッ化タングステン
  • 別名: タングステン(Ⅵ)ヘキサフルオリド (Wolfram(VI) hexafluoride)、フッ化タングステン(Ⅵ) (Tungsten(VI) fluoride)
  • 分子式(分子量): F6W (297.838)
  • CAS番号:: 7783-82-6
  • 官報公示整理番号(化審法・安衛法): (1)-1177
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
  • 濃度又は濃度範囲: 1

4. 応急措置

吸入した場合

直ちに医師に連絡すること。
被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。

皮膚に付着した場合

皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
多量の水と石鹸で洗うこと。

目に入った場合

眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。

飲み込んだ場合

気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
口をすすぐこと。

予想される急性症状及び遅発性症状

データなし

最も重要な兆候及び症状

データなし

応急措置をする者の保護

データなし

医師に対する特別注意事項

データなし

5. 火災時の措置

消火剤

水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類

使ってはならない消火剤

棒状放水

特有の危険有害性

破裂したボンベが飛翔するおそれがある。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
火災によって刺激性、腐食性及び/又は毒性のガスを発生するおそれがある。

特有の消火方法

ガス漏れを止められないときは、漏洩ガスの火災は消火しない。
火災の種類に応じて適切な消火剤を用いる。
損傷したボンベは専門家だけが取り扱う。
漏洩部や安全装置に直接水をかけてはいけない。凍るおそれがある。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。

消火を行う者の保護

消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。
消火作業の際は、空気呼吸器を含め適切な防護服(耐熱性)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具および緊急措置

ガスが拡散するまでその区域を立入禁止とする。
漏洩場所を換気する。
低地から離れる。
漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性の高い、不浸透性の保護衣を着用する。
密閉された場所に立入る前に換気する。
風上に留まる。
関係者以外の立入りを禁止する。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。

環境に対する注意事項

環境への放出を避けること。

回収・中和

データなし。

封じ込め及び浄化方法・機材

容器を冷却して蒸発を抑え、発生した蒸気雲を分散させるため散水を行う。
可能ならば、漏洩している容器を回転させ、液体でなく気体が放出するようにする。
危険でなければ漏れを止める。

二次災害の防止策

住居地域及び工業地域の住民に直ちに警告し、危険地域から避難する。
漏洩物又は漏洩源に直接水をかけない。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項
皮膚との接触を避けること。
飲み込みを避けること。
取扱い後はよく手を洗うこと。
皮膚、粘膜等に触れると、炎症を起こす。
漏洩すると、材料を腐食させる危険性がある。
吸入すると、死亡する危険性がある。
可燃性ガスと混合すると、発火、爆発の危険性がある。
多量に吸入すると、窒息する危険性がある。
使用後は、バルブを完全に閉め、口金キャップを取り付け、保護キャップを付ける。
容器の取り付け、取り外しの作業の際は、漏洩させないよう、十分注意する。
容器は丁寧に取り扱い、衝撃を与えたり、転倒させない。
周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
接触回避
データなし

保管

技術的対策
容器は保安上1年以内にご使用の上、速やかに販売事業者に返却すること(高圧ガス保安協会指針)。
混触危険物質
データなし
保管条件
換気の良い場所で保管すること。
日光から遮断すること。
容器包装材料
データなし

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

2ppm (HFとして)

許容濃度(ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

日本産衛学会(2007年版)
3ppm (HFとして)
ACGIH(2007年版)
TWA 0.5 ppm STEL C2 ppm (HFとして) TWA 2.5 mg/m3 (Fとして) TWA 5 mg/m3 STEL 10 mg/m3 (不溶性W化合物として)

設備対策

作業場には全体換気装置、局所排気装置を設置すること。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
本製品を貯蔵又は使用する設備は、眼洗浄施設及び安全シャワーを設置したほうがよい。
空気中の濃度を制御するには、一般適正換気で十分である。

保護具

呼吸器の保護具
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具
適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
適切な保護衣を着用すること。

衛生対策

取扱い後はよく手を洗うこと。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
気体
無色
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

2.3℃ : NITE総合検索 (Access on Oct. 2008)

沸点、初留点及び沸騰範囲

17.5℃ : NITE総合検索 (Access on Oct. 2008)

引火点

引火せず

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

670mmHg (20℃) : NITE総合検索 (Access on Oct. 2009)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

3.441g/cm3 (15℃) : NITE総合検索 (Access on Oct. 2008)

溶解度

水と反応する : NITE総合検索 (Access on Oct. 2008)

オクタノール・水分配係数

データなし

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

危険有害反応可能性

データなし

避けるべき条件

データなし

混触危険物質

データなし

危険有害な分解生成物

データなし

その他

ステンレス鋼、アルミニウム、鋼、Inconel、monel は耐久性あり。

11. 有害性情報

急性毒性

経口
データなし
経皮
データなし
吸入
吸入(ミスト):   GHSの定義による気体であるため、ミストでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
吸入(粉じん):   GHSの定義による気体であるため、粉じんでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
吸入(蒸気):   GHSの定義による気体であるため、蒸気での吸入は想定されず、分類対象外とした。
吸入(ガス):   ラットを用いた吸入ばく露試験のLC50=1.43 mg/L (HSDB (2004)) は、計算式を適用すると 117 ppm に相当し、この値に基づいて、区分2とした。

皮膚腐食性・刺激性

データなし

眼に対する重篤な損傷・刺激性

データなし

呼吸器感作性又は皮膚感作性

呼吸器感作性:データなし 皮膚感作性: データなし

生殖細胞変異原性

データなし なお、生殖細胞変異原性については、(ID63、フッ化水素、CAS:7664-39-3)、(ID479、フッ化ナトリウム、CAS:7661-49-4) も参照のこと。

発がん性

データなし なお、発がん性については、(ID63、フッ化水素、CAS:7664-39-3)、(ID479、フッ化ナトリウム、CAS:7661-49-4) も参照のこと。

生殖毒性

データなし なお、生殖毒性については、(ID63、フッ化水素、CAS:7664-39-3)、(ID479、フッ化ナトリウム、CAS:7661-49-4) も参照のこと。

12. 環境影響情報

水生環境急性有害性

データがなく分類できない。

水生環境慢性有害性

データがなく分類できない。

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。

汚染容器及び包装

空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。

14. 輸送上の注意

国際規制

海上規制情報
IMOの規制に従う。
航空規制情報
輸送禁止
UNNo.
2196
ProperShippingName.
Tungsten hexafluoride
Class
2.3

国内規制

陸上規制情報
毒劇法の規制に従う。
海上規制情報
船舶安全法の規制に従う。
航空規制情報
輸送禁止

特別安全対策

重量物を上積みしない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

緊急時応急措置指針番号

125

15. 適用法令

労働安全衛生法

名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) (政令番号:9-337, 9-487)

毒物及び劇物取締法

毒物(指定令第1条) (政令番号:31)

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) (政令番号:1-283)

船舶安全法

高圧ガス・毒性高圧ガス

航空法

高圧ガス・毒性高圧ガス

港則法

高圧ガス・毒性高圧ガス

労働基準法

疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条・別表第1の2第4号1・昭53労告36号)

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
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